ノルウェージャンフォレストキャット【性格・特徴・なりやすい病気・向いている食事など】

メインクーンより少し小さいけれども、存在感のある猫として知られているノルウェージャンフォレストキャット。

堂々とした態度やゴージャスな被毛は風格さえ漂いますが、その見た目とはひと味違う、好奇心旺盛で遊び好きな性格、お茶目なところもまたノルウェージャンの魅力的でもあります。

今回はそんなノルウェージャンフォレストキャットの歴史や性格、特徴などをご紹介していきます。

どんな遊び方が好きなのか、どんな運動を得意とするかなど、その他にもノルウェージャンの2つのラインの違いについても書いています。

なりやすい病気や、ノルウェージャンの手入れ方法、毛色や向いている食事、里親サイトの紹介なども合わせて参考にして頂ければと思います。

歴史

ノルウェージャンフォレストキャットの起源は諸説ありますが、その歴史は4000年前にさかのぼるとも言われています。

最も有力とされている説は、バイキングが東洋のビザンティン帝国との間に通商用の航路を持っていた11世紀頃、交易品として猫がトルコからノルウェーに連れてこられたというものです。

猫が交易品としてビサンティン帝国からノルウェーに直接入ってきたことは、この地域の猫がヨーロッパではめったに見ない、トルコに多くみられる毛色を持つことからわかります。

ノルウェージャンフォレストキャットの祖先は、長毛種のトルコの猫だったのだろうとされています。

ノルウェーで完成された長毛種の猫

北限のヨーロッパの一国である「ノルウェー」は、冬の寒さ厳しい国です。

それから数百年、ノルウェーの深い森の中で小動物を餌とし定住し、寒さの厳しい環境下で自然淘汰によって生き残ったで猫たちが選択交配しやがて順応し、長毛でやや大きめの猫がこの土地の土着猫として形になっていきました。

長毛種の猫は長年森を住処として、時代の経過とともに人々の暮らしに寄り添うようになっていきます。

長毛の大きな猫は寒さの厳しい気候に適していたこともあり、ネズミ退治のために飼う農家が増えました。

名前の由来

ノルウェージャンフォレストキャット(Norwegian Forest Cat)は、名前を直訳すると「ノルウェーの森の猫」です。

ノルウェーでは、ノルウェージャンは、人々によく知られている猫で森を意味する「スコグカッテル(Skogkatter)」と呼ばれずっと親しまれており、バイキングとともに大海原を旅し航海中の船の害獣を退治する役割を担っていたとも言われています。

北欧神話に登場するノルウェージャンの伝説

ノルウェーでは、巨大な長毛猫が登場する民話や伝説が何世紀にもわたって語り継がれてきました。

✔雷神でさえもちあげることができなかった大きな猫

✔豊穣の女神フレイヤが車を引かせるために用いた2頭の大きな猫

✔その大きさと逞しい体つきのために、犬と猫の異種交配種だと信じられていた猫

ノルウェージャンは北欧神話のモチーフと考えられ、数々の伝説に登場します。

大きくて堂々とした風貌は、荘厳でさえあります。

「ニルス・ブロメールによって描かれた女神フレイヤと牽引する二頭の猫」参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%A4

ノルウェージャンの発展

1930年代のキャットショーでは大きな注目を集めましたが、この猫種は単独の猫種としては当時みなされませんでした。

ノルウェーではこの素晴らしい野生を持った美しい猫を、国を代表する猫として守ろうと1930年代から国を挙げて保護計画が進めらます。

第二次世界大戦(1939~1945)がはじまると活動は中断されてしまい、1970年代までのあいだにノルウェージャンは、絶滅寸前にまで追い込まれてしまいました。

ノルウェージャンが猫種として本格的に開発されたのは、1970年代に入ってからです。

1975年ノルウェーのブリーダーたちによって、ノルウェージャンフォレストキャットの最初の猫種クラブが設立され本格的な育種と保存が再開されました。

1977年にはヨーロッパの猫種登録機関に品種として登録されることになります。

1979年、アメリカにノルウェージャンのペアが初めて輸入され、アメリカでも繁殖と育種が開始されました。

その勇壮な容姿は、欧米でもすぐに大人気となります。

1984年にはアメリカでもようやく正式に品種として認められ、その後世界に発信され、今では人気の猫種となりました。

凍てつく風土がつくりあげた、ノルウェージャンフォレストキャットはノルウェー公式の猫にもなっています。

性格

大人しくみられますが、本来北欧の森で暮らしていただけあって実は活発で素晴らしい身体能力を発揮します。

もともと大自然で生きてきたので木登りは大好きです。

性格が荒いとかきついというのは無く、鳴き声も控えめであまり鳴いたりしませんが、朝晩に運動をしたり押入の中や戸棚の上、人をよじ登ってどこでも探検したがる好奇心旺盛ないたずらっ子なところはあります。

