老犬とは人間でいうと40歳になるときからをシニア犬、60歳になるときからを老犬とすると、トイプードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンド、ポメラニアンなどの小型犬の場合は6歳からがシニア犬、11歳あたり~老犬になります。
ラブラドール・レトリーバーのような大型犬は、5歳からがシニア犬、8歳からはもう高齢期に突入します。
そんな老犬と一緒に生活していると、散歩のときに色々と悩みがでてきませんか。
✔散歩へいきたがらないけど行った方がいいの?
✔雨の日の散歩は?
✔散歩大好きだけど関節に問題があり歩行困難
✔介助が必要だけどどうすれば?
あなど。
老犬にとって散歩とは、毎日の単調な生活に刺激を与え、痴呆予防にも役立つ、大切な行いです。
今回はそんな老犬の散歩時の、悩み別に解決策をまとめました。
散歩をおっくうがる
散歩に行きたがらない理由は、大きく分けて2つあります。
1つは腰痛や腰痛など、カラダに不調があるケースです。
これは老化によるものと病気の場合があるので、早めに獣医師に相談するといいです。
もう1つは面倒くさいなど、やる気そのものがないケースです。
散歩に行きたい欲求がなければ、億劫なのは当然のこと。
原因は、気持ちの問題でもある可能性もあります。
散歩がおっくうな理由の例
- 脚や腰の関節が痛む
- 散歩に行く気分ではない
- 目が見えづらくて不安
- カラダに不調がある
- 単調な散歩に飽きてしまった
- 飼い主が楽しそうではない
成犬の時は活動的でも、年を取るにつれて少しづつ運動量は減るものですが、「高齢だから仕方がない」と運動をやめてしまうと、愛犬の老化を早めることに。
脚や腰の筋肉をキープするためには、適度な運動が不可欠です。
また、高齢になると若い頃に比べて基礎代謝が減るので、運動をやめると肥満になる可能性もあります。
愛犬が散歩を億劫がったら、まずは犬の立場に立って理由を考えてみましょう。
カラダの不調が原因でない場合、その理由を取り除けば、若い頃のように楽しい散歩ができるはずです。
毎日同じコースの散歩をやめよう
毎日同じコースの散歩では、犬もつまらないものです。 散歩をおっくうがるのが気持ちの問題であれば、愛犬が楽しいと感じる散歩をすればOKです。
自分自身に置き換えて、どうすれば楽しくなるかを考えてみましょう。
毎日同じ散歩コースだったら、犬も飽きてしまいます。
たまにはコースを変えてみたり、いつもは素通りする公園に立ち寄ってみたり、犬に新しい刺激を与えてあげましょう。
海までドライブし、砂浜を歩くのも散歩の1つ。
「散歩+義務」と考えずに、飼い主自信が楽しむことも大切です。
✔知らない公園に立ち寄ってみる
✔散歩中、他の犬と遊んで見る
✔飼い主自身も散歩を楽しむ
✔雨なら行かないなど、臨機応変に
雨の日も散歩は必要?
