今回はモモンガをペットとして飼おうか考えている方、単純にどんな動物なのか気になった方に、これを読めばモモンガのことが一通りわかるようまとめました。
飼育されているモモンガには実は2種類いて、懐っこく飼いやすいとしてフクロモモンガが人気のようです。
それぞれの特徴や性格をみていきましょう。
モモンガの歴史
愛玩動物としては主にアメリカモモンガ、フクロモモンガ、タイリクモモンガが知られていますが、タイリクモモンガは近年飼育禁止となりました。
日本でペットとして親しまれているモモンガは「アメリカモモンガ」と「フクロモモンガ」の2種類が一般的です。
アメリカモモンガ
フクロモモンガ
現在アメリカモモンガは、輸入規制により制限されており、数も少なくペットショップでもあまり見られなくなりました。
1980年頃からペットとして親しまれていて今でも一番人気なモモンガがフクロモモンガです。
日本にもエゾモモンガや、二ホンモモンガが生息しています。
日本に生息しているモモンガは「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」により保護鳥獣になっているため、環境大臣が与える特
別許可がない限り捕獲できないことになっています。
モモンガの特徴
モモンガの一番の特徴は、腕から脚までマントのような皮膜がついていることです。
手のひらにのるぐらいに小さなモモンガは、滑空距離は平均で20~30mで最高でも100mほどです。
野生モモンガは基本的に木の上で生活をしており、地上に降りる事はめったにありません。
夜行性で、昼間は巣穴の中で休んでいます。
夜になると木々を飛び回り餌を採集するため、木から木へと滑空します。
滑空速度は秒速最大16メートルにもなることがあります。
夜行性
モモンガは夜行性で昼間は眠っていて、夜になると活動します。
目は夜行性動物らしく大きく、光に引き付けられる性質をもちわずかな光でも物が見える仕組みになっています。
しつけは難しい
モモンガのしつけは簡単ではありません。
モモンガは一定の場所で排泄をする習慣がありません。
ケージの外に排泄する傾向もあり、外に出すと部屋のいろいろなところでうんちやおしっこをしてしまいます。
臆病なところがあるため、環境に慣らすこと、人に慣れることに時間がかかります。
モモンガってどんな動物?
モモンガと聞いて、体をマントのようにして飛ぶイメージを思い浮かべる人もいるかもしれません。
ムササビを思い浮かべる人もいるでしょう。
ムササビとは違いますがどちらも夜行性で滑空する動物です。
モモンガよりもムササビのほうが大きく、ムササビは「空飛ぶザブトン」モモンガは「空飛ぶハンカチ」とたとえられるほど、大きさが違います。
モモンガは根気よく付き合えば人に馴れてくれますが、無理に掴もうとしたり、ふいに手を出して驚かせたりしたとき、よく馴れていないうちに触ろうとしたときは、噛まれてしまうこともあります。
一般的にペットとして飼われているモモンガは「アメリカモモンガ」と「フクロモモンガ」です。
外見は似ていますが、それぞれ違う種類の動物です。
モモンガを飼うときに大切なのは、野生ではどのような暮らしをしているかをまずは知ることです。
アメリカモモンガ
アメリカモモンガはとても臆病で神経質な動物です。
懐きにくく、小さなころからミルクを与えたり世話をすると多少慣れることはありますが、期待するほではありません。
最近では、アメリカモモンガを見かけることは珍しいです。
アメリカモモンガはげっ歯類リス科モモンガ亜科に属し、リスの仲間なので小型です。
動きは俊敏で、シマリスを彷彿とさせます。
逃がしたら、捕まえるのに非常に苦労します。
げっ歯類なのでシマリスやハムスター同様に切歯が伸びます。
アメリカモモンガは性格はとても臆病で神経質のため小さいころから慣らしても、なつかないことの方が多いでしょう。
アメリカモモンガはモモンガ独特の匂いは少ないため室内飼育には向いています。
とても臆病で神経質なので、飼うのは簡単ではありません。
流通量も少ないため飼っている人も少なく、飼い方が周知されていない点、アメリカモモンガに詳しい獣医さんが少ない点も飼育を困難にしています。
野生での生活
✔基本的に単独行動です。
✔冬だけは防寒のために何匹かと一緒に暮らすことがあります。
✔食べているものは、木の実を中心に、果実やキノコ、昆虫類も良く食べます。
✔冬に備え巣などに木の実を貯蔵する習性があります。
