仰向けになって、おへそを天（天井）に向けて寝る状態を「ヘソ天」といいますが、とってもリラックスして可愛い姿ですよね。
「仰向け寝」と呼ぶこともあるようです。
今回はなぜこのような寝方をするのかを、ご紹介します。
犬のヘソ天
犬がお腹を出して見せるのは、子犬のころに母親が毛づくろいのために舐めていた名残といわれています。
お腹は犬にとって急所ともいえる場所で、少しでも危険だと感じれば決して相手に見せない箇所です。
そんな場所を見せるヘソ天をする理由はなんでしょうか。
ヘソ天の理由
リラックス
犬がくつろいで最もリラックスしている体勢ともいえます。
相手を信頼しきって安心している状態なので、そのまま熟睡する子もいます。
飼い主さんだけではなく、人間が大好きなワンちゃんは人前でヘソ天することもありますし、大好きなワンちゃん友達の前でヘソ天する子もいるようです。
甘えている
犬が甘えたいと思ったときにもヘソ天をすることがあります。
ヘソ天は子犬の時期に母犬に舐められていた名残と紹介しましたが、撫でてほしいな、構ってほしいな、と親犬にするように飼い主さんに甘えているんですね。
また、ヘソ天をすると飼い主さんが優しく撫でてくれた経験からお腹を見せる場合もあります。
他にも遊んでほしくて、ヘソ天する子もいます。その場合はジッとせずに、仰向けになって背中を擦りつけてるような、右左に動かすようなことをします。
どちらにしても、愛犬が飼い主さんの目の前でヘソ天をするのはコミュニケーションをとりたいという思いからなので、無視せずに飼い主さんからもたっぷりと愛情を伝えるように優しく撫でてあげましょう。
降参＆服従
耳が倒れて、尻尾を巻き込んでいるような状態でのヘソ天は降参や服従のサインを示しています。視線をはずして目が合わないことも多いです。
急所のお腹を無防備に見せることで、「降参しました」「敵意がありません」とアピールしているのです。
イタズラが見つかったときや、飼い主さんが怒った後などによく見せます。反省している証なので、それ以上怒らない方がいいと考えられています。
怒った飼い主さんに恐怖を感じて、お腹を見せていることもあります。ヘソ天の後も怒ると、愛犬が心のダメージを負ってしまう可能性も。
体温調整
暑いと感じた時に、ヘソ天をして体温を下げようとすることがあります。
被毛で覆われた犬ですが、お腹は皮膚も毛が薄く熱がこもりにくい場所です。仰向けなって、熱を放出しようとしているのです。
愛犬が舌を出したり、ハアハアとするような呼吸をしていると、熱中症の危険です。涼しい場所に移動させ、水を飲ませて様子をみましょう。
あまり状態が変わらない場合には診てもらいましょう。
お腹の撫で方
犬の急所でもあるお腹。
皮膚が薄くやわらかいのでとてもデリケートです。
撫でてほしいとヘソ天してきた場合には、やさしく撫でてあげましょう。子どもが撫でる場合にも力加減を十分に注意しましょう。
また、中にはヘソ天するとおもらしする子もいます。
仰向けの体勢は、体の力が抜けやすく、お腹の圧迫や興奮などから、オシッコが出てしまいやすい状態です。本能なので、トイレの失敗とは違うため、叱らないようにしましょう。
愛犬の気持ちを理解してコミュニケーションを
今回は犬のヘソ天についてご紹介しました。
リラックスや信頼と聞くと、飼い主さんは嬉しくなってしまいますが、全部のワンちゃんがやるわけではありません。
うちの子はヘソ天しないから信頼されてないのかな…愛情不足かな…ということは決してないので安心してください。
また、ヘソ天している時には愛犬の体をチェックできる機会でもあります。お腹は、皮膚炎やがんなどの症状が表れやすい場所でもあるといいます。お腹の膨らみや皮膚の状態も見てあげましょう。
ただ、寝ている場合は、邪魔せずにそのまま静かに寝かせてあげたいですね。
