感染症から大切な愛犬を守るワクチン接種。
犬がかかりやすい感染症の予防・重症化を防いでくれます。
ドッグランやドッグサロン、宿泊施設などの公共施設に入る条件もワクチンを接種をしているかどうかが基準となり、ペットサロンやペットホテルなどでは、証明書を持っていくところがほとんどです。
今回はワクチンにはどんな種類があるのか、接種する時期や回数、費用、接種後に注意すべき点などをご紹介いたします。
狂犬病ワクチンとは
狂犬病とは、発病するとほぼ100%死にいたる致死性の非常に高い感染症です。
犬のみならず、猫やキツネなどの哺乳類、人間にも感染する可能性があり、その危険性の高さから唯一法律で定められた予防接種で、接種を怠たると罰則を科せられる場合もあります。
狂犬病ワクチンの手続き
犬を迎え入れたら、まずお住まいの市町村窓口または動物病院で、犬の登録・狂犬病予防注射の手続きを済ませましょう。
手続きが済むと、「鑑札」と「注射済票」を交付されます。
この2点は登録された犬、狂犬病予防接種を受けた犬としての証明になるため、大事に保管しておきましょう。
接種スケジュール
・子犬の場合…生後91日以上(約生後3か月)経過したら必ず接種させましょう。
・成犬の場合…1年おきに予防注射を接種させましょう。
接種場所
・各市町村が指定する集会所(毎年届くハガキに場所・実施日の記載があります)
・かかりつけの動物病院
狂犬病ワクチンの費用
・初回…犬登録手数料(約3,000円)+狂犬病予防注射・注射済票の交付料(約3,000円)=6,000円
・2度目以降…狂犬病予防注射・注射済票の交付料(約3,000円)
犬の混合ワクチンについて
一度で複数の病気を予防できる混合ワクチン。
何種の混合ワクチンを接種するかは、健康状態や生活環境、犬種を考慮したうえで医師と相談しながら決めましょう。
各病院で扱っている混合ワクチンの種類はさまざまですが、一般的なのは5種~8種です。
混合ワクチンの種類
6種混合ワクチン
犬ジステンパー |
犬アデノウイルス(2型)感染症 |
犬伝染性肝炎 |
犬パラインフルエンザウイルス感染症 |
犬パルボウイルス感染症 |
コロナウイルス感染症 |
9種混合ワクチン
上記6種+以下の3種
犬レプトスピラ病(カニコーラ型) |
犬レプトスピラ病(イクテロヘモラジー型) |
犬レプトスピラ病(ヘブドマディス型) |
接種スケジュール
2回目(生後3か月頃)
3回目(生後4か月頃)→年1回の追加接種
2回目(約4週間後)
年1回の接種
しかし、感染率の高い疾患をあらかじめ予防できるに越したことはありません。
特に子犬は免疫力が非常に弱いため、5種~6種の混合ワクチン接種を推奨しています。
ワクチン接種場所
かかりつけの動物病院
混合ワクチンのおおよその費用
・5種~6種混合…約4,000円~7,000円
・7種~9種混合…約7,000円~9,000円
・10種~11種混合…約9,000円~12,000円
フィラリア予防接種とは
蚊を介して、体に寄生するフィラリア症を予防するワクチン。
フィラリア症にかかると、フィラリアという寄生幼虫が血管を通って心臓に移行し、心臓で成長したフィラリアを取り除かなければ、最悪死に至ってしまいます。
フィラリア予防接種はさまざまな投薬の種類があるため、どの方法を選ぶかは飼い主さん次第です。
フィラリア予防接種スケジュールと種類について
犬の体調や病院が推奨している投薬種類などさまざまな状況から、どのタイプを接種させるか医師と相談しながら決めましょう。
ワクチン接種場所
かかりつけの動物病院
フィラリアワクチンのおおよその費用
~5.6kg…約4,000~6000円
~11.3kg…約5,000~10,000円
~22.6kg…約6,000~11,000円
確実な値段を知りたい場合は、病院に問い合わせた方がいいでしょう。
ワクチン接種前に既にフィラリアに感染していないかどうか、血液を調べたりする事前検査を受ける必要があるため、ワクチン費用以外にも別途検査費用がかかることがあります。
欧米では混合ワクチンは3年に一回に(成犬に限る)
コメント元:安田獣医科医院
犬の混合ワクチンの、接種する期間が変わってきています。
日本では毎年打つことを推奨していましたが、実は海外先進国では10年以上前から毎年の接種は行われておりません。
世界獣医学の専門家による提言であり、これ以外の方法はないと言っても過言ではありません。
このガイドラインの目的は、
- ワクチンをコア(ジステンパー、アデノ、パルボ)、ノンコア(
レプトスピラ、パラインフルエンザなど)及び非推奨(コロナ) に分類する。 - 全ての犬(猫)にコアワクチンを接種する。
- コアワクチンの最終接種を16週齢(4か月齢)以降にする。
- コアワクチン最終接種後4週間以上あけて抗体検査を行う。
- 状況によりコアワクチンを26週齢から52週齢で再接種を行う。
- 以降3年以内にコアワクチンを接種しない。
- 必要に応じて抗体検査を行い動物の状態を検査する。
- ノンコアワクチンは、地域の特性に合わせて毎年接種する。
- 狂犬病ワクチンは、その国の法律に従う。
子犬の時期にしっかりとコアワクチン接種を行えば抗体は長期間持
抗体検査を行い、抗体がなければ打つ、あれば打たない、
まとめ
狂犬病ワクチンは年に1度、法的義務により接種する必要がありますが、混合ワクチン・フィラリア症ワクチンについては、任意接種です。
1つ注意していただきたいのが、さまざまな感染症を予防してくれるワクチンにも、ワクチン接種後稀にアレルギー反応を起こす犬がいます。
ワクチン接種後は1日~2日ほど犬の様子の変化に気を付けましょう。
体調不良が続いたり、突然様子がおかしくなったときはすぐに医師に診てもらうことです。
毎年の予防接種で、愛犬に元気に長生きしてもらいたいですね。