ベンガルってどんな猫?性格・なりやすい病気・特徴など

ベンガルの魅力は何と言っても、野性味あふれたヒョウのような美しい模様と光沢のある被毛の上品さではないでしょうか。

一見とっつきにくそうな外観をしていますが、性格は家庭向きの人懐っこく甘えん坊で遊び好きな可愛さに魅了されてしまいます。

今回はそんなベンガルの歴史や性格、特徴のほか、その美しい被毛の種類や模様も一覧でご紹介しています。

その他にも、ベンガルの寿命や手入れ方法、里親サイトも載せていますので、ぜひ参考にしてもらえればと思います。

歴史

ベンガルは他猫種に比べると、歴史の浅い猫種になります。

ベンガルは意図的に野生のアジアン・レパードの血統が用いられた猫種です。

外観の特徴は、美しく強靭で野生的な魅力をアジアン・レパードから引き継いでいますが、その気質はまったく逆で、とても家庭向きな性格です。

直接の祖先であるアジアン・レパードの性格は、ベンガルとは違い人間の生活に馴染めるようなものではありません。

夜行性で孤独を好み、警戒心が非常に多くの研究者がトラやライオンなどの他の野生動物よりもなつきにくいと報告しています。

藪や森の中を好み運動能力にもすぐれ、猫にしては珍しく水遊びが好きで、子孫のベンガルも水遊びが好きなところは受け継がれています。

アジアン・レパードは絶滅が危惧されている自然種で現在では輸入が禁じられていますが1960年代後半までは、アメリカのペットショップで入手することができました。

そこで入手したアジアン・レパードと家庭猫を掛け合わせることから、「小さなヒョウ」であるベンガルのブリードがスタートしました。

目指すは「人懐っこさを持った小型の美しいヒョウ」

1963年ブリーダーであるサグデン女史が、まず試みたのは、黒毛のオス猫を交配させることでした。

この交配は成功し生まれた子猫(F1世代)は、柄も最初はあったものの、成猫になると父猫の黒毛に覆われてしまいました。

この黒毛のメスの子猫(F1)に、綺麗な斑点をもつエジプシャン・マウを交配して生まれた猫たち(F2世代)は、スポット(斑点)を持っていました。

この繁殖はサグデン女史の事情によりF3世代を見ることなく、やむなく中止することとなります。

1970年代後半、アメリカのカリフォルニア大学で、アジアン・レパードがネコ白血病の抗体を持っているのではないかという仮説で、アジアン・レパードと短毛猫の交配を行いました。

この時生まれた子猫が、再びサグデン女史の手に渡り、F1世代を基礎に改めて繁殖と育種の途につくことになりました。

こうした試行錯誤を繰り返し、ヒョウのような美しい模様と光沢のある被毛に野性的で精悍な顔つき、そしてイエネコとして最も重要な、人懐っこい性格のベンガルがつくられました。

アジアン。レパードの学術名は、フェリス・ベンガレシスと言いここからベンガルの名称は」とられています。

ベンガルが認知される

1983年、TICA(国際キャット連盟)にベンガルの登録を申請します。

1985年には、初めてキャットショーに出陳されたベンガルたちは、鮮烈な印象を審査員と観衆に与え今日のベンガル人気を決定づけました。

1990年にはTICAのキャットショーでグランド。チャンピオンの栄誉を与えられています。

性格

性格はとても穏やかで人懐っこいです。

性格での野生的な面は改良され人生の伴侶としては最高の動物と言えます。

見た目の印象からか多頭飼いや、他の動物と一緒に飼うと傷つけたりさせるのではないかと誤解する方もいますが、平和的で愛情深く、先住猫とも仲良くできます。

仔猫のうちであれば他の動物とも共同生活が可能です。

甘えん坊で名前を呼ぶと高い声で何とも可愛い声で返事をします。

やさしく顎を撫でると喉を鳴らしてすり寄ってきます。

最後にはゴロンと寝転んお腹を出して遊んでほしいと要求してきます。

一般に新しい環境への適応能力は早く生後3か月を経っていれば十分適応できます。

運動量が多く活発で遊び好き、ハンティングも大好きで、猫としては珍しく水遊びも好きです。

非常に賢く、観察力や洞察力があります。

留守番の気配を察すると、外出の邪魔をすることがあり、窓や扉に鍵をかけ忘れると、開けられてしまうことがしばしばあります。

水遊びが好きなので、風呂場や洗濯機など水回りには気を付けましょう。

特徴

スタンダード (TICA国際キャット連盟による)