上下運動できる環境を整えてあげてストレスがないようにします。

ノルウェージャンは縄張りは精力的に守るところがあるため、室内ではキャットタワーの最上部を独占することもあります。

好奇心旺盛でよく遊びますが、成熟するまで5年ほどかかるので大きくて重い身体を十分支えられる丈夫な遊具を最初の頃から選びましょう。

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2歳位まではとくに活発に遊び、従順で愛情豊かでもあります。

見知らぬ人には多少人見知りをしても、人間に対して静かな信頼を寄せています。

飼い主のことが大好きでよく遊んで、よく話しかけると、性格の良い子に育ってくれます。

暑さには弱いので夏場によるエアコンの温度と湿度には注意します。

特徴

ノルウェージャンが堂々たる風采にみせているのは、大きな体と長い後肢です。

体ががっしりとした筋肉質で、山地を力強く走り回るため後肢は長くて強靭でとてもパワーがあります。

よじ登ることや、狩りが得意で小川の近くに住む飼い主からはこの猫が漁をするという報告もありました。

大きな体と厚い被毛は極寒の地で生き抜くために自然に身につけたものです。

被毛は密度の濃いダブルコートと粗いガードヘアが寒風から体を守り水濡れを防ぎます。

耳のタフト(飾り毛)や首周りのふさふさの被毛などは、寒さに対する防衛です。

三角形の顔に鼻筋の通った美形です。

表情豊かな目は大きなアーモンド形で、知的な印象を与えています。

大きな耳は根元が広く前方にアーチ状になっていて小さな音も拾えるつくりになっています。

シルキーなセミロングコートはなめらかで最高の手触りで、もつれにくく、最小限のグルーミングでも大丈夫です。

被毛のカラーもあらゆる色で認められており、体が成長するまでに3~5年はかかります。

✔体型

■長く筋肉質でがっしり
■胸元は広くでも太すぎずバランスがいい

✔頭部

■耳から耳、耳から顎の長さが等しい正三角形
■額は後ろに傾斜

✔耳

■大きく根元は広く前傾
■先端は丸みがある
■飾り毛がある場合がある

✔眼

■大きなアーモンド形の眼が傾いてつく
■見開いていて表情豊か

✔口元

■顎はしっかりとして丸い
■口元全体が顔のラインに馴染んでいる

✔四肢

■バランスの良い長さ
■後肢が長い
■四肢先は大きく丸く
■飾り毛がつく

✔尾

■ふさふさの被毛でおおわれる
■長さはボディより長い

✔被毛

■厚いウールのような下毛と水をはじく長い上毛のダブルコート

アメリカラインとヨーロッパライン

ノルウェージャンフォレストキャットには「アメリカライン」と「ヨーロッパライン」の2系統が存在します。

これは各キャット協会が設定したスタンダード基準の違いからきています。

アメリカライン

ペットショップ等で見かけるその殆どがこのタイプです。

アメリカラインのノルウェージャンは、顔立ちが非常に可愛らしく毛吹きの良いく華奢な子も少なくありません。

ヨーロッパライン

元々はヨーロッパの自然発生猫として生息していたノルウェージャン。

頑丈な骨格ですが、野性味溢れる風貌で鋭いアーモンドの目が存在感を感じさせます。

なりやすい病気

ノルウェージャンフォレストキャットは遺伝的疾患が少なく、比較的丈夫な猫種と言われています。

よく食べるため、太りやすく脂肪を溜め込みやすい体質なので肥満による糖尿病には注意が必要です。

肥満

体内に脂肪がたまりすぎた状態です。肥満は様々な病気を引き起こす原因になります。

成猫の1歳になると基本的にそこから大きくは体重は変わりません。

1歳の頃の体重を基準に体重管理を行いましょう。

猫の場合は、家庭でも体脂肪率を測ることができます。

定期的に体脂肪率を測定して肥満の予防に役立ててください。

画像引用元:royalcanin

①胴回り(第9肋骨の周囲の長さ)を測ります
②次に脚の長さ(ひざからかかとまでの長さ)を測ります。
③胴回りの数値を(A)、脚の長さの数値を(B)として下の表に対応させると体脂肪率がわかります。
④目安として体脂肪率が30%以上だと肥満と考えるとよいでしょう。

