すべての犬が嗅覚を使って楽しめる「ノーズワーク」

最近よく耳にする「ノーズワーク」という言葉。ご存知ですか。
 
私はインスタやTwitterで知りました。
 
以前、雑誌「いぬのきもち」の付録にもノーズワークマットが付いていました。
 
ワンちゃんがヒラヒラしたマットの中に隠されたオヤツをクンクンと匂いを嗅いで見つけるというものでしたが、これの何が良いんだろう?と思って、今回調べてみることに。
 
詳しく知るとビックリ!ワンちゃんを飼っている多くの飼い主さんにも知ってもらいたいと思って記事にしました。
 

ノーズワークとは

ノーズワークとは、人間の100万倍~1億倍といわれている犬の優れた嗅覚を使って楽しむドッグスポーツのことです。

内容は簡単にいうと「宝探し」です。

スポーツといっても自由度がとても高く、気軽に遊びとして多くの犬が楽しんでいます。

探すものはオヤツやオモチャなど身近なものでいいですし、隠す場所も様々です。

どのコップの中に入っているかというものや、部屋の中全体、倉庫、公園だったり、規模も屋内屋外も問いません。

世界各国で競技会も開催されています。

各国で独自のルールを採用しているようですが、アロマオイルを垂らしたものを時間内に探します。

警察犬、麻薬探知犬などのように訓練を重ねた犬も参加するような大会から、趣味のひとつとして和気あいあいと楽しめるような大会まで様々です。

ノーズワークの歴史

ノーズワークは2006年にアメリカの3人のドッグトレーナー達が発案したものです。

彼らは、100頭以上もの多くの警察犬や探知犬などを育成してきたり、問題行動を抱えていた犬を家庭犬で飼えるような活動をしてきた中で、本能的に優れている犬自身の嗅覚を使うことで、心身ともに良い影響を与えていると分かったのです。

そこで、単調な時間を過ごしている動物保護施設の中の犬たちに刺激を与えたいと始めました。

保護されている犬には、つらい経験をし、精神的に不安定な状態でなかなか人間に心を開いてくれない子も沢山いたようですが、犬が主体になって行うノーズワークで徐々に信頼感が出てくるようになったといいます。

また、達成感から長所を伸ばし自信が出てきた犬も多くいたようです。
 
2007年には、オモチャやおやつを探しだす遊びを家庭の犬にも提案していきました。
 
夢中になっていく犬にどんどんチャレンジさせ、「指定の匂いがする物を隠し、決まったルール内で探し出す」というスポーツスタイルにまでなりました。

ノーズワークの魅力

気軽にできる

ノーズワークとはドッグスポーツをされてはいますが、特に準備も必要もなく、ご自宅にあるいつも使っているオモチャやおやつなどを使えば、どの家庭でも気軽に始めることが出来ます。

どの犬も楽しめる

犬の嗅覚を使うので、どの犬でも楽しめます。子犬から老犬、障害があっても、しつけが出来ていない犬でも大丈夫です。

嗅覚も高齢になれば衰えるようですが、いちばん最後に衰える部分だともいわれています。

全盲の犬でも、立ち上がることが出来ない犬でも行うことが出来たといいます。

犬が主体

何より最大の魅力は、犬が主体になるという点です。飼い主さんが教え込んだり、犬に我慢させたりというところがありません。

犬には「狩りたい、探したい」という本能的な欲があり、嗅覚を使った狩猟のような行為はとても刺激的なのです。

ノーズワークの効果

ノーズワークは嗅覚をフルに使うので集中力が必要です。そのため脳が活発に動きます。

成功すると達成感、満足感を得られ、心も脳も満たされるそうです。

運動をしていないのに適度な疲労感認知症、痴呆の防止効果も。

またストレス発散、分離不安症などにも効果があるともいわれています。

範囲を広くして行うノーズワークでしたら、運動不足も解消されます。

実際の経験談
  • 愛犬がぐっすりと寝るようになった
  • 無駄吠え、無駄噛みが減った
  • ノーズワークをした後は散歩後のように満足している
  • 雨の日や散歩に行けない日でも楽しめる
  • 運動や散歩が苦手だけど、この遊びをする時は楽しそう
  • お年寄りになって動きの激しい遊びが出来なくなったが、この遊びは出来る