散歩は日課だから、雨の日でも何でも行かなければいけないと考える飼い主さんがいます。
でも、人間が面倒だと感じることは、犬も面倒だと思っているかもしれません。
飼い主がイヤイヤなら、犬にもその気持ちは伝わります。
もちろん散歩は大切ですが、雨なら控えるなど臨機応変に対応してもいいでしょう。
もし雨でも「散歩連れて行って!」ってタイプなら、愛犬にレインコートを着せることをおすすめします♪
老犬と散歩する時のコツ
体力が少しづつ落ちてくる老犬の散歩は、若い頃と同じ距離、同じコースだとカラダに負担がかかってしまいます。
愛犬の体力や健康状態などの変化をよく観察して、散歩の方法を変えていきましょう。
例えば足腰が弱ってきたなら、負担の多い階段を避けて、緩やかな坂道を通るようにしましょう。
こうすれば、無理な負担がかかることなく、適度な運動力が保てます。
他にも、休憩の取り方や出かける前のウォーミングアップ、散歩中の水分補給など、健康維持のために注意したいポイントを押さえておきましょう。
散歩スタイルを見直す
散歩の距離や回数は、愛犬の体力と健康状態に合わせて変えましょう。
疲れやすくなったら、一回あたりの距離を短くして回数を増やしたり、途中に休憩を取るなどの工夫を。
また、時間帯にも注意が必要です。
夏場の日中の散歩は、熱射病の原因になるので、朝など涼しい時間帯を選びましょう。
散歩前にウォーミングアップ
散歩に出かける前にはウォーミングアップをして、カラダをあたためましょう。
老犬が急に運動すると、心臓や足腰の関節に負担がかかるため、体調を崩す可能性も。
部屋の中でおもちゃで遊んだり、玄関先を軽く歩く程度でOK。
愛犬の体力や健康状態に合わせて行いましょう。
散歩中に遊びを入れてみる
遊びは、老犬の散歩を楽しくする大きなポイント。
ボール遊びや早歩きでの追いかけっ子、新しいニオイをたくさん嗅ぐなど、愛犬がすきなことを一緒に楽しみましょう。
散歩をおっくうがっていた犬も、大好きな遊びができるならと、行きたがるようになるはずです。
また、遊びには運動量を保つだけでなく、脳に刺激を与えて活性化させる効果もあります。
痴呆の予防にもなるので、公園や河原など、散歩の途中で遊べる場所を探しておくといいです。
こまめに水分補給する
激しい運動をしていなくても、水分補給は忘れずにしましょう。
人間のように汗をかかない犬は、舌を出して水分を蒸発させ、体温を調節しています。
散歩でカラダを動かし体温があがると、体内の水分が失われてしまうのです。
それでなくても、老犬は若い頃より腎機能や新陳代謝が低下して、のどが渇きやすいので、こまめに水を飲ませましょう。
特に夏場は体温が上がりやすいので注意が必要です。
冬はカラダを冷やさないように、できればぬるま湯がいいです。
散歩中も水分補給には、携帯用の給水器は便利です。
新鮮な水と一緒に持ち歩いて、休憩の時に飲ませてあげましょう。
症状別ストレスフリーな散歩術
老犬の散歩は、運動としてよりも体力や筋肉量の維持、気分転換が主な目的です。
気分転換をさせるには、愛犬にイヤな思いをさせない、ストレスフリーの散歩をしてあげたいものです。
特に注意したいのが、散歩後の愛犬の様子です。
愛犬に適切な運動量を見分けるには、散歩後の様子を見ることを習慣にしましょう。
ぐったりと疲れているようなら、運動量が多いのかもしれません。
愛犬の健康状態にピッタリの散歩方法とコツを掴んで、犬も飼い主ももっと散歩を楽しみましょう。
①足腰が弱ってきたら・・・
元気なうちは、散歩コースや量にさほど神経質になることはないですが、足腰が弱ってきたと感じたら、急な段差や階段のあるコースは避け、緩やかな坂道か平坦な道に。
疲れやすくなったら、距離や休憩の回数を変えていきましょう。
我家の愛犬もシニア期に入り、脚と腰の付け根をダメにしてしまい、散歩を時間やルートなど変更しました。
愛犬にとって適切な運動量かを判断するには、散歩後の様子を見ましょう。
若い頃と比べてぐったりしているようなら、運動量が多すぎるのかもしれません。
適切な運動量は、気持ちよさそうにウトウトと眠る程度です。
飼い主だからこそわかる、微妙な変化を見逃さないようにしましょう。
②視力がきになったら・・・
視力が気になる犬と散歩へ行くときは、飼い主が誘導してあげましょう。