糖尿病

猫の場合、肥満、感染症、炎症など、体がインスリンに対して抵抗性を持つ状況が長期間継続して生じることが、糖尿病発症の要因のひとつと考えられています。

膵臓には負担がかかり、その後インスリン分泌能が低下したり、もしくは高血糖に伴うグルコース中毒によって、持続する高血糖や尿糖など、糖尿病に典型的な状況に陥ると考えられています。

初期の症状としては、多飲多尿です。体重減少は、高血糖の状態がある程度継続すると徐々に目立ってきます。

高血糖の状態が続くと、ケトアシドーシスという状態に陥ることがあります。

ケトアシドーシス状態では、食欲減退や元気消失、嘔吐などがみられます。

さらに症状が続くと、ぐったりして起きられなかったり、意識がぼんやりしたりまたは、意識を失います。

血圧が低下しショック状態になるなど、命に係わるような状態になります。

インスリンホルモンを注射で1日2回補う治療が一般的です。

猫の場合、療法食などで管理し、体重の管理を行うことでインスリン補充療法から脱することができることもあります。

糖尿病になってしまった原因にもよりますが、まずはインスリンの注射を使って適切な血糖値にコントロールしていくことから始めます。(参考:http://www.pet-hospital.org/guidance-tounyou-cat.htm

肥大型心筋症

肥大型心筋症は、心臓の筋肉が内側に向かって厚くなり、心室が狭くなってしまうことで体に十分な血液を送ることが出来なくなってしまう病気です。

体に十分な血液を送ることが出来なくなるので、体はバランスをとるために心拍数を上げたり、血圧を上げたりします。

初期の段階では、目に見える症状はほぼありません。

代表的な症状

✔少しの運動で呼吸が荒くなってあまり動かない、呼吸困難が起きる
✔歩き方がおかしくなり、立てなくなる
✔歩くときなど痛がる

心臓の動きが悪くなると、血液の流れも悪くなり、血管や心臓の中で血液が固まって「血栓」となり、体のどこかの動脈に詰まって、塞栓症を起こします。

詰まる場所によって症状は様々ですが、特に多いのは、後ろ脚へ向かう動脈に血栓がつまり、急に麻痺がおこり、痛みが強く出る症状です。

大声を出して騒いだり、肉球が青かったり白かったりします。

この時、場合によっては死に至ることもあります。

また、いつもと違う場所におしっこをもらしたり、体の動かし方がおかしい場合にも注意が必要です。

毛球症

グルーミングをするときに、舐めて飲み込んだ毛は胃腸を通過し便とともに通常排出されます。

それが上手に排泄されず、塊上の毛球となって胃の中でたまり胃粘液を刺激して起こる消化器症状を毛球症と言います。

ロングヘアでありうる病気です。

胃粘膜を刺激するので、刺激による嘔吐や食欲不振などの症状が見られます。

嘔吐の時に毛玉を吐く症状もよく見られます。

毛玉を吐く頻度が、数か月に一度程度であれば、さほど心配はいりませんが、頻繁に吐くよであれば治療が必要です。

治療は、すでにたまった毛が便と共に排泄されやすくするサプリメントや毛球症用のフードを利用したりする方法があります。

毛玉除去するペーストなどもあります↓↓

胃内の毛球が胃を通過して腸に入り込み、そこで詰まって腸閉塞を起こしている場合には、外科的に詰まった毛球を取り除く手術が必要になることもあります。

大きな粒より小さな粒のフード、ドライフードよりもウエットフードの方が腸管内に停滞しにくいようです。

ブラッシングをして飲み込む毛の量をなるべく減らしたり、ストレスのたまらない環境作りでグルーミングが過剰にならないようにしてあげることも大切です。

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熱中症

毛の量が多い北国出身の猫種は、毛の中に熱がこもってしまうので暑さに弱く注意が必要です。

症状は、呼吸の回数が多くなったり、口をあけて荒々しく息をしたり、横になってぐったりしているという状態です。

体を触るといつもより明らかに体温が高かったり、口の中の粘膜が真っ赤になっていたり、歩けなくなったり、よだれが止まらなくなったりといった症状が出ていたらすぐに受診しましょう。