✔全体

ベンガルの体型は野生的な特徴を多く残しています。
大きさは、家庭猫としては中型から大型で、毛並みはとても光沢があり神秘的ですらあります。

体つきは筋肉質ですがとても柔軟でしなやかです。

特にオスの体型は堂々としていて猫種の中でも際立ちます。

✔首

首は、太く、肉付きがよく、頭部に比べると大きめです。

体格とあった長さを持っています。

✔顔つき

形は、変形くさび型で、丸みを帯びています。

顔は、幅より長さが印象的です。
顔の大きさは体に比較するとやや小さめで、鼻は大きく幅広で鼻孔が横についています。

マズルは大きく頬骨もかなり張っていてヒゲがよく生えています。

✔耳

小さめで付け根が広く、先端が丸く短い耳がよいとされています。
位置は横からみてやや前についています。

✔目

アーモンドの形をした大きくつぶらな瞳です。
瞳の位置は離れていて、耳に向かってやや吊り上がっています。

色はブルーやグリーンが多く、他にもゴールドやアンバーなど多彩です。
瞳の色は成長とともに変化します。

✔被毛

短毛~中毛のシングルコートで、大変滑らかでシルクのような手触りです。

なりやすい病気

決して神経質ではありませんが、人懐っこく甘えん坊で運動量も多い猫のため、留守が続いて構ってあげられなかったなど一時的な環境変化や運動不足によるストレスがたまる場合があります。

✔心因性脱毛

ストレスを感じると、ストレス発散のためグルーミングを行いますが、心因性の場合には、持続的にストレスを感じることで過剰なグルーミングをしはじめます。

過剰なグルーミングは被毛や皮膚を傷つけてしまうことがあり、特に猫の舌はザラザラしているので毛が抜けたり皮膚炎をおこしてしまいます。

猫がグルーミングをしやすいお腹や後肢、内股、お尻、背中などにおこります。

運動のできる環境を整えてあげるとともに、異変に気づいたら早めに受診しましょう。

✔角膜炎

目の表面を覆っている膜のことを角膜といいます。

毛やひっかき傷、ぶつかったこと等により、角膜が何らかの原因で傷ついて起こることが多いですが、ウイルス、細菌が等が原因で引き起こされることもあります。

目を痛がって開けづらそうな様子があったり、気にしてこすったり、光を眩しがるようになる事もあります。

抗生物質などで治療します。

眼の異変に気づいたら、すぐに受診しましょう。

ベンガルは活動量も多いのでケガなどには十分気を付けましょう。

ベンガルの歴史はつくられてから30年程度と他種より浅い猫種ですので、疾患の傾向はこれから発現することも考えられます。

猫全般がかかりやすい病気

✔尿路結石症

尿路結石症とは、腎臓・尿管・膀胱・尿道の中に結石や結晶ができる病気です。

症状
・尿が少ししか出ない、もしくは尿が全く出ない
・トイレでじっとしている
・尿をするとき痛がってなく
・血尿が出る

尿が全く出ない場合は要注意です。

尿道に結石や結晶が詰まってしまって出なくなっていることが多く、これを放置していると、腎臓に負担がかかり、食欲がなくなったり嘔吐がみられたり、命に関わる状態になりかねません。

尿路結石症は性別に関係なくかかりますが、オスは尿道が細長くペニスの辺りで
さらに細くなっているので結石が詰まってしまうことが多いです。

尿路結石症が増える傾向にある季節は、冬です。

冬場は寒いため、猫の水分摂取量が減る傾向があります。

濃い尿が長い時間膀胱に溜まることになるので、結石ができやすい状態になります。

✔慢性腎臓病

高齢の猫に多い病気で、慢性的に少しずつ症状が進みます。

症状
・多飲多尿
・食欲不振
・体重減少
・嘔吐
・貧血
・口内炎

腎性高血圧から眼や脳、心血管系に異常をきたす場合もよく見られます。

腎障害が進行し、腎臓から尿への老廃物の排泄がうまくいかなくなると腎不全、さらには尿毒症を引き起こし、最終的には死亡してしまいます。

一度悪くなってしまった腎臓の組織は治療しても元には戻りません。

早期に発見して進行を遅らせるような治療をするのが重要となります。

✔糖尿病

血糖値を下げるように調節するインスリンの分泌不足や作用不足により高血糖状態が持続し、多飲多尿や脱水、体重減少、後肢の虚弱など、末期には糖尿病性ケトアシドーシスによる食欲不振や衰弱、死亡を引き起こす病気です。

中~高齢で多く発症すると言われています。

一番わかりやすい症状は、明らか多飲多尿です。

今まで以上に、多量に水を飲むようになり尿量も増え、オシッコの色が薄くなるような症状です。

この段階で異変に気付けると治療もスムーズに進むことができますが、放っておくと入院での集中治療が必要になる場合もあります。

早期発見できるよう、多飲多尿が気になったらなるべく早めに受診するようにしましょう。

体重・大きさ

メス体重3.1kg~6.0kg体高55~80cm
オス体重4.6kg~7.5kg体高55~80

中型~大型の大きさになります。

寿命

平均寿命は14歳位です。

毛色

一般的にベンガルは3つのタイプに分けられます。

ブラウン(レパード・カラー)

