猫ちゃんの被毛の色や瞳の色に注目しやすいですが、実は鼻の色もさまざま。
被毛の色に関係することが多いようですが、猫の鼻の色が変化することをご存知でしたか。
どんな時に色の変化が見られるのか、また病気の症状として鼻色に出るケースもあるようです。
今回は猫の鼻の色についてでご紹介します。
猫の鼻の色
猫の鼻の色は、被毛の色と深い相関関係があるといいます。
被毛は両親の遺伝子を受け継ぎ、被毛の色素が濃い猫は、鼻の色も濃くなる傾向があるようですね。
猫の鼻の色は大きく分けて5種類に分類できます。
鼻の色が黒い猫は、濃い色の被毛の猫が多いです。
黒猫や白黒の猫、もしくはシャム猫などのポインテッド柄の被毛を持つ猫に多く見られます。
グレーやシルバーの被毛の猫は鼻色もグレーです。
比較的珍しい鼻の色でもあり、代表的なのが、ロシアンブルー。
猫の鼻で一番多い色と言えるのが、茶色~オレンジ色です。
雑種の中で一番多いといわれているキジトラや、茶トラ、サバトラ、レッドに近い毛色の猫に多く見られます。
被毛が真っ白や茶トラの猫に多く見られる鼻の色です。
鼻の周りの被毛が白い猫もピンクの鼻をしていることが多いようです。
ブチ模様の被毛の猫は、鼻も2色のまだら模様になっていることがあります。
白黒猫や、キジトラ、サバトラ、三毛猫やサビ猫にも見られる鼻の色です。
猫の鼻色が変化する理由
こちらでは、病気以外で考えられる理由をご紹介します。
体温、血行
鼻の周囲には毛細血管が走っていて、運動や興奮、体温が上昇すると血行がよくなり、赤みを増すことがあります。この場合は大抵、外耳や肉球も赤くなるようです。
他にも慣れていない場所や動物病院などに行ったとき、緊張や興奮から一時的に鼻が赤くなることもあります。
一方で、恐怖などを感じたときには、副交感神経が過剰反応することで、脳が酸欠や貧血状態となって鼻の色が白っぽくなることもあります。
成長、老化
成長過程や老化によって色が変化することもあります。
飼い主さんは毎日見ているので気が付きにくいですが、子猫のころの写真などを見返すと鼻の色が変わっている場合も。
また、老化によって人間の髪が白髪になるように、猫の鼻の色などの色素が薄くなることも少なくないようです。
色素沈着
猫の鼻は被毛に覆われていないため、色素沈着を起こしやすい場所です。
鼻をよく擦りつけたり頻繁に鼻にケガや傷をつくる子は、傷口部分がシミとなり、色素沈着しやすくなります。
また、日向ぼっこが好きで紫外線を毎日浴びているような猫ちゃんであれば、鼻に色素沈着が起こる可能性もあるといいます。
病気の可能性
病気の症状として鼻の色が変わる場合もあります。気になる症状が出ている場合は獣医師に相談しましょう。
貧血
鼻や唇、歯茎などの口腔内の粘膜が白っぽくなると貧血が疑われます。
血液中の赤血球数やヘモグロビン濃度が低下すると、このような色の変化が見られることがあります。
貧血の初期は目立った症状が出ないことが多いですが、進行し、運動すると疲れやすい、元気がない、食欲不振、ふらつき、血尿などの症状も。ひどい場合は呼吸が荒くなり失神することもあります。
貧血の原因は
- ケガなどの出血
- ウイルス性感染症(猫白血病ウイルス感染症、猫エイズウイルス感染症、猫伝染性腹膜炎、猫汎白血球減少症)
- 内臓疾患(腎臓病、肝臓病、悪性腫瘍など)
- 寄生虫に感染(ノミや鉤虫(こうちゅう)などの寄生)
- 中毒(ネギ類の摂取、殺虫剤・害獣駆除剤、人の薬の摂取など)
- 栄養不足
などが考えられます。
扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)
扁平上皮癌は皮膚細胞の悪性腫瘍で、鼻、耳、まぶた、口腔内、指などに出やすいといわれています。
初期は脱毛や皮膚炎のような症状ですが、表面が割れたり、ゴツゴツと盛り上がって赤黒いかざぶたのようになったりします。
扁平上皮癌の原因として、
- 紫外線・日光
- タバコの煙
- ノミ除け首輪
- 遺伝
などが今のとこと考えられていますが、まだ詳しい研究が進んでいないようです。
青目の白色や淡色の猫に発症するケースが高い傾向にあるといわれています。
好酸球性肉芽腫症候群(こうさんきゅうせいにくがしゅしょうこうぐん)
好酸球性肉芽腫症候群は、猫の皮膚や口腔などに皮膚症状や潰瘍ができるものです。
アレルギーや過敏症、感染などが原因になるともいわれていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
体のいろいろな部位に、脱毛や赤い潰瘍、しこりが生じます。激しい痒みが出ることもあり、掻いたり噛んだりすることも。
口腔内の上顎の部分や上唇部に潰瘍やびらんとして症状が出やすく、さらに広がって鼻の部分にまで症状が及んだ場合には赤く見えることがあります。
愛猫の鼻の色をチェックする習慣を
今回は猫ちゃんの鼻の色についてご紹介しました。
日頃、猫の鼻の色をよく見る人は少ないかもしれませんが、これを機に日ごろからチェックする習慣がついてくれると嬉しいです。
愛猫が普段何色で、どのような状態のときにどんな色に変化するかなど知っておくことは大切かもしれませんね。
また傷やケガをしやすい場所でもありますので、愛猫の健康チェックのひとつとして鼻の観察をおすすめします。