人気のスコティッシュフォールド【飼い方・性格・歴史・特徴】

「あれ?耳がない?」と一見思ってしまうスコティッシュフォールドは、前方にペタリと折れた小さな耳が最大の特徴です。

まん丸いお顔に、まん丸な目、コロンとまるみを帯びた体。

その容姿に合わせたかのような、穏やかで優しい性格に魅了されるのも納得です。

今回はそんなスコティッシュフォールドの歴史や性格、特徴をご紹介しています。

CMにも起用されているスコティッシュフォールドですが、立ち耳タイプのスコティッシュの話にも触れています。

短毛や長毛のタイプや、毛色のパターンなども具体的に説明していきます。

「なぜ耳が折れているのか」「長毛もいるのか」「スコ座りってなに?」などのほかに、かかりやすい病気や手入れのしかたもご紹介しているので是非参考にしてもらえればと思います。

歴史

スコティッシュフォールドの名前の由来は、Scottish Fold(Scottish/スコットランド  Fold/折りたたむ)「スコットランドの折りたたまれたもの」という意味で、現在の折れ耳の猫「スコティッシュフォールド」の名前にそのまま由来しています。

最初に発見された折れ耳の猫は、1960年代にスコットランドのテイサイド州にある農場で産まれた「スージー」という名前の全身がホワイトでロングヘアの折れ耳の猫でした。

スージーの折れた耳は、いくら時がたっても治らず、1963年になると子供を複数産むようになりました。

当初はスージーも、スージーから産まれた折れ耳の子猫たちも、地元で興味を引くだけでした。

折れ耳を作出しようとする動きの始まり

地元の羊飼いウィリアム&メアリー・ロスは、スージーの産んだ子猫のうちの折れ耳の子猫を1匹を引き取り、スヌークスと名付け他の猫種と交配させました。

ブリティッシュ・ショートヘアと交配したメス猫は、今度はホワイトのオス猫を生み、「スノーボール」と名付けられたこの折れ耳の猫は、地元のショーに出陳され少しづつ注目を集めるようになりました。

1966年には、GCCF(イギリスの猫血統登録団体)に登録し、スノーボールを土台として「スコティッシュフォールド」を正式な猫種として確立させようとしました。

当初GCCFは、スコティッシュフォールドの品種確立に協力的でしたが、後に骨格の異常が続発したことから、1971年には一度この猫種の登録と繁殖を中止する決定を下しました。

遺伝子学者が注目しアメリカへ

やがて遺伝子学者がスコティッシュフォールドに注目し始めました。

イギリスでの繁殖することが、できなくなったロス夫妻は、1971年に何匹かのスコティッシュフォールドをマサチューセッツ州ニュートンヴィルの遺伝子学者ニール・トッドの元に送りました。

子孫の何匹かがアメリカに送られ、イギリスでのスコティッシュフォールドの繁殖はアメリカに代わり品種確立のために様々な研究と繁殖が行われました。

1970年代後半までに、交配の際にブリティッシュショートヘアもしくはアメリカンショートヘア、エキゾチックショートヘアなどとの交配を行うことで、スコティッシュフォールドの個性を維持しつつ、遺伝疾患の影響を小さくできると結論付けました。

スコティッシュフォールドの確立

1977年スコティッシュフォールドはようやく、CFA(世界最大の愛猫協会)に品種猫として認められるようになりました。

CFAは猫の品種改良により遺伝的な欠陥を排除した各種血統猫の健康促進を最大の目的としている世界最大の愛猫協会として活動する団体のため、ここでの成果は大変大きなものでした。

スコティッシュフォールドの現在

初代のメスの猫が、長毛の遺伝子を持っていたため、後の世代にもロングヘアのスコティッシュフォールドは発見されますがその発生確率はとても低いとされていて、今でもロングヘアのスコティッシュフォールドは、希少な種類となっています。

