猫や犬にも、歯みがきは必要です。
その理由は猫は歯みがきをしないと虫歯にはなりませんが、歯みがき習慣がない猫には歯石や歯垢がたまりやすく、歯周病などの原因となる細菌が多く繁殖しています。
歯周病にかかると重大な病気を引き起こしたり、歯石や歯垢を取るのに猫の場合は全身麻酔が必要な手術になるケースがあり、歯みがきは歯周病の予防として必須です。
著者は飼い猫が2匹いますが、どちらも赤ちゃんのときから飼っているので歯みがきに慣れるよう小さい頃からやってきました。
ただ1匹は神経質で毎度歯みがき時には格闘しており、いまだにぎゃあぎゃあ騒いでいます^^;
我が家のように、歯みがきを嫌がる猫に苦戦している飼い主も多いのでは??
これにはガーゼなどから歯ブラシに慣れさせるなど段階を踏み、根気よく素早く歯みがきをやっていくしかありません。
今回は我が家で実際にやっている、嫌がる猫への歯みがきの方法や頻度、おすすめ歯みがきグッズ、嫌がる猫に歯みがきをやる方法などをご紹介したいと思います。
この記事の内容はこんな感じ
甘く見ちゃいけない歯周病の怖さ
猫にもっとも多いといわれている口の中の病気は、私たち人間にもおなじみの歯周病。
歯周病とは歯に残った食べカスや細菌の残骸によって歯垢ができ、やがて石灰化した歯石になります。
歯垢や歯石は細菌の繁殖の巣になりやすく、歯周病の原因に。
唾液や分泌量が減った高齢猫の口腔内は、若い頃に比べて不衛生になるため、さらに歯周病のリスクは高くなります。
歯周病の細菌はカラダの他の部位にも悪影響を及ぼし、歯や歯茎が痛いと食事もとれないため、猫にとって大変なストレスがかかり、体力低下や体重減少につながります。
歯の病名と原因・症状

①歯肉炎
歯周病の初期症状で、歯肉に炎症を起こした状態のこと。歯石や歯垢の細菌が歯と歯肉の間に入り込み、歯肉に炎症を起こす。
歯肉は変色して出血しやすくなり、進行すると歯周炎になるので早めの治療をしましょう。
②歯周炎
膿が出るほど歯肉炎が進行した状態。口臭が強くなり、歯と歯肉の間の溝が深くなってくる。歯を支えている歯槽骨が溶け始めるため、歯がグラグラと不安定に。血管に細菌が入り込むと内臓まで影響を及ぼす場合も。
歯垢
細菌の残骸や食べかすなどが、歯に付着したもの。歯垢がつくと歯が茶褐色になり、歯石や歯肉炎の原因にもなる。
歯石のつきにくいフードを与え、日常的に歯みがきをすることが予防に。
歯石
歯垢に唾液中のカルシウムなどが付着し、石のように石灰化したもの。
歯石は細菌などの巣になりやすく、これが体内に入りこむと内蔵の病気になる場合も。
取り除くにはたいてい全身麻が必要なる。
歯周病予防は飼い主の努め
歯を守るには予防が肝心です。歯石の沈着を防ぐもっとも基本的で重要なのはやはり「歯みがき」に勝るものはありません。
猫用の歯みがきガムやおもちゃなどありますが、それだけで歯石が防げるわけではなく、あくまでも歯みがきをやっている上での気休め程度だと思ってください。
また与える食事はドライフードよりも、ウェットフードの方が歯石がつきやすくなるので、我家は猫達が大好きなチュールを与えた日は必ず歯みがきをするようにしています。
歯石に対するケアでもっとも大事なことは、歯石がつかないように早期に予防することです。
歯石がつく年齡(2~3歳)になってから、口の中に指を入れて歯石を取ろうとすると嫌がって大変^^;
猫の性格にもよりますが、なるべく小さいときから歯みがきになれさせるようにしましょう。
歯の構造と名称
猫の歯は上に16本、下に14本あり、犬歯は長くて鋭くなっています。
ケンカのときにはこの尖った犬歯で攻撃し、切歯は小さいものの、臼歯と同様に鋭くとがっていて肉を小さく噛み切れる歯となっています。
上顎の奥歯(臼歯)は歯石がたまりやす歯なので、重点的に磨きましょう。

猫の歯みがきのやり方
①猫用歯ブラシに歯磨き粉を適量つけます(使用アイテムは下記で紹介してます!)

