もしかして聞こえてない?犬の難聴について【原因・症状など】

以前より飼い主さんの呼びかけに反応しにくくなったり、帰宅した飼い主さんに気が付かなかったり、ごはんの準備に興味を示さなくなったり…と愛犬の耳が遠くなったかなと感じることはありませんか。

言葉が離せず返事をしてくれない分、犬の聴覚異常に気がつきにくい場合があります。

どの犬もなる可能性のある「難聴」についてご紹介します。

 

犬の難聴

犬の難聴とは、耳が聞こえづらい、全く聞こえない、片耳のみ聞こえるなどの聴覚障害を「難聴」といいます。

人間と違い、耳が聞こえないかどうかを証明する術がないため、判断がしにくいのです。

 

犬の難聴の症状

今まで反応していた音に反応していたのに、反応しなくなった場合は難聴の可能性があります。

  • 飼い主さんからの呼びかけ
  • インターフォンの音
  • ごはんやおやつなど準備している音
  • サイレンや雷の音

他にも、眠っているときに音を立てても全然起きなくなった、飼い主さんが帰ってきても気づかず寝ている、後ろから触ったり近づいた時に驚いて吠えたり噛みつこうとするという行動が見られることも。

耳を立てたりなど耳の動きが見られなくなるのも聴こえていないサインの場合もあります。

音が聴こえなくなった犬は不安な状態になっているため、飼い主さんにくっついて離れなかったり、動くのを嫌がったり臆病になったように見えることもあります。

しかし、片耳だけが聴覚障害になっている場合にはほとんどが気がつかないようです。

また、左右どちらかに頭が傾いている場合も難聴の症状として現れることがあります。

犬の難聴の原因

難聴には、大きく分けて生まれつきの「先天性難聴」と、「後天性難聴」があります。

「後天性難聴」はさまざまな原因が考えられています。

加齢

人間同様に犬も年齢を重ねていくと老化により耳が遠くなります。

年齢とともに音波の振動を伝える耳小骨の動きが低下することなどが原因だと考えられています。

個体差がありますが、小型犬や中型犬は9〜13才、大型犬は6〜9才頃から老化が目立ってくるといわれ、視覚、聴覚、嗅覚の順に衰えてくると一般的にはいわれています。

加齢によって聴覚が低下する場合は、少しずつ進行するため徐々に聴こえにくくなっていきます。

犬の認知症について【症状・なりやすい犬種・予防・認知症になったら】

2021.09.10

老犬の心に若さを取り戻す【遊なばい・眠りが浅い・無関心・呼んでも無反応・攻撃的】

2018.03.19

耳の病気

外耳炎、内耳炎や中耳炎など細菌感染によるの耳の炎症により聴こえにくくなることもあります。

耳を痒がったり、耳の中が臭い、頭をよく振るなどは耳の異常のサインです。難聴になる前に初期治療で完治するので、早期に診察してもらうことが大切です。

また、腫瘍が出来ている可能性も考えられます。

耳垢や異物

耳垢や異物などが原因でも、耳道が塞がり聞こえづらくなることがあります。

また、洗剤や接着剤、シンナーなどを吸い込んだり耳に入ってしまうことで難聴を引き起こすこともあります。聴器毒性といい、化学成分による化学反応が原因です。

薬の副作用で聴力が低下する症状が出る場合もあります。獣医さんへ相談しましょう。

その他の病気

耳の病気だけではなく、水頭症など「脳の疾患」や甲状腺機能が低下するなどの「内分泌系の疾患」、「神経の異常」などでも難聴になることがあります。

 

なりやすい犬種

どの犬もなる可能性がありますし、年をとるほど聴力の低下は見られやすいですが、先天性難聴が多い犬種だといわれているのがダルメシアンです。

種特有の遺伝的疾患で、ダルメシアンのは22%が片耳が聞こえず、8%が両耳が聞こえないともいわれています。

また、白い毛並みのブルテリアも20%の割合で聴覚に障害があるともいわれています。

 

難聴を防ぐには?

難聴の原因がさまざまなので、あらかじめ対処することが難しいものもありますが、飼い主さんが日ごろから気をつけるだけで防げることもあります。

耳の中は清潔にしておきましょう。耳掃除の間違ったやり方で耳を傷つけたり、耳垢が取れていない場合もあります。

飼い主さんが耳掃除をする場合は、やり方を獣医さんに一度チェックしてもらうと安心です。

また、人間同様に大きな音は耳への負担が大きいです。テレビや音楽の大音量、バンドなどの楽器、花火など、特に犬は人間よりも感度が高いので注意が必要です。

接着剤や洗剤などの化学物質も原因になりますので、犬が触れられない置き場所を考えましょう。

普段より反応が悪い、聞こえにくいかな…と感じたら早めの受診も大切です。

 

愛犬が難聴になったときに生活で気をつけたいこと

耳が聞こえない、聞こえにくいと気配を感じられないため、今まで通りに接すると、愛犬がビックリして噛みついたり吠えたりすることもあります。

愛犬の視界からゆっくりと入って近づいたり、目が合ってから触れたりするようにしましょう。

散歩のときも、周囲の音が聞こえないため危険を察知することができません。近づく車や自転車、他の犬にも敏感になります。

危ないと思ったらすぐにリードで引いて守れるように注意しながら歩いてあげましょう。いつもより歩くスピードも落としてあげるといいですね。

いつも聞こえていた音が聞こえないと、愛犬は慣れるまでは非常に不安な時間を過ごすことになります。飼い主さんの存在を常に近くに感じられる安心な場所をつくってあげたいですね。飼い主さんの匂いがするものを愛犬の側に置いておくのもいいかもしれませんね。

また、日ごろから声だけではなくジェスチャーやハンドサインを入れてコミュニケーションをとっておくことも重要かもしれません。

そうすることで耳が聞こえにくくなった場合にも、早めに飼い主さんが言いたいことを愛犬がキャッチしやすくなりますね。

老犬になる前に飼い主が知っておきたい対策【看護士談】

2017.08.01

この記事が気に入ったらシェアしよう!