愛犬家や愛猫家にとって、犬や猫は人生のパートナーであり家族です。ペットに癒された、助けられた、そんな経験のある人も多いのではないでしょうか。
ただの動物以上の存在だからこそ健康で長生きしてほしいし、食べるものにだって気を付けたいですよね。
ペットフードについて調べていると、しばしば「プレミアムフード」という言葉に出会います。
プレミアムという言葉だけだと「何やら高価なもの」というイメージがありますが、具体的にはどういったもののことを指すのでしょうか。
そこで今回は「プレミアムフード」と呼ばれるペットフードの特徴や、一般的なペットフードとの違いをご紹介したいと思います。
プレミアムフードと言われるフードには、ある共通点があるのです。
そもそも「プレミアムフード」とは?
ひとくちに「プレミアムフード」といっても、それ自体に明確な基準や概念はありません。
ペットフードを扱う会社が自ら「プレミアムフード」と謳っている場合がほとんどで、極端に言えばペットフード会社が商品を「プレミアフード」と名乗ってしまえば、それはプレミアムフードなのです。
とはいえ、プレミアムフードだと思って買ったものが実はあまり健康に良くなかった…となってしまってはがっかりですよね。
良質なプレミアムフードを選ぶには、まずプレミアムフードの特徴を認識しておくことが大切です。
ほとんどのプレミアムフードには以下の4つのポイントが共通しています。
(1)一般のペットフードに比べて価格が高い
(2)良質な素材を使っている(消化に悪い穀物を使用していない)
(3)人工の添加物を使っていない
(4)製造環境が整っている
今回は上の4つのポイントについて、1つずつ解説していきたいと思います。
これらの共通点を覚えておけば、フード選びに迷うことが減るかもしれません。
それでは、早速見ていきましょう。
その①:一般のペットフードに比べて価格が高い
プレミアムフードと呼ばれるものは、価格帯もまちまち。
しかし、一般的なペットフードに比べると、比較的値段設定が高いのが特徴です。
例えば、一般的なペットフードが100gあたり100円~300円なのに対し、プレミアムフードは100gあたり500円~1000円のものが多く、より高価なものになると1kgあたりで1万円を超えるものもあります。
なぜここまで価格に差が出てくるのでしょうか。
その理由は、上で挙げたプレミアムフードの共通点(2)、(3)、(4)につながっていきます。
その②:良質な素材を使っている
一般的なペットフードに比べてプレミアムフードが高価な理由の1つとして「材料費がかかる」ということが挙げられます。
プレミアムフードの成分表を見てみると分かりますが、成分について細かく長く記載されているものがほとんど。
それだけ成分にこだわっているのです。
安価なペットフードは主原料に、カサ増しのために犬にとって消化に悪い「穀物」や、質の悪い肉「4Dミート(またはミートミール)」などの材料が使われていることがあります。
麦や米などの材料は、元々肉食動物である犬や猫にとっては消化に負担をかけるもので、決して体に良いとは言えません。
また4Dミート(ミートミール)とは「肉副産物」とも記載されるもので、肉以外の部分、つまり家畜の糞や肉骨粉、内臓、毛などをミンチ状にして消毒、添加物を加えたものです。
とても食べられるものには思えませんが、その分非常に安く売買されています。
これらは、安い材料でフードをかさ増しするために使われる場合が多く、ペットの健康については度外視されている場合がほとんど。
その点プレミアムフードの主原料はタンパク質が多くとれる天然の肉類や魚類が中心となり、穀物はほとんど使われていません。
添加物が少ないオーガニックなチキンやターキー、ラム、サーモンやツナなどを、野生動物の本来の食生活に合わせた配合になるよう使われています。
また、野菜や果物も農薬を使わないオーガニックのものがほとんどです。
こうした材料は、こだわっている分どうしてもそれなりの値段がします。
しかしペットの健康に十分配慮されているという点では、お金を出しても買う価値があると考える人も多いようです。
その③:人工添加物を使っていない
一般的なペットフードの成分表によく記載されている「着色料」や「酸化防止剤」、「発色剤」や「保湿剤」…これらはすべて人工添加物です。
こういったものを口にしたから直ちに影響がある、というものではないのですが、決して体に良いものではありません。
プレミアムフードはこうした人工添加物を使わずにつくられています。
例えば、保存料の代わりに天然のビタミンEやクエン酸を配合したり、アレルギーの起こりやすい大豆や小麦、ビーフやポークを使わないなど、細部にまで気を配っています。
猫用のプレミアムフードの中には、泌尿器系のトラブルを防止するために天然のクランベリーを配合したり、関節系の病気の予防にグルコサミンやコンドロイチンを配合するなど「+α」の効能のあるものも多く販売されています。
こうした効果を、人工添加物抜きにつくってしまうのがプレミアムフードのすごいところと言えるかもしれません。
その④:製造環境が整っている
ペットフードの中には、本社が欧米や日本にあってもコストを安く抑えるために製造拠点を東南アジアなどの途上国に置いている会社が多くあります。
こうした会社がすべて危険なわけではもちろんありません。しかし、製造の過程で外注を挟むと、フードの安全管理や衛生管理がおざなりになってしまう危険性があります。
プレミアムフードを生産している会社は、生産過程を一般に公開していたり、国内の自社工場で製造を一括管理するなど、ペットフードの品質管理を徹底しています。
ペットフード会社の中には、「オーガニック工場」として国から正式な認定を受けていたり(SGJプロダクツ)、国から「安全なペットフード」の認証を受けるなど(オリジン)、品質を国から保証されているところも多くあります。
また、人間の食べ物と同じ品質基準(HACCP)でつくられているものも多く存在しています。
この「人間が食べても害がない」という文言は、ペットフードの品質の良さを示す1つの基準と言えるでしょう。
まとめ
プレミアムフードの4つの共通点、いかがでしたか。
メリットの多いペットフードではありますが、必ずしもプレミアムフードでなければ駄目、というわけではもちろんありません。
ペットフードは日常的にあげるものですから、どうしても価格がネックになる場合もあるでしょう。
プレミアムフードの中にはドライフードやウェットフードなど、タイプ別に分かれているものも多いので、ペットの好みに合わせて普段のフードと交互に食べさせてあげるのもおすすめです。
愛犬や愛猫の健康を気遣って、楽しいペットライフを過ごしましょう。