猫は自由奔放でマイペース、嬉しいときもそうでないときもあまり派手な行動をすることはありません。
そんな愛猫とのコミュニケーションは、時に飼い主さんにもよくわからない不思議さを感じることがあります。
今回は、いろいろな感情表現の中の1つ「甘える」時の気持ちにスポットをあててみようと思います。
実は猫の甘えには、基本の4つのモードからなることを知っていますか。
猫の甘え方にも種類があり、要求によるものだけではなく、数日留守にしたあとに、まれに起こりうる飼い猫の分離不安からくる甘えもあります。
これは飼い主さんとの関係において、精神的なものからくるものです。
愛猫が甘えているとき、いったいどのような気持ちを内心は抱いているのでしょうか?
猫種や性別による気質傾向もあわせてお伝えしていきたいと思います。
オスの方が甘えん坊って本当?
もちろん性格などにもよるので一概に言えませんが、一般的にみるとオスのほうが甘えん坊と言われていますが、これはなぜか。
オスはメスと違い、子育てに参加することはせず、オスの役割は種を残すことです。
相手から好かれるために、オスは愛情表現をストレートに出すので甘えん坊だと言われています。
さらに去勢をしたオスは、メスに発情する欲求は減りますが、ご飯をくれたり、一緒に遊んでくれる飼い主さんの存在を居心地よく思い、ますます甘えん坊になることもあります。
飼い主さんにその愛情表現が向けられるのは、何ら不思議なことではありません。
チャレンジ精神旺盛でやんちゃ、本能のまま自分の欲求を満たすことはオスの特徴でもあります。
性別限らずメスにも甘えん坊モードにスイッチが入ることがあり、実は4つのパターンに分かれていることを知っていますか。
猫の4つの甘えモード
猫がいまどんな気分で飼い主へ甘えているのか、モードを理解するとそれまで距離感を感じていた猫ちゃんとも、もっともっと仲良くなることがあります。
ついついこちらの都合だけで
「抱っこをしたい」
「そばに来てほしい」
「遊ぼうよ」
など自分のタイミングで猫に求めてしまいがちですが、愛猫の今の気分を察してあげるとグッと信頼関係が深まります。
これまでツンツン系だと思っていた愛猫の気まぐれモードを知ると、ツンデレ系を引き出すことができるかもしれません。
野生モード
夜中すやすや寝ていたのに突然起きて動き回ったり、窓の外をしっかりパトロールしていることはありませんか?
そんな時は本来の野生モードにスイッチが入った証拠です。
おもちゃでいきなり遊び始めたり、獲物を狙うポーズをしてみたり、それは愛猫の本来の姿です。
こんな時には、あえて積極的に遊んであげましょう。
気分が乗っているときに付き合ってくれると愛猫もとっても刺激的で楽しい時間になります。
そのモードに入ったときにケンカごっこやおもちゃ遊びなどを続けると、猫は覚えていてくれるので、次は愛猫から誘ってくれるかもしれません。
長く続けると飽きてしまいますので、愛猫のタイミングでやめてあげるといいでしょう。
ペットモード
お腹を出してあおむけに寝てみたり、窓の外でパトロールしてるかと思えば途端にご飯をおねだりしてみたりするのは、警戒心ゼロの無防備状態で一番リラックスをしているモードに入っているときです。
室内飼い猫は、このモードが大半です。
こんな姿に癒されている飼い主さんも多いと思います。
警戒心なくくつろいでいるので、こちらも嬉しい気持ちになりますね。
ある意味、付き合いが長くなればなるほどこんな「いつもの日常」が猫には心地よくなってしまいます。
飼い主さんがいるのが当たり前状態で、そんなに甘えてくることがなくなる猫もいます。
甘えてほしいタイプの飼い主さんには少し物足りなさを感じるかもしれませんね。
ですがペットモード全開の猫ちゃんは、突然の長期留守などに対応できず戸惑ってしまい、驚くほど子猫モードに変わってしまう子もいます。
家に戻ってきてからやけに後をついてくるようになった。
家の中で一人になりたがらなくなったなど一見、可愛いと思える変化にみえます。
ですがこの時についつい可愛いからと言って構いすぎて過保護にしてしまうとその後が大変です。
このような「構いすぎ」は、時々突発的に分離不安にさせてしまうこともあるのです。
親猫モード
例えば、愛猫がくつろいでいるときに、「遊ぼう~」などと声をかけると、耳だけ少し動かして、無視をされることありませんか?
部屋を出ようとするときに、しゃがれた優しい声ですりよって甘噛みしてきたり、横になっていると近くに来て前足で抑えて毛づくろいを始めることはありませんか?
虫や小動物を捕まえてきて目の間に、ポトッと置かれたことはありませんか?
これは、愛猫の気分が親猫モードに入っているときです。
猫にとって、飼い主さんは、時々狩りのできない子に映ることがあるようです。
代わりに「こうやってとってくるんだよ」と教えてくれることがあります。
子育てをしなくても、成猫になると守ってあげたいという本能も芽生えその対象が飼い主さんである場合に、親猫が甘える子猫にするように軽くあしらったり、大切に守るしぐさをしてくれることがあります。
飼い主さんは、「ありがとう」と受けてあげると、その愛猫の持つ優しさはしっかりと育まれていきます。
子猫モード
飼い主さんの後ろをついてまわったり、突然甘噛みしてきたりすることはありませんか?