スコティッシュフォールドの繁殖において、折れ耳を発現させる遺伝子には骨格上の問題が起こることがあるので、繁殖には注意が必要とされています。

スコティッシュフォールドの健康上の問題については、今もなお注意深く考察されていて、度々そのことが議論になることもあります。

性格

スコティッシュホールドは、猫特有のツンツンした感じがなく、忠実な性質で知られ、ペットで飼う場合にはどのような家庭環境にも順応しやすく静かで愛情深い猫です。

穏やかで温和、のんびりとしていて犬やほかのペットとも仲良くなれるほか、人にもすぐに懐いてくれます。

初めて猫を飼う人やお子さんのいる家庭にもすんなり溶け込んで家族の一員にすぐになれます。

家に遊びに来た人に対しても警戒心がなく、わりとすぐに喉を鳴らしてすり寄っていく可愛らしい性格です。

鳴き声があまり大きくなく優しい鳴き方をするので、マンション暮らしにも最適です。

運動を好まない

運動自体あまり好むタイプではないので室内飼いしやすい猫です。

軟骨が変形しやすい病気を持っているので、過激な運動はさせないほうがよいでしょう。

決して全く運動しないわけではなく、遊ぶのは大好きなのでおもちゃなどを使って一緒に遊んであげると喜びます。

運動量が少ない分、食が細いので食事を残してもそんなに心配はいりません。

特徴

スコティッシュフォールドのスタンダードは、ボディの状態に最も重点をおいています。

次に耳→尾です。

短い尾やこわばりは、骨の異常を示しています。

フォールドのスタンダードではすべての面で健康で均等のとれた柔軟な猫が要求されています。

ボディー
中くらいのがっしりした背骨の線が柔軟なボディです。

頭部
短く広がった鼻を持つ丸い顔


先端の丸い折れ曲がった耳

「帽子をかぶせた」ように頭にべったりはりついており、小さくきちんと折りたたまれた耳が理想です。


大きくて丸い


ある程度の長さが必要


先細の長い尾が好まれる

スコティッシュフォールドは意外と触ってみると、がっしりした体格をしています。

長毛と短毛の二種類があります。

折れ耳の猫と立ち耳のスコティッシュがいます。

折れ耳にならなかった立ち耳タイプのスコティッシュは、一般の猫より小さい、三角形の耳を持ちます。

スコティッシュフォールドの独特の耳

フォールドの独特の耳は生まれつきのものですが、どれぐらい折れ曲がるかは、成長するまではっきりしていません。

この遺伝子の同型接合性に付随する骨格障害は子猫の時には現れずに、成長とともに異常が現れます。

成長するに従って耳が立つ子もいます。

折れ耳の発生確率

スコティッシュフォールドは突然変異種であり、折れ耳の発生確率は3割程度と言われています。

立ち耳のスコティッシュフォールド

スコティッシュフォールドの立ち耳タイプで、ストレートスコティッシュと言われています。

性格もスコティッシュフォールドと同じく穏やかで優しいです。

遺伝上の理由から折れ耳タイプを作出する交配に、なくてはならない存在です。

折れ耳のスコティッシュフォールドとは別の猫種として扱い、スコティッシュストレートという名前で公認している団体もあります。(TICA)

某モバイルCMに出演している「ふて猫」「ふてにゃん」は、春馬くんというお名前のスコティッシュフォールドの立ち耳タイプです。

スコティッシュ・フォールド(ロングヘア)

スコティッシュフォールドの多彩な被毛の色は猫種開発のために選ばれた、雑種を含む多くの猫との異種交配によるものです。

厚い被毛の長さは様々で、厚いラフ(襟毛)とふさふさな大きな尾がさらに魅力を加えるのが、ロングヘアのスコティッシュフォールドです。

スコの毛は、柔らかで厚みがあり、ビロードのような触り心地が特徴です。

長毛にいたっては、その分全体がふんわりとゴージャスな印象になります。

しっぽと首回りの毛はとくに長くなり、耳の曲がり具合によっては、耳が輪郭に溶け込んでしまい、まん丸の顔に見えます。

発生確率が低いので、そう多くみかけることはありません。

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