「右へ行こう!」「止まろうね」などお、飼い主の声が聞こえれば、犬も安心して歩くとこができます。
飼い主が“盲導人”になって、犬を導いてあげればいいのです。
普段からこういった散歩をしていれば、もし本当に視力を失ってしまった時でも犬は怖くないはずです。
初めて嗅ぐニオイや、聞く音は犬の五感を刺激するので、新しいコースにもどんどん挑戦しましょう。
③歩くのが辛そう
体力が落ちて自分で歩くことが難しくなったら、歩行補助用ハーネスやペット用カートなど、サポートグッズを使った散歩を。
たとえ歩けなくなったとしても、外のニオイを嗅いだり日光に浴びることは、いい気分転換になります。
刺激を与えるのが若さの秘訣です。
歩くのがおぼつかない場合の散歩
関節に痛みがあったり、老化によって筋力が衰えてくると、若い頃のようにうまく脚を動かせなくて、歩くのがおぼつかなくなってしまいます。
だからといって歩くのをやめてしまえば、筋力の低下や筋肉のこわばりがどんどん進み、早くhして寝たきりになってしまう恐れがあります。
そうならないためには、歩行をサポートできるハーネスを上手に使って、犬を歩かせましょう。
ただし、ハーネスに頼りすぎるのは禁物です。
あくまでも転ばないようカラダを支えるものと考えて、犬自身の力で歩かせることを心がけましょう。
ハーネス装着時に痛みがないか確認を
ハーネスとは胴体を支える胴輪のことです。
首輪+リードに比べて首への負担が少なく、またカラダの広い範囲を包み込んでいるので、たとえ転びそうになっても効果的にカラダを支えられます。
散歩に出かける前に、まずはハーネスが当たる部分に痛みがないか確認しましょう。
首輪をつけていた犬は、はじめに違和感を感じることが多いので、少しずつ装着時間を長くして慣らしましょう。
リードは短く持って店頭を防ぐ
ハーネスを使う時は、リードを短めに持つのがポイントです。
こうしておけば、犬が転びそうになった時でも支えることができます。
大型犬の場合かかる力が大きいので、直接ハーネスを持っていた方が安心です。
今は種類も多くありますので、愛犬に合ったハーネスを見つけてあげましょう。
脚を引きずって歩いている
歩くのがおぼつかなくなると、次第に脚を引きずって歩くようになることもあります。
そのままにしていては、脚の甲など地面と擦れる部分に擦り傷ができてしまいます。
痛みがあると、さらに歩行の妨げになるので、すり傷ができないよう工夫してあげたいものです。
擦り傷を靴ラ内手軽な対策は、散歩のときに市販の靴を履かせることです。
愛犬が立ち上がれない
歳を取っていくと、ほとんどの犬は、後ろ脚の筋肉から衰えていきます。
そうすると、後ろ脚の力の必要な立ち上がりの動作に、時間がかかるようになります。
この時点で歩くのをやめれば、老化はどんどん進んでしまうので、立ち上がりをサポートして自力で歩かせましょう。
立ち上がりの介助のコツは、犬が踏ん張りやすいように、床にバスタオルやマットなどえを敷くことです。
特に大型犬はカラダが重いので、持ち上げる時に飼い主が腰を痛めないように注意です。
犬も飼い主も楽にできる、立ち上がりの介助方法をマスターしておきましょう。
立ち上がる時にサポートしてあげよう
立ち上がりさえすれば歩ける犬は、介助して立たせてあげましょう。
大型犬は体重が重く、飼い主の腰に負担がかかるので、膝の力を使って上手に立ち上がらせるといいです。
両腕でお腹を抱えるようにして犬のカラダを安定させ、立ち上げる時は自分の腰を持ち上げるようにするのがコツです。
上記で紹介している介助用ハーネスを使えば、一発で立ち上がれます。
立ち上がったら犬自身の力で歩かせて、後ろ脚の筋力をキープしましょう。
愛犬が歩けない場合の散歩
歩行機能が衰え、たとえ歩けなくなったとしても、散歩は犬にとって必要なことです。
外の空気を吸って景色を見たり、色々なニオイを嗅ぐことは、良い気分転換になるし、脳を活性化する効果があります。
気持ちを若々しく保つために、大切なことなのです。
また、日光を浴びることで体内時計を整え、痴呆による夜鳴きを防ぐこともできます。
歩けなくなっても抱っこ散歩をしたり、ペット用カートや台車を利用して外へ出かけましょう。
気温や体温の変化、日当たりなどに注意しましょう。