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体重・大きさ

一般の猫よりはやや大きめです。

メス体重3.5~5.5kg体長40㎝
オス体重4.5~7.0kg 体長40㎝

寿命

寿命は11~14歳位です。

幼猫期が3~5年あるので、成猫の期間は短い猫種といえます。

毛色

全てのカラーとパターンは認められていて豊富です。

ソリッド

・ブラック

・ブルー

・ホワイト


・レッド他、これらのバイカラーもあります。

タビー

・ブラウン


・シルバー


・ブルー
・レッド


・クリーム他、濃淡の違いもあります。

向いている食事

ノルウェージャンは、大型で体重が増加しやすい傾向があり、がっちりとした体型を維持するために高タンパクで低カロリーあキャットフードが向いています。

ノルウェージャンに向いているキャットフードはこちら↓

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被毛の手入れ

ノルウェージャンの被毛は、厚く、水をはじくオーバーコートと熱を遮断するためのウールのような厚いアンダーコートからできています。

夏になるとごっそりと毛が抜けて、短毛猫のようになる子もいます。

春~初夏にかけての抜け毛はかなりの量なので覚悟しておきましょう。

ノルウェージャンの毛は、脂っぽくなりやすいのがひとつの特徴です。

水をはじく被毛のため、皮膚被毛のトラブルで多い「スタッドテイル」になりやすい猫種です。

スタッドテイルとは

尾腺部の皮脂の分泌が過剰になり、その周囲の毛がもつれて固まり、フケがちらばります。

過剰な皮脂のせいで悪臭がし、毛は黄ばんだり黒ずんだりします。

松やにのようなその皮脂は、一般的なシャンプーでは決して落とす事は出来ません。

スタッドテイル用のシャンプー↓

スタッドテイルを放置しておくと、そこから毛玉が発生したり、アンダーコートが抜け落ちてしまいますし、放っておくと脂漏性湿疹や皮膚炎などの原因にもなります。

定期的なコーミングと室内飼いで臭いやベタベタが気になる場合には、シャンプーもしてあげると良いでしょう。

月に2回ほどシャンプーしても問題ありません。

子猫の内からシャンプーも慣らしておくと良いでしょう。

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毛玉について

ノルウェージャンは毛玉やもつれができにくいと、一般的に言われています。

個体差により、毛吹きがとてもよい子や毛質がやわらかい場合は、脇・股・襟巻きなどに毛玉が出来やすいことがあります。

お尻周りが汚れやすい場合もあり、こまめなブラッシングが大切になります。

難しい場合には、サロンにお願いして毛玉の出来やすい部分は少しカットしてもらうのもおススメです。

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ケア方法

耳掃除

汚れが少ない場合には2~3週間に1回程度、コットンとイヤーローションを使って軽く拭き取る程度にします。

汚れが溜まりやすい場合には週に1回程度が望ましいですが、耳はデリケートなので気を付けましょう。

シャンプー

シャンプーは身体を清潔にするために必要な手入れではありますが、猫は本来濡れることを嫌うのであまり頻繁にシャンプーするのはストレスになります。

あまり無理をせず、臭いや汚れが気になる場合に適度にするぐらいで問題ありません。

スタッドテイルがひどい場合には、一回のシャンプーでは皮脂汚れは取りきれません、サロンにお願いしたほうがいいでしょう。

冬場のシャンプーは風邪をひかせないように注意します。

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飼うなら購入より里親になろう

日本でも動物愛護の精神が高まりつつあり、新しい犬を迎えるにあたり保護団体や里親サイトを利用する方も増えています。

新しい命を増やすまえに、いま愛情を必要としている成犬や成猫たちがたくさん待っています。

成犬成猫から飼うという選択肢は、これまで生きてきた環境により性格も様々ですが、保護されている期間にある程度の性格も把握されているため飼いやすいなどのメリットもあります。

12万~22万円位が価格相場のようですが、何十万というお金を出して購入するより、殺される命やお迎えを待っている子を保護しませんか。

保護団体・里親サイト

ペットのおうち:http://www.pet-home.jp/

事情によりペットを飼えなくなってしまった飼い主や、ペットを保護している保護活動者などと、ペットを飼いたい(里親になりたい)と考えている方が交流できる場所が「ペットのおうち」です。

会員登録を行えば、すぐに里親募集情報の投稿、里親申し込み(里親応募)、コミュニティの利用が可能です。

まとめ

今回はノルウェージャンフォレストキャットの歴史や性格、特徴などをご紹介しました。

ノルウェージャンの遊び方や得意な運動、その他にもノルウェージャンの2つのライン、アメリカラインとヨーロッパラインの違いについても書いています。

なりやすい病気や、ノルウェージャンの手入れ方法、毛色や向いている食事、里親サイトの紹介などもご紹介しました。

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