頭胴長 | 13~15㎝ |
尾の長さ | 7.9~12㎝ |
体重平均 | 65~38g |
寿命 | 野生5~10年 飼育下では約12年 |
フクロモモンガ
フクロモモンガは小さなころからミルクをあげたりエサを手で与えるなど、お世話すると良く懐くようになります。
臆病な性格には変わりありませんので、成長するとともにスキンシップを怠るとすぐに警戒します。
懐くと寄ってきてくれたり、一緒に遊んだりすることができます。
フクロモモンガは有袋目フクロモモンガ科で、カンガルーやコアラの仲間です。
メスのフクロモモンガはお腹に袋があり、子供を70日間ほど袋で育てます。
アメリカモモンガの様に切歯が伸びることはありませんので、当然歯切りの必要はありません。
フクロモモンガはどちらかというと動きがサルに近いものがあります。
アメリカモモンガと比べると非常に人懐っこい性格をしています。
距離感を保ちつつ小さなころから人に慣れさせると、向こうから飼い主の腕に乗ってきたりしてくれます。
寂しがりやなので、飼い主が居なくなるとストレスに感じてしまう個体もいます。
成長とともにスキンシップを怠ると警戒心をすぐに持ってしまうため、スキンシップの時間はとても大切です。
個体差はありますが、スキンシップをしたいのならフクロモモンガを選んだほうが良いでしょう。
野生での生活
✔フクロモモンガは6~10匹くらいの家族を中心とした群れをつくって暮らしています。
✔群れをなすため、鳴き声やにおいによるコミュニケーションが発達しています。
✔優位な立場のオスが他のメンバーににおいつけをします。
✔食べるものはユーカリの樹液や果物、昆虫類などです。
頭胴長 | 12~32㎝ |
尾の長さ | 15~48㎝ |
体重平均 | 110g |
寿命 | 野生では5~7年 飼育下では12~15年 |
基本の飼育グッズ
ケージ
リスや鳥用など高さのあるケージが必要です。
ケージの中に飼育グッズを設置しても十分なゆとりのあるものを選びましょう。
金網はステンレス製が安全です
止まり木とコーナーステージ
木の上で暮らすモモンガには欠かせないグッズです。
複数を設置すると楽しく過ごせます。サイズをよく確認しましょう。
トイレ
トイレのしつけは期待できませんが、トイレを置くならハムスターなどの小動物用をおすすめします。
固まらないタイプのトイレ砂をいれます。
ポーチ・ハンモック
フクロモモンガの好む寝床は、お母さんの袋のようなポーチです。
爪が引っ掛かりにくいものを選びます。ハンモックは寝床や遊び場所としても使われます。
巣箱
木製がおすすめです。中に巣材を入れておきましょう。
食器
こぼれにくく、食べやすい浅型の食器です。
給水ボトル
金網に取り付けるタイプです。
給水ボトルの方が排泄物などで水を汚さず衛生的に与えることができます。
床材
キャリーケース
噛み防止用手袋
温湿度計
モモンガを迎え入れたら
環境に慣れるまではそっとしておきます。
ケージの中が安心だとわかり、人が近くによっても寝床の中に逃げ込んだりしなくなってきてから、少しずつコミュニケーションをとっていくようにします。
触れ合う時間はモモンガの活動時間である夕方以降にし、毎日短い時間でもいいのでコミュニケーションをとるようにします。
理想的な温度と湿度
フクロモモンガ:温度24~27℃・湿度45~55%
アメリカモモンガ:温度20~25℃・湿度45~55%
モモンガの飼い方
騒がしくなく、落ち着いて過ごせる部屋にしましょう。
ドタバタとした足音などの騒音や振動がある場所はモモンガのケージを置く場所としてふさわしくありません。
モモンガは夜行性なので、夜中になると動きが活発になります。
人が寝ているときにモモンガの遊んでいる音で目覚めてしまうこともあります。
モモンガはケージ周りを汚すことがあります。
ケージの金網につかんでケージの外に排泄をする傾向があり、フクロモモンガは食事をするときに食べ散らかすことも多いので、飼い
主とモモンガが快適に過ごせる工夫が必要です。
部屋に放すときの注意点
✔放す前に、脱走や誤飲誤食には十分に気を付けましょう。
✔高い所に行くこともあるので、人間より目線の高いところの安全も確認する必要があります。
✔室内で滑空するモモンガは窓ガラスにぶつかることもあります。
✔人に慣れていると足元に寄ってくるので歩くときには足元にも注意をします。
✔カーテンや壁につかまって排泄することがあります。
複数飼いは大丈夫?
