私たち人間の身近な生き物である猫。彼らの行動1つ1つに私たちは癒され、笑い、時に涙し、愛しさが増します。
そんな猫の行動ですが、時々「なんでこんなことするんだろう?」と思ったことはありませんか。
同じ生き物とはいえ、人間と猫は全く違う生き物。
猫は人間の言葉が分かりませんし、人間も猫の言葉が分からないので、直接聞くこともできません。でも、気になる・・・。
そんな猫の不思議な行動を、今回は筆者の独断と偏見によって5つに絞り、その理由を調べてみました。
想像していた理由と違って、少し驚くかも?
猫の気持ちが分かれば、明日からの猫との生活が、もっと楽しくなるかもしれません。
猫がこちらをじっと見つめる理由
ふと視線を感じて振り向くと、愛猫にじっと見つめられていたことはありませんか。
猫がじっとこちらを見つめている場合は、要求か愛情表現の2種類の可能性があります。
猫は通常、信頼している相手しかじっと見つめることはありません。
警戒している相手には、睨んでもすぐに目をそらすことが多いです。
なぜなら、自然界では相手の目をずっと見ることは敵意を表す意味をもつので、うかつに相手を凝視することはないのです。
飼い主をじっと見つめるのは、じっと見つめても問題がないことを学習しているからであり、以前見つめた時にごはんをもらったり遊んでもらったり、または撫でてもらった記憶があるからです。
そうした経験のある猫は、次から要求がある時や、愛情表現をしたい時に飼い主をじっと見つめるようになります。
要求か愛情表現かを区別するには、こちらを見ている猫の目の形に注目しましょう。
猫が薄目を開けている時はリラックスした状態で「大好き~」と思っている場合が多いです。
反対に、目をまん丸にしている時は、「遊んで!」や「ごはんちょうだい!」と要求している場合が多いと言われています。
猫がお尻を向ける理由
横になっていたら愛猫がぴょんと上に乗ってくる、なんていうのは猫との生活の中で心安らぐひとコマです。
でも、こっちを向いてくれると思ったら、お尻を向けてくる・・・なぜ?顔を合わせたくないの?なんて、悲しくなったことはありませんか。

お尻を向けるというのは、実は猫にとっては相手を信頼して、安心している証なのです。
自然界では、どこに敵が潜んでいるか分かりません。視野が届く範囲ならまだしも、完璧に死角になってるお尻や背中は、猫にとっては最も警戒するべき方向なのです。
お尻をあえて飼い主に向けるというのは、飼い主が危険でないと分かっているからであり、完全に心を許している証拠です。
また、飼い主を自分の後ろ側に隠し、敵から守ろうとしている場合もあります。
こちらも、飼い主を信頼し大切に思っているからこその行動なのです。もし愛猫がお尻を向けてきたら、優しく撫でてあげましょう。
猫がお腹を出して寝転がる理由
飼い主のもとに寄ってきたかと思うと、ころんとお腹を出して寝転がり、こちらを見てくる・・・。疲れているの?具合が悪いの?と不安になってしまう飼い主もいるのでは。

猫がお腹は骨がなく柔らかいので弱点でもあり、敵には絶対に見せたくない部分です。そのお腹をわざわざ見せてくるのは信頼の証であり、また甘えたい気分の時なのです。
お腹は猫が子猫の時、母猫に毛づくろいをされていた場所でもあります。
母猫は半ば強引に子猫を寝転ばせお腹を毛づくろいしますが、それは母猫の愛情表現であり、子猫が独り立ちする時まで続きます。
猫にとっては、お腹を見せて毛づくろいされていたのは、母猫に愛されていた記憶なのです。
母猫から離れてもその記憶は残っていて、飼い主の前でごろんとお腹を見せる時は母猫に甘えてたように飼い主に甘えたい時です。
そういう時は、母猫が毛づくろいするように、気持ち強めに腰あたりを撫でてあげましょう。
直接お腹を撫でると、やはり猫の弱点でもあるので中には嫌がる猫もいるようです。
猫がよく前足で物を落とす理由
机に上った愛猫が、前足で物をちょんちょんと触って落とす。「だめでしょ!」と怒っても知らんぷり・・・。猫あるあるのうちの一つです。
猫が物を落とす時の心理は2つ。飼い主の気を引きたいか、狩りの本能が働いているかです。

一般的に、猫は人間でいう2、3歳児程度の知能があると言われています。過去に何か物を落とした時に飼い主の注意を集めた記憶を、ちゃんと猫は覚えているのです。
何か落とせば飼い主の気を引けると学習した猫は、その後も落とし続けることが多いです。
また、飼われてるといっても猫は野生の本能を忘れたわけじゃありません。前足で獲物をつかまえるというのは、捕食活動の基本であり、本能的に覚えているものです。
ネズミを前足で捕まえるように、机の上の物を獲物に見立てて、狩りの練習をしてるとも考えられます。
本能的な理由で物を落とすならば、しつけで治すというのは難しいでしょう。対策としては、落とされて困る物は落とされそうな場所には置かない、ということに限ります。
猫が声を出さずに鳴く理由
一部で「サイレントにゃー」と呼ばれているこの現象、遭遇したことはありますか。
口は開いて、鳴く時と全く一緒なのに、声が出ていない・・・。

実はこれは、人間に聞こえていないだけで、猫はちゃんと声を出して鳴いているのです。
猫の耳は人間に比べてはるかに良く、人間では聞き取れないような高周波の音も聞き取ることができます。
この「サイレントにゃー」は、その高周波の鳴き声なのです。
元々この鳴き声は、子猫が母猫を呼ぶ時に使われていました。
「ミルクちょうだい」「かまって」「遊ぼう」など、基本的に母猫に甘えたりコミュニケーションを取る時に使われていた鳴き声です。
猫が人間に対してこの「サイレントにゃー」を使う時は、人間を母猫のように思っていて、信頼し甘えている時なのです。
愛猫が「サイレントにゃー」をしてきた時は、愛猫が飼い主を心から信頼している証拠なので、たくさん撫でてあげましょう。
もっと他にも猫の心理を知りたい方はこちら
まとめ
いかがでしたか。人間と猫は近いようで、愛情表現の仕方が違う場合があります。
不思議だな、と思っていた猫の行動が猫なりの愛情表現だと分かった時、目の前にいる猫が一層愛おしく感じられますよね。
猫の行動一つ一つには、実は信頼や愛が隠れている時があるのです。人間も人間なりに、猫に愛情を伝えて行けたら良いですね。