パピヨンってどんな犬?【性格・特徴・しつけ・気をつけたい病気など】

蝶が羽根を広げたような形の耳、愛らしい瞳、可憐で気品溢れるスタイルなのに、やんちゃで動くことが好きなキュートなパピヨン。

その愛らしさは、ずっと昔から多くの貴族をも魅了してきました。マリーアントワネットに寵愛されていた犬としても有名です。

今回はそんなパピヨンの歴史や性格、意外と運動能力が高いことや、垂れ耳と立ち耳のパピヨンの違いなど沢山の魅力を交えてご紹介していきます。

パピヨンの性格

明るく友好的な性格で、人間も大好きでよくなつきます。

甘えん坊で甘えてくる愛らしさを持っています。その分、寂しがり屋でもあるので、放っておかれるのは苦手です。

また、パピヨンはとても賢く、イギリスの研究機関によると知能指数(IQ)が小型犬の中では一番だったという結果も出ているようです。

飼い主を常に目で追い、飼い主が何をしているか自分に何を求めているのかを一生懸命理解しようとします。

優雅な外見からは想像できないくらい活発な犬種でもあります。遊ぶことが大好きで、運動能力も高く、走るスピードは小型犬としてはトップクラスに入ります。

ドッグスポーツなどに向いている犬種とも言われています。

パピヨンの歴史

パピヨンの歴史は古く14世紀までさかのぼりますが、突然そのころからパピヨンの歴史が始まったというわけではありません。

当時ヨーロッパ大陸には「コンチネンタル・スパニエル」と呼ばれる小型のスパニエルがいました。パピヨンの祖先と言われており、小型のスパニエルの中でもひときわ小さく、ドワーフ・スパニエルとも呼ばれていました。

この犬たちの発祥についてはスペイン、イタリア、ベルギーなどとも言われており、現在でもはっきりとは分かっていません。

パピヨンのルーツが所説ある中で、フランスが原産国とされていることが多いのは、犬種名のパピヨンがフランス語であることに由来しています。

フランス語で「蝶」という名称は立った耳が蝶のように見えるためにつけられたものでした。耳が垂れているパピヨンを「ファーレーヌ」と言いますが、これはフランス語の「蛾」という意味です。

パピヨンの歴史が花開いたのは16世紀のヨーロッパでした。

愛玩犬として多くの貴族や王族に愛され、マリー・アントワネットも2頭のパピヨンをこよなく愛していたと伝えられています。

当時の中世ヨーロッパには入浴の習慣はなく、ニオイ消しの香水が大流行しました。

特にパピヨンがこよなく愛されたフランスではパピヨンに香水をふりかけ、抱き犬としていつも一緒にいることが上流階級のステータスになったこともありました。

当時描かれた肖像画にはパピヨンが一緒に描かれた作品が沢山あります。

そんな華麗な歴史をもつパピヨンでしたが、一説によると、マリー・アントワネットが死刑台に上る直前までパピヨンを抱いていたというのもあり、フランス革命後は、貴族に愛された優雅で可憐な容姿の犬として、貴族社会の象徴ととらえられて迫害を受け、絶滅に危機に瀕したこともありました。

日本でのパピヨンは、1960年代には10頭以下しかいませんでした。

1990代に入ると、国内でのパピヨン人気が伸び、日本のパピヨンたちが海外で優勝するケースも見受けられるようになりました。日本のパピヨンは世界でトップの犬質を持っているという声もしばしば聞こえてくるようになり、さらに人気が高まったようです。

