ある日立ち寄ったペットショップで見つめられ運命を感じ買った愛犬。
犬を飼い始めるときってこれからこの子と過ごす楽しい時間にわくわくして、その子の高齢になる姿を想像する飼い主の方って少ないですよね。
出会ったときは小さくってかわいい子犬だった愛犬にも、必ず高齢期はやってきます。
ずっと元気だった愛犬が、気づくと年をとって散歩に連れていっても走り回れなくなったり、あんなに大好きだったごはんも残すように・・。
高齢期の愛犬に適したお世話の仕方は、知識がないとできません。
愛犬がある程度元気なうちから犬の高齢期についての知識を身に着けておき、いずれくるその日に備えましょう。
今回は高齢期を迎えた愛犬の、お世話をするための対処法をまとめています。
ぜひ参考にしてください。
愛犬の高齢期とは?
人間の高齢期は65歳~70歳くらいからですが、犬の高齢期っていつからなのかわからない人も多いのではないでしょうか。
一般的には
ぐらいが高齢期と言われています。
見た目で元気そうだなぁと思っても「もう高齢なんだ、無理させちゃいけないな」と、飼い主さんが意識を持ってあげることが大切です。
ちなみに犬の平均寿命は、一般社団法人ペットフード協会によると平成28年の調査では14.3歳です。
1990年当時は8歳前後だったのですごい伸び率です!
高齢期の症状ってどういうの?
実際に高齢犬になると身体的にどんな症状がでるのかというと、次の通りです。
・お散歩時の変化
〇高齢による体力の衰えにより、距離が短くても満足できるようになります。
〇全力で走ることなどはしません。
〇筋力の衰えによりちょっとした段差でも軽く上がれなくなったりします。
対処法としては、若いときと同じ散歩コースでは散歩しないようにすることです。
距離は高齢犬でも歩ける程度の長さにしてその日の調子を見て調節するようにしましょう。
高齢犬にとっても歩くことは必要ですが、長く歩けばいいというものではありません。
その子の体調にあった距離を決めることが大切です。わからない場合は獣医さんに相談しましょう。
高齢犬の食事の変化
高齢犬になると若いときと同じように食べることができるわけではありません。
高齢犬の1日に必要なカロリー摂取量は、若いときに比べて約20%低下すると言われています。
そのため、低カロリーの食事に徐々に切り替えていってあげる必要があるのです。
高齢になると人間と同じように愛犬も足腰が弱くなります。
関節炎などのトラブルも多いので、食事面ではグルコサミンやコンドロイチンという関節に良いと言われる成分が多く入った食事か、もしくはサプリメントで補っていきましょう。
難しく考えちゃいがちですが、お店に行くと11歳以上用のドッグフードが売っていますので、そういうのを選ぶようにしましょう。
高齢犬に多い病気
人間と同じように年をとると病気になりやすくなります。高齢犬がなりやすい病気を頭に入れておいてできるだけ予防しましょう。
・肥満
愛犬の肥満自体を病気だと認識していない飼い主さんは多いようです。
しかし、肥満は万病の源です。心血管や呼吸器機能を低下させます。
皮膚疾患につながることもあり肥満は病気と認識して改善に努めましょう。
・心臓病
肥満からつながる典型的疾患です。
心疾患は初期は無症状であることが多いので健康診断をして検査を受けなくては判明しません。
予防としては肥満にならないこと、塩分の多い食事を行わないことです。
・神経疾患(脊椎、脊髄)
犬の高齢による加齢性疾患のうち難治性の運動器疾患の一つと言われています。
いわゆる椎間板ヘルニアや変形性脊髄症などです。
高齢になると急な階段の上り下りは日常的に行わないようにしましょう。
脊椎の障害の原因となります。
・前立腺疾患
前立腺肥大は生後5年以上で発症する犬が多く、去勢していない高齢犬のほとんどに見られます。
症状は、排尿・排便時に緊張を伴ったり、少量の便がダラダラと出たりします。
これらの病気の他にも腎・泌尿器疾患、糖尿病、老年性白内障などの眼科疾患などさまざまな犬の病気があります。
病気にかかってからではなく、かからないように元気なうちから健康チェックを行いましょう。
病気にかかりにくくするために!高齢犬の健康チェック
・体重
肥満にならないようにこまめに体重チェックです。
自分の愛犬の種類の適正体重は頭に入れておきましょう。
種類による犬の適正体重 | ||
犬種 | オス | メス |
柴犬 | 8~10㎏ | 7~8㎏ |
トイプードル | 3㎏ | 3㎏ |
ラブラドール | 27~34㎏ | 25~32㎏ |
ゴールデンレトリバー | 29~34㎏ | 25~30㎏ |
ミニチュアダックスフンド | 4.5㎏ | 4.5㎏ |
その他犬種ごとの適正体重参考記事
・歩き方
歩くのを嫌がる → 関節炎のおそれがあります。
歩き出してすぐ息切れをする → 心臓病のおそれ(僧帽弁閉鎖不全症)があります。
・心拍数
調べ方:足の付け根の内側にある動脈で測る。
正常値は100回/1分である。120回/1分 以上のときは循環器障害のおそれがあります。
・尿の回数
急に尿の回数が増え、同時に水もたくさん飲むようになった場合は腎不全、糖尿病などのおそれがあります。
・排泄の様子
下痢や軟便であってもすぐ病気というわけではありません。
しかし高齢犬の場合、急性の下痢で死亡する場合もありますので早めに受診しましょう。
また、血便がでたりした場合も受診しましょう。
まとめ
どんな愛犬でも必ずやってくる高齢期。いずれ来るその時に備えて飼い主さんが知識そして覚悟を持っておくことが大切です。
高齢になると散歩でも長距離を歩けなくなるので距離を考えたり、食事もカロリーを抑えて関節炎に良い高齢犬用の食事にするなど元気なときと状況は変わります。
また、高齢になると人間同様病気も増えます。高齢犬がなりやすい病気を頭に入れておき、それらにならないためにできるだけ健康チェックを若いうちからしてあげるようにしましょうね。