✔先祖のアジアン・レパードの特徴を最もよく反映しています。
✔明るい地色と暗色のスポットの組み合わせが特徴です。

スノー


✔劣性遺伝の結果生まれた興味溢れる色合いを持っています。
✔白かアイボリーの地色に、灰色か薄茶色のスポットがあります。
✔スノーは生まれたばかりは、ほとんど純白のものが多く成長とともに模様がはっきりとしてきます。
✔被毛はクリスタルやプラチナのように輝くと言われています。

シルバー


✔シルバーの色をしたベンガルは、近年公認されたばかりという新しいカラーです。
✔銀色に輝く被毛にヒョウ柄の模様がとても映えます。
✔アメリカンショートヘアー、通称アメショーを品種改良に用いたことで生まれた色合いです。

ベンガルの模様

ベンガルと言えばヒョウ柄模様。

ベンガルの外見の大きな印象にもつながる模様ですが、実はよく見るといくつかのパターンがあります。

模様は大まかに2種類。

✔スポッテッド(ヒョウ柄のブチ)

https://www.pinterest.jp/

✔マーブル(渦巻状の縞模様)

https://www.pinterest.jp/

スポッテッドのなかでもヒョウやジャガーのように濃淡のある斑点模様のロゼットがよいとされています。

ロゼットとは、簡単に言うと2色の異なるカラーを持ったスポットのことです。

全種の猫のなかでもこの異なる2色のスポテッドつまりロゼットを持つ猫はベンガル猫だけです。

ベンガル模様一覧

✔スポッテッド
1色の豹柄模様。 黒い点のペットショップなどで見かける一般的な模様

✔ドーナツ型ロゼット
ドーナツ型ロゼットの豹柄 ロゼットのなかでもはっきりと3色コントラストになっており最も美しい模様の1つ

✔アローヘッド型ロゼット
アローヘッド型ロゼットの豹柄 鏃(やじり)のような形をしていて2色のスポットになていますが、円形に囲われてはいません。

✔ローズ型ロゼット
ドーナツ型のロゼットに似ておりますが、完全に繋がった輪にはなっていません。

✔ジャガー型ロゼット
ドーナツ型のロゼットの中にまた小さな点があるまだ珍しいロゼット。

ワイルド型ロゼット
ロゼットのなかでも大柄模様で美しく迫力のある大柄なロゼット。

マーブル
クラシック・タビーに似た渦巻状の縞模様。

向いている食事

ベンガルは大きい子だと8㎏を超えるまで成長する子がいます。

基礎代謝を下げない為にも筋肉量が多い状態を維持するためにも、高タンパク質なフードが適しています。

ベンガルにおすすめの高タンパク質フードはこちら↓

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手入れ・ケア

ベンガルはシングルコートなので他猫種よりも抜け毛は多くはありません。

シャンプーの必要性ややり方、おすすめの猫用シャンプーランキングなどは以下の記事を参考にしてください。

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耳の手入れ

汚れが少ない場合には2~3週間に1回程度、コットンとイヤーローションを使って軽く拭き取る程度にします。

汚れが溜まりやすい場合には週に1回程度が望ましいですが、耳はデリケートなので気を付けましょう。

サロン費用

サロンにもよりますが、おおよそフルコースで6000~7000円です。

飼うなら購入より里親になろう

日本でも動物愛護の精神が高まりつつあり、新しい犬を迎えるにあたり保護団体や里親サイトを利用する方も増えています。

新しい命を増やすまえに、いま愛情を必要としている成犬や成猫たちがたくさん待っています。

成犬成猫から飼うという選択肢は、これまで生きてきた環境により性格も様々ですが、保護されている期間にある程度の性格も把握されているため飼いやすいなどのメリットもあります。

12万~22万円位が価格相場のようですが、何十万というお金を出して購入するより、殺される命やお迎えを待っている子を保護しませんか。

ペットのおうち:http://www.pet-home.jp/

事情によりペットを飼えなくなってしまった飼い主や、ペットを保護している保護活動者などと、ペットを飼いたい(里親になりたい)と考えている方が交流できる場所が「ペットのおうち」です。

会員登録を行えば、すぐに里親募集情報の投稿、里親申し込み(里親応募)、コミュニティの利用が可能です。

まとめ

今回はベンガルについて、歴史や性格、特徴、大きさ、寿命などをご紹介しました。

そのほかに、一番の魅力である被毛の毛色と模様の一覧も解説しました。

ベンガルを迎え入れようと思っている方はぜひ、模様や毛色もあわせて参考にしてもらえればと思います。

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