飼い主さんが愛犬にたっぷりの愛情をそそいでいると思っていても、実は伝わっていない…犬が愛情だと感じていない…など人間と犬が思う愛情に違いがあるかもしれません。
また、昔に比べて核家族が増え、愛犬が構ってもらえる時間や飼い主さんといる時間は減っていますよね。
一緒にいる時間でも、スマホなどを見ている飼い主さんを愛犬は構ってほしいと思いながら見つめているかもしれません。
今回は、犬が愛情不足だと感じることや愛情不足になると起こしやすい行動などをご紹介します。
愛情不足が原因かもしれない行動
愛情不足が原因で起きやすい行動や仕草をご紹介します。犬からのサインかもしれません。
トイレを失敗する
今までできていたトイレを突然何度も失敗する場合は、愛情不足が原因の可能性があります。
トイレを失敗したことがある犬は、飼い主さんが騒いだり注意されたという経験も覚えています。
飼い主さんの気を引きたい、構ってほしいという思いから、わざとトイレを失敗することがあるのです。
愛情不足が解消されると、トイレの失敗もなくなることは少なくないようです。
仮病をつかう
犬が仮病をつかうという表現が適切かは分かりませんが、足を引きずった時に飼い主さんがずっと抱っこしてくれていた、元気がないときに優しくしてくれたという経験から、痛みなどがなくてもそのような行動をすることがあります。
構ってほしい、気にしてほしい、優しくしてほしいという思いからの行動です。
その場合は、飼い主さんが見ている時にだけケガや病気のような様子をするので、見てない時に普段通りに戻るのが特徴です。
見ていない時にも様子がおかしい場合は、本当に痛みや違和感を感じているのでしょう。
また、犬は今までの経験からそのような動作や仕草をするため、今までしたことのないような仕草を初めてしている場合も、ケガや病気の可能性が高いので早めに受診しましょう。
イタズラをする
スリッパや飼い主さんの物を咥えて走り出したり、かじったり、飼い主さんの目の前でイタズラをするのは「遊んでほしい」「構ってほしい」という気持ちの表れです。
また、留守番中に家具などをかじったり壊したりするような行為も何らかのストレスからの行動で、愛情不足の可能性もあります。
追いかけたり、叱られると構ってもらえたと喜ぶのです。
体の一部を舐める、尻尾を追いかける
ストレスや不安を感じると、犬は自分の手足を舐めたり、自分のしっぽを追いかけたりする行動をします。
そのストレスの原因が、運動不足、スキンシップ不足などの愛情不足が考えられます。
舐めすぎてしまうと、脱毛して傷になり、傷から細菌が入って皮膚炎をおこすことも。
無駄吠え
寂しい、遊んで、構ってほしいと直接的に訴えかけてくる「無駄吠え」も愛情不足のサインのひとつです。
犬からしてみれば無駄に吠えているわけではなく必死に要求しているのですが、飼い主さんからしてみるとやたら吠えてるなと感じることがあるかもしれません。
特に、今まで無駄吠えをしなかった犬が突然やりだすような時には可能性が高いでしょう。
留守番時など飼い主さんが出かけたり、見えなくなった時に吠え続ける場合も同様です。
愛情不足が続くと…
愛情不足は犬にとって大きなストレスです。
そのようなストレスを愛犬が受け続けると、元気がない、食欲不振、下痢や嘔吐など体にも異変が出てきます。
早めにサインに気づき、愛犬が愛情に満たされていると感じるように改善していくことが大切です。
犬が愛情不足と感じること
飼い主さんが考える愛情と犬が感じる愛情に差があるかもしれません。
たくさんの可愛い洋服、好きなごはんにオヤツをあげているのに愛情不足?と考える飼い主さんもいるかもしれません。
犬にとって愛情不足だと感じる主な原因をご紹介します。
基本的な欲求が満たされていない
十分なごはんをもらえているか、新鮮で綺麗なお水が常に飲めているか、快適な温度湿度で過ごせているか、静かに眠れる環境が整っているか…など普段の生活しているの中での基本的な欲求が満たされていない場合。
十分な運動や散歩ができない
健康な犬にとって、外の空気を吸いながら歩く散歩は必要不可欠です。散歩の頻度や時間が減った場合にも愛情不足だと感じます。
また飼い主さんと一緒に遊んだりすることも体を動かす大切な時間です。
コミュニケーション不足
同じ空間で過ごしていたとしても、見てくれない、話しかけてくれない、触れてくれない、というのはコミュニケーション不足です。
愛犬は寂しさを感じ、飼い主さんからの愛情を感じません。
留守番が多い
飼い主さんがいない時間が長いほど、犬は寂しく不安になります。
一匹の時間でゆっくり過ごす時間も大切ですが、長い留守番や留守番の頻度が多いとストレスになります。
愛情の伝え方
上記の「犬が愛情不足と感じること」を避けたうえで、愛犬に愛情を伝える方法です。
スキンシップをとる
毎日欠かさずにスキンシップをとりましょう。愛犬が撫でられて喜ぶ場所を中心に、全身撫でながら身体に異変がないかもチェックしたいですね。
優しい声で話しかける
飼い主さんの言った言葉を愛犬はよく聞いています。
「おはよう」「ごはんだよ」「いってきます」などの挨拶、「今日も可愛いね」「おしっこ上手にできたね」など優しい声でよく褒めてあげることで、愛犬は安心しますし、喜びます。
愛犬との時間をつくる
毎日しっかりと愛犬との時間が作れるに越したことはありませんが、忙しい時もあるでしょう。
しかし、愛犬には飼い主さんが忙しくて時間がないということが理解できません。急に冷たくなった、構ってもらえなくなったと感じてしまいます。
少しの時間でもいいので、愛犬と向き合う時間をつくることは重要です。
愛犬に「愛情に満たされている」と感じてもらおう
愛犬に寂しい思いをさせないように、飼い主さんが愛情不足のサインを知っておくことは必要ですね。
今回紹介したのは一般的なサインです。愛情不足ではなく、病気や他の原因も考えられるのでいつもと違う様子であれば診てもらうと安心です。
また、実は飼い主さんは愛情だと思っていたことが、愛犬たにとっては迷惑や負担に感じることも。過剰な愛情や甘やかしは、飼い主さんがいないと強い不安を感じる「分離不安症」の原因にもなります。
日ごろの愛犬の様子をよく観察して、不安や恐怖や寂しさを感じていないか、今は構わずにゆっくり過ごしたい時間かなど見極める目を飼い主さんが持っていたいですね。
愛犬が最期まで飼い主さんからの愛情を感じて幸せな犬生を過ごしてほしいです。