狂犬病予防接種って受けなきゃダメ?【狂犬病・発生状況・予防接種の重要性など】

犬を飼っている人なら1年に1度は狂犬病予防接種のお知らせが自治体から届くのはご存知ですよね。予防接種を受けることは飼い主さんの義務ですが、そもそも狂犬病って日本に存在するのかしら?予防接種って本当に必要なの?と疑問に思ったことはあると思います。

そこで今回は狂犬病、狂犬病予防接種についてお伝えしたいと思います。

狂犬病とは

狂犬病ウイルスを持った動物に咬まれるなどして、その傷口からウイルスが侵入し感染する病気です。狂犬病は、犬だけでなく、猫、ネズミ、人も含めた全ての哺乳類が感染し、発症するとほぼ100%死亡するといわれています。

感染経路

狂犬病動物に咬まれたり引っ掻かれたりして、ウイルスが高濃度で含まれている唾液を介し、傷口から感染するのが一般的です。体内に侵入したウイルスは筋肉から神経に入り、脳の中枢を破壊し最終的に死に至ります。

現在まで、人から人への直接感染は確認されていませんが、角膜移植、腎臓、肝臓移植などで狂犬病ウイルスに感染した例などはあります。

潜伏期間

咬まれてから発症するまでの期間は平均で1~2ヶ月といわれていますが、中には数か月、数年の場合もあります。7年間潜伏期間があった事例も報告されています。

症状

初期症状としては、発熱、頭痛、食欲不振、倦怠感など風邪に似たような症状です。その後、咬まれた部分の痛みや知覚異常が起こります。水などの液体などを飲めなくなり、水を見ただけでも痙攣発作が起こるようになり水そのものが怖くなります。その症状から「恐水症」とも呼ばれています。また、少しの風でも体に触れると痙攣発作が起こることを「恐風症」といいます。

それ以外にも、高熱や麻痺、全身痙攣が起きたり、ウイルスが神経に侵入すると、興奮、錯乱、幻覚、攻撃的状態、意識障害などの症状が出てきます。このような症状から2~7日後に昏睡状態になって死に至ります。

人も他の動物も経過はほぼ同じですが、動物は目の前にあるもの全てに噛みつく症状が多く出るようです。それによって他の動物が感染してしまうことになります。

治療

人間も動物も、発病してしまった狂犬病の治療は現在ありません。そのため予防のワクチン接種がとても大事になります。

発生状況

日本では、現在国内発生の報告はありませんが、1923年から約3年間で大流行しました。9000頭以上の狂犬病の犬が確認され、多くの人も亡くなりました。その後、狂犬病対策が行われ、1957年以降国内発生はみられません。国内での感染はみられませんが、日本人が海外で犬に咬まれて帰国後に亡くなったケースはあります。

また、世界では現在でも毎年約55000人、十数万匹の動物が発病しています。インドやアジアで多く発生していますが、南極を除く、アフリカ、ヨーロッパ、北米、中南米と全ての大陸での感染が確認されています。

現在、日本のように国内発生がない国は、ノルウェー、スウェーデン、アイスランド、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、台湾、グアム、ハワイ、フィジー諸島です。

予防接種の重要性

幸いにも現在の日本では狂犬病は発生していませんが、世界各地で多くの人間や動物たちが狂犬病によって命を落としています。

昔に比べ、国際交流が盛んになったことでウイルスが国内に侵入する可能性はとても高くなっています。実際、狂犬病に感染したペルーのハムスターがボリビアに輸入され、人を噛んだこともあります。日本に輸入されるハムスターは50万匹ともいわれています。また、北海道ではロシアからの不法上陸した船内から犬が見つかったケースもありました。

日本が安全であっても、狂犬病の侵入の危険はとても高いのです。唯一、予防できる方法が予防接種をすることです。犬が人間へ感染するケースが世界的にも圧倒的に多いため、年に1度の狂犬病予防接種が欠かせません。実際、狂犬病の予防接種が広まった1928年頃に国内の狂犬病は激減しました。

1950年に狂犬病予防法という法律が定められ、予防接種と犬の登録は飼い主の義務です。毎年1回の予防接種をすることを違反した場合は20万円以下の罰金の対象にもなり、罰金が科された事例もあります。

狂犬病予防接種の時期

飼い始めた年の狂犬病の予防接種は、動物病院で接種し、狂犬病注射済証を各自治体に提出し、犬の登録もします。

犬が登録されると、2年目以降、毎年4~6月に狂犬病予防接種の通知が届きます。市区町村が行う集合注射、もしくは動物病院で接種できます。(住んでいる地域によって手続きの仕方があるので、詳しくは市区町村に問い合わせてみてください。)

予防接種を注意する犬

重篤な心不全や腎不全を患っている犬、もしくは狂犬病ワクチンによる副作用の経験のある犬では接種は猶予されます。また、重い感染症の場合は、回復を待ってからの予防接種が認められています。持病のある犬や高齢犬など、健康に心配な場合は動物病院で相談してからの接種がいいでしょう。

また、どの犬も予防接種日は、激しい運動は避けましょう。普段の散歩は問題ありませんが、長時間コースやドッグランなどはやめておきましょう。シャンプーやトリミングなども接種当日は避け、静かに過ごすようにしてあげましょう。接種後も異常がないか、よく見てあげて下さい。

愛犬と飼い主を狂犬病から守るために

日本に住んでいると、幸せなことに狂犬病の危険性を感じずに生活できます。しかし、一歩外を出るとまだ世界中で狂犬病の脅威にさらされています。想像しにくいですが、いつ日本にウイルスが入ってきてもおかしくない状況です。

日本で狂犬病が発生すると、可愛い愛犬と飼い主さん、その家族がすぐにウイルスの危険にさらされます。その為にも、唯一感染を防げる予防接種を受けましょう。義務化されているとはいえ、狂犬病予防接種率がいまだに登録犬数の80%未満なのが現状です。

他の動物と一切接触がないから、室内飼いだから、というのは狂犬病に感染しない理由には全くなりません。犬を飼っている以上は必ず予防接種して、今のように狂犬病を恐れない安全な環境で愛犬と過ごしたいですね。



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