著者は2匹の猫と生活しています。
初めて飼うときは乳飲み子のときに保護し、突然飼うことになったので猫にとってどんな生活環境が最適なのか、本やネットを参考にしながら環境を作っていきました。
初めは1匹だったのですが、やんちゃで遊ぶの大好きだったため「兄弟がいた方がいいかな・・・」と保護猫をもう一匹迎えることにしました。
でも2匹飼うとなると「どんな生活環境が猫にとってベストなんだろう?広さはどれくらい必要なのか?」「いま住んでいる住居スペースで大丈夫かな?」と、多頭飼い時にも配慮してあげなきゃいけないことが沢山ありました。
多頭飼いも1頭飼いにもそれぞれに、適した生活環境を整えてあげると人間も猫も快適な生活を送ることができ、生涯のほとんどを自宅で生活する猫にとって、これ以上の幸せはありません^^
そんな著者同様、これから猫にとってベストな生活環境を知りたい方はこの記事を参考にしてください。
自宅の広さは1頭あたり1部屋以上が理想
ねこにとって理想的な住まいはどれくらいの広さでしょう。
人間の数とねこの数を合わせた部屋数があるのが、もっとも望ましい広さといえます。
つまり2人暮らしの家で2頭のねこを飼うなら、4部屋以上あるとベスト、という計算です。
さらに欲をいえば、自由に走り回れる長い廊下やリビングルームなど、広い空間があれば最高です。
日本の住宅事情では、理想的な広さを確保することはむずかしいかもしれませんが、もし無理なら、できるだけ猫の頭数を減らし、暮らしやすい空間を確保してやるのが、猫への最善の思いやりといえます。
また部屋から部屋へ自由に行き来できるように、ドアやふすまを開けておいたり、部屋を家具で埋め尽くさずに、ねこが歩く道を広く取ってやるのもねこにはうれしい気配りです。
探検と全力疾走ができる部屋を与えよう
基本的に、猫同士はある程度の距離を置いて暮らす、というのが特性です。
言いかえればごちゃごちゃした空間で、ほかの猫や人間と暮らすのはあまり得意ではありません。
孤独を愛し、自己尊重されたいねこは、気ままに寝たり、グルーミングするのが好きなのです。
ですから飼い主や他の猫にも邪魔されずに、静かに過ごせる独占空間があるのも、ねこにとっては快適なのです。
また家の中でも飛んだりはねたり、走り回るのがすきなのも、ねこの特徴です。
思いっきり一直線に走れる距離が長ければ長いほど喜びます。
階段の上り下りもよい運動になるので、家が狭くても階段があると、ねこにとってはいい環境です。
そのうえ探検の大好きなねこは、物陰や家のあちこちを見て回ります。
各部屋のドアがしまっていると、部屋の行き来が妨げられるので不満です。
ドアを開けようとしてあやまってドアを爪で傷つけたり、ふすまを開けようとして不本意にもふすまに穴を開けてしまうこともあります。
ドアやふすまは、ねこが常に通れるように少し開けておき、自由に行き来できるようにしておきましょう。
これだけでも、かなりのストレスを解消できます。
もしそれが無理なら、ドアの下にねこが通れるくらいの猫用出入り口を作るといいでしょう。
探検や全力疾走ができれば、精神的ストレスの解消にも病気の予防にもなるのですから。
狭い部屋で複数を飼うのは病気感染の元
狭い場所が大好きなねこ。
たしかにそれも事実ですが、だからといって、ねこを狭い部屋に閉じ込めておくのは考えものです。
ねこはのびのびとした広い空間で暮らすほうが向いています。
極端な例でいえば、8畳間に8頭ものねこを飼うと、完全にストレスがたまってしまいます。
1畳に1頭以上では狭すぎる計算です。
ねこにストレスがかりやすく、病気になったり、病気を悪化させる原因になるからです。
精神的にストレスがたまる理由はいくつかありますが、狭い部屋に閉じこめられると、思いっきり遊べないために欲求不満になります。
ねこはいつも気ままに過ごしたいし、自分だけのテリトリーを持ちたいという欲求があるので、その欲求が満たされないとストレスがたまりやすくなるのです。
猫もストレスをためると病気になる
副腎からコルチコステロイド(副腎皮質ホルモンともいう)が出て、それがリンパ球を減らすため免疫力が低下し、感染症にかかる可能性が高くなります。
ねこはウイルスによって移る様々な病気(感染症)にかかりやすい動物で、感染症について書いたら一冊の本になるほどです。
それだけでなく狭い部屋に多くのねこを同居させると、1頭が感染症にかかった場合あっという間にほかのねこたちにも伝染してしまいます。
病気を防ぐためにも、広い空間でのびのび過ごさせてやりたいものです。
多頭飼いはゲージがあると便利
ときと場合によっては、ゲージがあるとねこいとっては心と身体の休養になったり、病気感染を防ぐ手段にもなります。
