熱中症対策などで、犬や猫などのペットに使われている事が多い保冷剤ですが、実は意外にも危険が潜んでいることを知っていますか。
保冷材の中身にはエチレングリコールという中毒を起こす危険な原料が使われている事があり、食べてしまうと、ふらつきや嘔吐、最終的には急性腎不全を引き起こしてしまう場合があります。
今回はそんな保冷剤について、お話したいと思います。
保冷剤の原材料、エチレングリコールについて
エチレングリコールは2価アルコールの仲間で、水に溶けやすいため、自動車の不凍液などによく使われている原料です。
温度が0度では固まらない性質のため、保冷材の原料としても使われており、甘い味がするためペットが舐めてしまう場合があります。
ペットが誤食した場合の症状
エチレングリコールを誤食した場合、肝臓で代謝され、グリコアルデヒドやグリコール酸エステル、シュウ酸エステルなどが産生されます。
初期の中毒症状は、
などが起こります。
※注意:あくまでも参考です!!!他の症状が出る場合もあるのでご注意ください。
最終的には、シュウ酸カルシウムによって腎臓がダメージを受けてしまい、急性腎不全を起こし、高い確率で死に至る可能性があります。
これらの症状は、誤食から3日以内で起こると言われているので、早期の処置が重要となります。
保冷剤を買うときは成分表記を確認してから購入する
犬や猫などのペット用に保冷剤を購入する場合は、成分表記をチェックすることをオススメします。
成分にポリエチレングリコールが使用されていないか、確認してみて下さい。
保冷材の場合、外袋に表記されている場合もあるので、外袋を捨る前に確認しましょう。
使用後の保冷剤はすぐに冷凍庫へ
保冷剤は使い終わったら冷蔵・冷凍庫へ入れる習慣をつけましょう。
机や床に置いたまま状態にしておくと、犬や猫などのペットがおもちゃにしてしまう可能性があります。
スーパーやケーキ屋さんなどでもらった小さな保冷材は、冷蔵庫や冷凍庫に貯めがちですが、不要であるならば早めに処分してしまいましょう。
誤食したらすぐに動物病院へ
ペットが万が一、保冷材の中身を食べてしまったら、動物病院へすぐ連絡をしましょう。
診察の際、食べてしまった時間や量、誤食した保冷剤の成分メモに残して持っていくと診察もスムーズです。
動物病院によっては、食べてしまった保冷剤を持ってくるように指示がある場合がありますので、保冷剤は診察が終わるまで捨てずに保管しておきましょう。
早く処置を開始した方が、軽度の症状で済む場合もありますので「1日様子を見てから連絡を入れよう」と自己判断は禁物です。
さいごに
最近では、無害の成分を使用した保冷剤のほうが多くなっていますが、成分表記がないような保冷剤には特に注意が必要。
ペットを思わぬ危険に合わせないよう、これからの夏の季節は注意していきたいですね。