現在でも毎年、人気犬種トップ20にランクインする人気です。

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パピヨンの特徴

大きさ・体重

パピヨンの成犬の体重は2〜3kgから5〜6kgくらいまでと個体差が大きい犬種です。

日本で血統書を発行するJKCが定めたスタンダードでパピヨンの体重の規定はなく、体高は28cm以下としています。

寿命

平均寿命は12~15歳です。

歳をとっても元気なパピヨンは、7歳をすぎても活発に動き回る子もたくさんいます。

個体差はありますが、小型犬としては比較的長寿です。

被毛

被毛の量は、豊かでつやがあり軽くウェーブがかったシングルコートが基本です。

大きな耳と前足には飾り毛があり、後ろ足の後部には柔らかい被毛によってキュロットが形成されています。

毛色は大きく分けて、2色の被毛の「パーティカラー」と3色の被毛の「トライカラー」があります。

パーティカラーは、ベースがホワイトでブラック、タン(茶色)、レッド(赤茶色)、レモン(明るい茶色)、セーブル(黒い差し毛のある茶色)などがあります。

トライカラーは、ホワイト、ブラック、レッドやホワイト、ブラック、タンなどがあります。

単色のものやホワイトが入っていない場合は、ドッグショーでは認められないそうです。

また、年齢を重ねるとともに毛色が変化することも少なくありません。

パピヨンの特徴的な部分は大きな立ち耳です。

耳が垂れているパピヨンは「ファーレーヌ」といいます。

ファーレーヌの方が耳が大きく飾り毛が多いということでもあるので、通常のパピヨンよりはサイズがやや大きい傾向が見られます。

パピヨンの飼育

しつけ

知能は愛玩犬のグループの中でもトップクラスと言われているくらい、賢くて物覚えが抜群です。

しつけも早いうちにマスターできます。

「自分で考えて行動する能力」に優れていて人が何を求めているのか、何をすれば自分にとって良いことがあるのか常に考えています。

一方で、プライドが高い一面があるので、主従関係を明確にして育てることが大切です。

また、甘え上手でもあり、甘やかしすぎには注意です。

運動

パピヨンは小型犬ですが、非常に活動的な犬です。

体力づくりはもちろん、ストレスをためないためにも毎日の運動は欠かせません。

できれば朝夕1回ずつ、30分程度のお散歩が理想です。

寒さに弱い傾向があるので、冬のお散歩では服を着せてあげるといいですね。

飼い主さんと遊ぶ時間が大好きなので、散歩以外に室内などでも十分にかまって遊んであげましょう。

お手入れ

パピヨンは下毛のないシングルコートなので抜け毛は少なめですが、日ごろのブラッシングは必要です。

コミュニケーションをとりながらブラッシングをして、美しい被毛を保ちましょう。

パピヨンのチャームポイントの耳の飾り毛は細くてとてもデリケートなので切れたり傷めたりしないようコームを使って優しくとかしてあげます。

静電気などで毛玉もできやすく、とくに耳の淵に近い場所にできた毛玉はしっかりと、耳渕の皮膚に手をあててコームやスリッカーが皮膚に当たらないように少しずつとかしていきます。

また、パピヨンは涙が多く、目の周りが薄茶色に涙やけする子もいます。

専用の洗浄剤などをコットンかガーゼで拭いてあげましょう。改善しない場合は一度獣医さんにアドバイスをもらってもいいですね。

パピヨンが気をつけたい病気

眼瞼内反症

まぶたが眼球側に曲がりこんでしまっている状態の病気です。

先天的な要因がほとんどですが、外傷による後天的なものもあります。

放っておくと内側に向いた睫毛が眼球を刺激し結膜炎や角膜炎などの他の眼の病気があらわれることもあります。

白内障

加齢が原因で、水晶体が白濁し徐々に視力が失われていきます。

物につまずくようになったり、散歩を嫌がるようになったりすることがあります。人間同様に、加齢とともに生じやすくなります。

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膝蓋骨脱臼

膝の皿が本来の位置からずれてしまうのが膝蓋骨脱臼です。

遺伝的な要素の場合には、生まれつきの皿がおさまる位置のくぼみが小さくずれがちになってしまうケースです。

後天的にずれてしまう場合には、激しい運動や急激な旋回、高低差のあるジャンプ、滑りやすい床など足にかかる負担が大きいことが原因になります。

パピヨンは活発な犬種なので負荷をかけすぎて起こるケースもあるので注意が必要です。

症状としてはスキップ歩行や足をひきずるなどがみられます。軽症の場合は飼い主さんが気が付かないことも。

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進行性網膜萎縮症

網膜の視細胞が徐々に死滅してしまう目の病気です。

最初は暗くなると見えづらくなる夜盲症からはじまり、徐々に昼間でも見えなくなってしまいます。

やがて失明まで至ってしまうのは避けられないのが現状です。

外傷によるケースもありますが、遺伝的要因によることが多いとされています。

パピヨンの多くの発症も遺伝的要因が多いと考えられています。

歯周病

顎の小さいパピヨンは、高齢になるにつれて歯周病を発症することが多い犬種です。

予防の観点からも仔犬からのはみがきを習慣づけたいものです。

初期段階では、歯茎の腫れや口臭が目立ちやがて歯肉が退縮し歯がぐらぐらとしてきて、抜け落ちます。

細菌が増殖しその細菌が内蔵へと転じ別の内蔵疾患を引き起こすこともあります。

パピヨンと楽しく長く暮らすために

貴族に愛され、賢くて可憐で気品あふれるパピヨン。

しかし、実はとっても活発で運動するのが大好き!そのギャップもパピヨンの魅力ですね。

遊びや運動が大好きな小型犬なので、ケガも注意したい犬種といえます。

また、甘えん坊さんなので構ってあげる時間が少ないとストレスを感じてしまいます。

体を動かすことはもちろんのこと、スキンシップの時間や一緒に遊ぶ時間を大切にしてあげるとより強い絆が生まれますね。

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