など、様々な声が上がっています。

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2019.03.08

ノーズワークのやり方

ノーズワークは大きく2つに分けて、オヤツなどの「フードを使用するパターン」と、それが出来るようになり競技会などに参加する場合の「アロマオイルのにおいを使用する」パターンがあります。

ここでは、フードを使用する場合でのやり方をご紹介します。

といっても、競技会ではないので決まったルールはありません。

簡単な方法では、飼い主さんの右手と左手のどちらかの手にフードを入れて匂いを嗅がせて、どちらに入っているかを当ててもらうというやり方です。これも嗅覚を使った立派なノーズワークです。

いくつかのクッションやハンカチの下にフードを隠して探すのもいいですね。

ここで重要な点は、犬が主体ということです。

犬が一生懸命探している時に、飼い主さんは誘導してはいけません。指示もせず、犬が好きなように匂いを嗅いで見つけ出すのを待っていてあげましょう。

見つけたフードはそのまま食べさせてあげて、褒めてあげましょう。

注意点

犬が乗り気でなかったり、興味を示さないこともあります。

その場合は隠すところを見せてあげてもいいかもしれません。徐々に、隠すときには見せないようにしていくといいですね。

やる気がないのに無理やりさせる必要はありません。

しかし、突然やるようになる犬もいるようなので、様子を見ながら気長にチャレンジしてみましょう。

ノーズワークのグッズ

ノーズワークを家で楽しめるように、フードを隠せるグッズも販売されています。

 

ノーズワークマットを作ってみた

うちの犬にもやらせてみたいな~と思って調べてみると、100円ショップの材料で作れるとの情報が。

そんなに安く出来るならと、作ってみることにしました。

材料

  • キッチンのシンクマット1枚(穴があればどんなものでも)
  • 洗えるフェルト3つ(中におやつを隠すので、洗える方が衛生的)

作り方

フェルトをお好みの大きさにカットしていきます。

太さは穴に通せるサイズで。

長さは、仕上がりのフサフサ部分がどのくらいの長さがいいかを考えてカットしましょう。

フレンチブルドッグやペキニーズなどのマズルの短い短頭犬は、奥まで鼻を突っ込みにくかったり、目に当たったりするので短めがいいかと思います。

一方、マズルの長いミニチュアダックスフンドなどはフェルトを長くしてもいいですね。

うちは短めにしてみました。4.5㎝×15.5㎝でしたが、もう少し長くても良かったかな。

切ったフェルトをマットに結んでいくだけです。

作る中で、ほとんどが結ぶ時間です。

そして、全部を結び終えると完成です。

一連の動画です。

 
 
 
 
 
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ノーズワークマットを使ってみた

「犬が主体」を頭において、なんの説明もせず(しても分かってもらえませんが)、マットにフードを何個か隠してみると、クンクンクンクン・・・・

フルに嗅覚を使っています。ひとつ見つけパクパク食べ、クンクン匂いを嗅いで次を一生懸命探していました。楽しそうです。

思ったより早く全てを見つけ出しましたが、集中してる姿がしっかり見られました。

いつも同じパターンだと飽きてしまうかもしれないので、たまには長さの違うフェルトを何本か交換して結びなおしてみたりするのもいいかもしれません。

アレンジが効くのも手作りならではかなと思いました。

普段、布製品はほぼ噛んだりオモチャになってしまいますが、なぜかこのマットを噛むようなことはありませんでした。

どんなワンちゃんにでもチャレンジ

ワンちゃんの嗅覚を最大限使って、身近なもので気軽に出来るノーズワーク。

愛犬がワクワク楽しめて、心身ともに満たされるなら試してみたいと思う飼い主さんは多いと思います。

コミュニケーションをとる中で飼い主さんとの絆も深くなりますね。

最近忙しくて構ってあげられない、充分にお散歩させてあげられない、新しいオモチャを探してる、雨の日に遊ぶものがない…など、この機会にノーズワークにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

 

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