中にはテレビに集中していると、それを遮るように目の前にデーンと座る子もいるかもしれませんね。
そばにいるのに飼い主さんを見ながら、甘えた声で鳴いてみたりするのは子猫モードのスイッチが入ったときで、この時が一番甘えん坊と言われています。
こんな時には、とことん甘えさせてあげるといいのですが、ついつい可愛くて飼い主さんがやってしまいがちなことがあります。
それは「撫ですぎ」「抱っこしすぎ」などの、やりすぎ愛情表現です。
猫は気持ちいいが限界を超えるとイライラになってしまう動物です。
甘えていたはずなのに、いきなりカプリとされた経験はありませんか?
このような行動を「愛撫誘発性攻撃」といいます。
愛撫誘発性攻撃とは
さっきまで甘えてたのに急に攻撃的になるのは、4つのモードからなる気ままな特徴だけが、理由なわけではありません。
猫同士のグルーミングはチョロチョロっと数回舐めたらおしまいですが、人間はついつい可愛いので、愛猫が求めた以上に長く撫ですぎる場合があります。
初めは気持ちよくても「もういいや~」となることが多く、愛猫はそのサインを出していることが多いのですが、そのサインを見逃すと、カプリとされてしまうことがあるのです。
このタイミングをよく間違ってしまう飼い主さんですと、愛猫も近づくことをやめてしまう場合が多く距離ができてしまいます。
ですので、このサインを見逃さないことも、愛猫とうまくやっていくコツでもあります。
ヒゲがピクピク、尻尾がパタパタしはじめたら、イライラしてきているのでやめてあげましょう。
このメリハリは、愛猫を甘え上手にしていくコツでもあります。
猫の分離不安とは?その症状や改善策
犬にはよく聞く症状なのですが、もともと猫は自由気ままを好む動物ですが、近年では猫でも分離不安を発症する猫が急増しているとされています。
背景には、昨今の猫人気により、猫の性質を知らないまま犬と同じように、まるで子供のように、終始一緒にいるような生活スタイルをつくってしまったことも原因の一つとして少なくないといいます。
日中家にだれもいない時間が突然増えてしまったりしたときや、大好きな飼い主さんが家を長期留守にするだけで、戸惑ってしまい分離不安を発症することがあります。
・留守中にずっと鳴いている。
・飼い主さんの外出する雰囲気を察して、猫が落ち着かなくなる。
・トイレの場所を間違える。
・物を壊す
・普段から不安な鳴き声をするようになる。
など、様々です。
・留守をかわいそうだからとやめるのではなく、構いすぎないこと。
・一匹でいても安心できる空間づくりや、猫だけの時間を日頃から大事にしてあげることがこのような分離不安にさせないことの1つ。
※留守が2泊程度必要な場合には、給餌器などを置いてあげると猫は大丈夫です。
以前ご紹介した給餌器の中には、飼い主さんの声を録音できるものがあるので、そのように、留守も当たり前の日常にしてあげることが、余計なストレスをかけさせません。
3泊以上になる場合には、ホテルに預けるよりもできるならシッターさんや知人に頼んでご飯の補充だけでもお願いしてみましょう。
程よい距離感は本来の猫には自然なことなので、どんなモードの時にも距離感を保って「構いすぎない」ことは、とても大切です。
甘えん坊な猫種は?
動物の毛色や目色について動物に共通の性格があることは、多くの研究者がそれについて報告しています。
とくに被毛が多様化した猫では毛色ばかりか、毛の模様、長さや毛質でも共通の性格が見られます。
例えばブラウンの毛色の動物は全体に図太くて愛情豊か、と言われており
シルバーの毛色の動物は全体的にナーバスで感情豊かです。
猫の目色の場合には、ブルーの目の子は臆病で敏感です。
また縞のあるないでいくと、縞がある猫の方が快活です。
毛色別の気質傾向
猫種別の気質傾向
空間の広がりを求める、遊び好き体育会系猫種
■メイン・クーン:おおらか、利発、遊び好き
■ノルウェージャン・フォレスト・キャット:繊細、友好的、冒険好き
■ソマリ:活発、陽気、外交的
以上のロングヘアーキャットは、大らかで遊び相手になってくれる人が好きです。
体育系とはいってもおっとり自立派猫種
■スコティッシュ・ホールド:穏和、物静か、マイペース
■アメリカンショートヘア:活発、明朗、利発
人気猫種は見た目のかわいらしさだけでなく気立ても良いので、室内飼育も簡単です。
猫好きであればだれでも受け入れてくれます。
おしゃべり好きな賑やか派
■ジャパニーズ・ボブテイル:活発、素直、いたずら好き
■シャム:敏感、社交的、気まぐれ
飼い主さんの気を引きたがるおしゃべり好きです、望みが叶えられるまでおしゃべりをやめようとしません。
自己主張が多く、やきもち焼きが多いので優先して愛情を注いでくれる飼い主さんを求めます。
まとめ
いかがでしたか。
甘えん坊にも、色々な傾向があることがわかりました。
自由気ままな猫と一緒に暮らす中でちょっとでももし歩み寄ってくれる時間があったのなら、愛猫のモードとタイミングを大切に接してみるといいかもしれません。
これから猫を飼い始めようとしている方は、事前に性格を調べておくと自分との相性がわかります。
猫の魅力は無限大です。