たとえば2匹飼育していたうちの1匹が感染症にかかった場合、絶対に他の猫と接触させてはいけません。
病気にかかったねこは、ゲージなどで隔離することが大切です。
また病気になった猫的にも、できるだけ他の猫から遠ざけた方が、安心して休養することもできるのです。
また新入りねこが来た場合も、いきなり部屋に放すのではなく、慣れるまでゲージにいれておくと、ストレスを最小限に抑えられます。
ただ購入して使わなかったらもったいないので、必要に応じて購入するようにしましょう。
安心できる快適な寝床は必須
ねこの本来の主な仕事は、餌を捕ることと縄張りを見張ることですが、寝ることも重要な仕事です。
ハンターとして野生時代が長かったため、狩猟本能はまだまだ生きているので、餌を捕ることに相当なエネルギーを費やすのです。
またねこの狩猟法は、バシッと瞬間的に獲物に襲いかかるものなので、その瞬間目をみはるほど機敏な動作のため、かなりの体力を確保しておかなければなりません。
そのため、ねこはよく眠るのです。
一日のうち三分の二は眠っていると言っても過言ではありません。
餌を食べて満腹になるとあとはひたすら眠り、次の狩猟に備えます。
最近の飼い猫は餌を捕る必要がなくなったため、眠ることに専念できるのでさらによく眠ります。
どんなベッドを好むのか?
性格もあるので一概には言えませんが、本来のねこは野生であった歴史が長いせいもあり、眠っている間も周囲の動きに敏感に反応する本能を持っています。
敵が襲ってこないか、餌になる獲物が近づいてこないかと寝ながら注意を払っているのです。
ただ飼い猫は敵を見張る必要も、餌を捕まえる必要もなくなりましたが、長い歴史の中で培われた本能がまったく消え去ったわけではありませんから、獲物が近づくとすぐに目を覚まして、追いかける準備ができています。
このように近づく獲物に本能的に反応する反面、人間に飼いならされて餌を自分でハントする必要も、敵を見張る必要もない飼い猫は、のんびり眠りたいという欲求があります。
回りに注意を払う本能と、ゆっくり寝たい本音、この相反する2つの欲求を満たそうとすると、ベッドや寝床は四方もしくは三方が囲まれている場所がよいということになります。
例えばダンボールがあると入らずにはいられない、狭い場所が好きなねこは囲われているベッドを好む傾向が高いです。
ねこは趣向性が高いので、愛猫の性格を考えながら以下の記事も参考にしてみてください。
ねこは夜になると大ハッスル
著者は乳飲み子から子猫を育てましたが、子猫の活発さには驚かされました(゚д゚)!
夜中の一人運動会でおこされるのはしょっちゅうですし、朝方には私が寝ているベッドに向かいの本棚からダイブされたことなんかもありました。
特に子猫は深夜や朝方は活発ですが、それには理由があり、猫は本来夜行性といわれており、それは夜になるとコルチコステロイドというホルモンが出て活発になるからです。
ですが成猫になるにつれ、飼い猫は人間と同じ行動時間になり夜には寝てくれるようになります。
日中飼い主がいない間は食事もおやつももらえないし、遊んでももらえないし、その間は活発になる必要がないとわかっているため、起きている必要がないと判断し、深い眠りについています。
そして飼い主が戻ってくると、「さぁおでましだ!」と言わんばかりに、むくっと起き上がり活動を開始するためです。
マンションで飼うときは高層ビル落下症候群に注意
アメリカの獣医師会誌で発表された論文「高層ビル落下症候群」によると(参照元:葉山動物病院)
「ビルの一階の屋根からなら大丈夫でも、2階以上7階以上の高さから落ちたねこは助かる確率が少ない。そしてそれ以上の高さから落ちるとまた生存率が高くなる」
ということです。
2~7階から落ちると死亡する確率が高く、脊椎損傷や下半身麻痺などの重症も避けられません。
しかし7階以上になると、落下中に4本の脚を広げて着地体制を整える余裕があり、着地の際に空気抵抗が高まるため、生存率が高くなるのです。
ただ無地に着地できたとはいえ、相当な強さで地面にたたきつけられるわけですから、あごや胸を強打し、助骨や下顎骨を骨折することもあります。
落下した場合は、大至急病院で処置を受けましょう。
まとめ
猫は狭くて暗い場所を好み、あまり動かないとおもったら大間違い。
老猫でもない限り、家中を自由に探検し大運動会をするので、頭数分の部屋数があるのが理想です。
これから多頭飼いを考えている方は、頭数分のトイレやベッド、ご飯食器などを揃えてあげる必要があります。
ストレスを抱えずにのびのびと過ごせるよう、飼い主が責任を持って環境を作っていきましょう♪