フクロモモンガ
群れをつくって暮らす動物なので、複数飼いは可能です。
小さなころから一緒に飼ったほうがより良いです。
アメリカモモンガ
単独で暮らす動物ですが、冬場は何匹かと一緒に暮らすこともあるので不可能ではありません。
メス同士の方がいいでしょう。
他動物と飼っても大丈夫?
犬、猫、フェレットはモモンガの天敵となるため一緒に飼うことはできません。
同じ部屋にいるだけでモモンガにはストレスになってしまいます。
なりやすい病気の種類
皮膚疾患
モモンガに多い皮膚疾患には、湿性皮膚炎、代謝性脱毛などがあります。
湿性皮膚炎
湿性皮膚炎は、細菌の感染が原因でじめじめしやすい下腹部やあごの下などに起こりやすい病気です。
脱毛したり赤くなったり、ただれたりします。
代謝性脱毛
代謝性脱毛は代謝の異常により、毛の生え変わりがおかしくなる病気です。
昼間は明るく夜は暗いという本来の明暗リズムが崩れていることや、不適切な飼育環境が原因で起こります。
環境を整え直したあと、毛の生えかわる周期によっては3か月くらいしないと生えそろわないこともあります。
後肢麻痺(外傷性)
落下や激突、ドアに挟まったり人が踏んでしまうことによりなることがあります。
モモンガは滑空できますが狭い室内では勝手が違ったり、爪の切りすぎで踏みきりや着地に失敗するなどケガも多いです。
背骨の神経が傷つくと下半身が麻痺して自由に動かせなくなります。
神経が傷ついた場所によっては全く動かせなくなり、排泄困難になることもあります。
早期治療では回復できる可能性はありますが多くの場合は困難です。
ケガをさせないことが何より大切です。
下痢
サルモネラ菌や大腸菌などの細菌やジアルジア、トリコモナスなどの原虫の感染によるものが主な原因です。
抗生物質や駆虫剤などで治療しますが放っておくと脱水症状になったり体力を消耗するのでなるべく早めに受診します。
体重・大きさ
モモンガの大きさは種類によっても違いますが平均して12㎝~22㎝ぐらいで体重は100~200gです。
よく似た動物にムササビがいますが、モモンガもほうがムササビよりも小さいです。
寿命はどのくらいか
野生のモモンガの寿命は5年~10年以下の場合が多いです。
飼育下の環境では、それよりも長く12年~15年でそれよりも長く生きることもあります。
どんな物を食べているの?
アメリカモモンガ
食事はペレット、果物、野菜、雑穀類、種実類、動物性の食材をバランスよく与えます。
フクロモモンガ
食事は動物性食材が50%、植物性食材が50%、副食として果物、野菜を少々与えます。
モモンガの爪切り
モモンガは木登りをするために鋭い爪を持っていますが、飼育環境では伸びすぎるとひかかったりして危険なので、爪切りをします。
動物病院でしてもらうようにしましょう。
アメリカモモンガの場合には、歯が伸びてくることがあり、伸びすぎるとご飯を上手に食べれなかったり、口の中を傷つけるなど危険なため、伸びすぎて異変がある場合には動物病院でカットしてもらいます。
モモンガを飼いたい!どこで購入するの?
ペットショップなどで購入することができます。
でもちょっと待って!里親になる選択肢もあります。
日本でも動物愛護の精神が高まりつつあり、新しいペットを迎えるにあたり保護団体や里親サイトを利用する方も増えています。
新しい命を増やすまえに、いま愛情を必要としているペットたちがたくさん待っています。
おとなにった状態から飼うという選択肢は、これまで生きてきた環境により性格も様々ですが、保護されている期間にある程度の性格
も把握されているため飼いやすいなどのメリットもあります。
お金を出して購入するより、殺される命やお迎えを待っている子を保護しませんか。
事情によりペットを飼えなくなってしまった飼い主や、ペットを保護している保護活動者などと、ペットを飼いたい(里親になりたい)と考えている方が交流できる場所が「ペットのおうち」です。
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