②性格的に可能であれば、ひっくり返した方がやりやすいです。
③口のキワをぐっと奥に引き、赤い丸がついた猫の歯で一番歯石ができやすい上顎の奥歯(臼歯)を重点的に磨きます。
歯ブラシは前後にやさしく動かします。
④前歯は左右に歯ブラシを動かし、左右一番はしっこにある牙は縦に磨いています。
自信のない方は動画を見て勉強しましょう。
歯みがきの頻度
一日一回が理想ですが、歯垢が歯石になるのは72時間後なので、毎日やるのが大変であれば週2~3回でも効果はあります。
我家では2日に1度はやっています。
子猫はいつから歯みがきをすればいいの?
これは経験談ですが「歯がまだ乳歯」だとか「そもそもまだ歯が生えてない」とかは重要ではなく、子猫から育てているなら、歯が生えていなくても乳歯でも、口に指や歯ブラシを入れて慣れさせた方がいいです。
管理人も乳飲み子から育てましたが、“小さいときからもっと歯をブラシでこすられることに慣れさせればよかった・・・”と後悔しています。。。。今だに全力で嫌がられるので大変です(;・∀・)トホホ
我家の嫌がる猫にやった歯みがきの方法
1.まず好みのフレーバー系の歯磨き粉をなめさせる
↓
2.次に歯みがき粉を歯茎に指で塗る
↓
3.歯ブラシの前に、指にまいたガーゼなどで歯みがき粉を付け磨く
↓
4.歯ブラシを使い歯みがきをする
徐々に慣れさせ、今では素早くささっとやれば(ややキレられますが^^;)歯みがきできるようになりました。
ガーゼで歯みがきしていた期間は、3ヶ月ぐらいはやっていたかと思います。
猫用歯みがきアイテム
実際に使用ている、おすすめの歯みがきグッズを紹介します。
✔おすすめ歯ブラシ用ガーゼ
コスパ◎。歯みがきになれさせる前のアイテムとしておすすめ。✔おすすめ猫歯ブラシ
実際に我家も使用していますが、使いやすいです。猫は顎と歯が小さく、ねこ用の歯みがきじゃないと歯茎を傷つけてしまう可能性があるので、猫用の歯みがきを使用することをおすすめします。
✔おすすめ猫の歯磨き粉
歯みがき嫌いな1匹が、このチキンフレーバーがすきで舐めにきます。容量も多くしばらく買わなくて済みますし、動物病院にも置いてあるので、品質も安心です。
できてしまった歯垢や歯石は動物病院で除去
動物病院では歯についてしまった歯石には、全身麻酔をかけてから「超音波スケーラー」で削り取ります。
スケーリング
研磨
画像引用元:https://fujii-vet.com/
「歯冠部」(歯の上部)のつるつるしたエナメル質の歯石は落ちるのですが、歯根部(歯の下部)はザラザラしているため落ちません。
また歯根部の拡大した歯周病ポケットももとに戻らないため、一時的にクリーニングしてもそこには深いクレバスが残ります。
そして歯みがきをしないと新しい歯石はふたたび詰まり、歯茎の化膿と歯石はすぐに復活してしまうのです。
さらに年齡が進むと麻酔のリスクも増え、超音波スケーラーで削り取ることもままならなくなっていきます。
歯の健康には予防がもっとも大切で、ひどくなってからでは遅いのです。
全身麻酔は高齢猫にはかけれませんので、最悪の場合「抜き歯手術」しかなくなってしまいます。
手術の費用
もちろん病院にもよりますが、事前検査(血液検査など)全身麻酔・歯石除去(超音波性)で全部で50,000円前後が多いようです。
まとめ
今回は猫にもとっても大切な、歯みがきの重要性についてお伝えしました。
歯を磨かないと猫も歯石がたまり、歯周病になってしまうとうまく食べれずに健康に影響を及ぼします。
歯石取りには全身麻酔の手術が必要になり、全身麻酔は高齢猫には耐えられませんので、日々の歯みがきがなによりも予防につながります。
手術費用も高くつくので、著者は飼い主の責任として一日おきに歯みがきをしています(*´・ω・)