高齢モモンガのお世話編~生活環境を見直そう

いつまでも可愛らしいモモンガも、いつかは歳を取ります。

高齢になれば、体の様々な機能が衰えていき、こうした変化は生き物なので仕方のないことですが、飼い主はどう変わるのかを理解し、受け入れ、よりよい環境を整備して、できるだけ元気に長生きしてもらいましょう。

今回はモモンガの高齢期のお世話方法をお伝えしていきます。

モモンガは5歳を越えたら高齢

フクロモモンガもアメリカモモンガも、野生下では5年を越えて長生きすることはあまりなさそうです。

野生での厳しい暮らしに対応できなくなってくるのでしょう。

飼育下では1つの目安として、5歳を越えたらそろそろ「もう若くない」と考え、体の変化に注意を払うようにしましょう。

高齢モモンガの体の変化

✔聴覚や臭覚など、五感が衰えます。

✔視覚はもともとあまりよくありませんが、ますます見えにくくなります。

✔運動能力が衰え、飛び移ったりジャンプしたりできる範囲が短くなっていきます。

✔内臓機能が衰えます。

✔老齢性の白内障、腫瘍などの発症リスクが高まります。

✔げっ歯目のモモンガは、硬いものを食べにくくなります。

歯の過長がみられたり、逆に摩耗が進むこともあります。

✔毛づくろいをする頻度で減るので被毛がからまったり、汚れたりするようになります。

被毛の生産能力も衰えてくるので、毛並みが悪くなります。

✔免疫力が衰えるので、病気に感染しやすくなったり、治りにくくなります。

✔骨量が減少し、骨が弱くなります。

✔筋肉量が減少し、食べる量も減ってくるので体重が減少します。

肉が落ちて背骨がよくわかるようになり、背中が丸まって見えます。

✔食べる要は変わらないのに運動量が減ると、体重が増加する場合があります。

✔体温調節、ホルモン分泌、自律神経などを維持しにくくなり、温度の変化についていけなかったり、体調を崩しにくくなります。

✔寝ている時間が多くなります。

高齢モモンガの安全な環境作り

モモンガの運動能力が変化するのに従い、安全な環境を作りましょう。

運動しなければ筋力がますます衰えてしまいます。

危ないから運動させないようにするのではなく、止まり木やコーナーステージの数を増やす、落下したときの衝撃を吸収できるよう床材を厚く敷くなどの工夫をしましょう。

高齢モモンガが穏やかに暮らせるように

急激な環境変化や温度変化などの強いストレスを避け、おだやかな環境を作りましょう。

飼い主さんがおだやかな気持ちで接することも、とても大切です。

目先の違う食べ物、新しいおもちゃなどがよい刺激になることもありますが、くれぐれもモモンガの様子を見ながらにしてください。

高齢モモンガに適切な食事

歳をとると痩せてくることが多いですが、動かないので太る個体もいます。

食欲や体重、体格をよく観察しながら食事内容を考えましょう。

ドライフードをそのまま与えていた場合は、モモンガの歯の状態によってはふやかして与えるなど食べやすくしたり、生餌など嗜好性の高いものを与えるなどの工夫が必要です。

健康管理

体の変化を見逃さないよう、健康状態をよく観察しましょう。

病気になったら、高齢だからと諦めずに病院へ連れて行ってください。

モモンガの状態や病気の状態によって、積極的に治療する方法もあれば、日々の生活の質を高めることに主眼を置くという選択肢もあります。

仲間との分かれ

高齢のペアは、どちらかを先に失うという経験をするかもしれません。

社会性の高いフクロモモンガだけでなく、アメリカモモンガがずっと一緒に飼われている場合でも、モモンガは寂しい思いをするでしょうから、飼い主が声をかけたり、遊ぶ時間を作ってあげましょう。

まとめ

高齢のモモンガは

✔5歳を越えたらそろそろ「もう若くない」と考え、体の変化に注意を払う
✔高齢期の体の変化に気を配る
✔体に変化の出てきた高齢モモンガも、安全に過ごせる環境を作る
✔高齢モモンガが穏やかに暮らせるよう、飼い主も穏やかに接する
✔ほとんど動かなくなったモモンガの、餌が適切か確認する
✔病気になったら高齢期でも諦めずに治療をする
✔ペアの片割れが亡くなってしまったら、残された方にきちんと愛情をかける

でした。

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