猫は全身を使って、様々な気持ちをアピールします。
これはいわばボディランゲージ。
ときには飛び跳ねまわったり、体をくねらせたりと不思議な行動も見せますが、実はしっかりと意味があります。
そのときの心理を理解し、適切な対応をしてあげれば、猫との距離が縮まることは言うまでもありません。

歩いているときに飛びかかってくる

人間は歩いている人の足元が気になることはありません。
しかし猫の目線だと、動いてる人の足はまるで獲物のよう。
目にすると狩猟本能を刺激され、つい飛びついてしまうのです。
せかせかと動き回る飼い主の足に、狩猟本能が刺激されて、ついまとわりついたり、飛びついたりしてしまっただけのことです。
基本的に人間は猫の獲物としては大きいので狩りの対象になりませんが、足や手など一部分の動きが獲物のように見えてしまうことはあります。
イスに座って足をブラブラさせている猫がじゃれついてくることがありますが、これもその一例。
飼い主の指を舐める

猫は縄張りにあるもに、自分のニオイを付ける習性があります。
人の手を舐めるのは、こうしたマーキングの意味合いが強く、指を舐めて自分のニオイをつけ、安心したいのでしょう。
首をかしげる

人間は疑問を感じたときなどに小首をかしげますが、猫のそれは何かが気になっているサイン。
対象の情報をより多く集めらようと、首をかしげて見る角度を変えているのだと考えられます。
何もないのに壁や床に飛びかかる

何もない床や壁に飛びかかる猫、これは一見不可解な行動ですが、これは狩猟のイメージトレーニングのようなもの。
そこに獲物がいることを想像し、狩りをしているつもりなのです。
体をくねくね

猫が急所であるおなかを見せるのは、相手を信頼し、リラックスしている証拠。
ただし、発情期のメス猫は、オス猫を誘惑するために体をくねくねよじらせます。
指のニオイを嗅ぐ

仲の良い猫同士は、鼻と鼻を近づけてお互いのニオイを嗅ぎます。
これは猫流のあいさつです。
人間の指は大きさが猫の鼻に似ていることもあり、ついニオイを嗅いでしまうようです。
トイレや風呂の扉の前で待っている

トイレやお風呂場などは、入る機械が少ないため、中を確認したいのでしょう。
飼い主が中にいる場合は、なぜ出てこないのか気になったり寂しさを感じたりしています。
排出後に走り回る

トイレに行く前や排出後に部屋の中を猛ダッシュ。。。そんな猫に行動を不思議に思ったことはありませんか?
これは野生のときの本能で、敵に巣の場所を悟られないように、巣から離れた物陰で排出します。
その道のりもどんな危険が待っているかわからないため、猛ダッシュで排出場所へ言って用を足し、また猛ダッシュで巣に返ってくるのです。
敵など存在しない安全な家の中にいても、ついそのころの習性が出てしまうというわけです。
特に警戒心が強い、怖がりの猫にこの行動が見られるようです。
おもちゃを咥えてくる

猫は遊ぶことが大好き。
ひとりあそびも出来ますが、ときには飼い主と遊びたい気分のなることも。
おもちゃを咥えて、目の前で落とすのは、遊びに誘っているサインです。
体の一部をこすりつける

猫が何かに自分の体をこすりつけるのは、縄張りをアピールするため。
飼い主に行う場合は、縄張りの主張というよりも、自分のニオイを付けて安心したい、あるいは甘えたいからです。
猫の体にはニオイ物質を分泌する臭腺がいくつかあり、スリスリの際には、主に頭部としっぽにある臭腺が使われています。
飼い主が帰宅したときにスリスリすることが多いのは、飼い主の体から「外」のニオイがするからです。
猫は嗅覚が鋭いため、いつもと違うニオイがすると落ち着かないのです。
来客に対してスリスリするのも同じ理由です。
お尻を左右に振る

猫は獲物を見つけると忍び寄り、身を伏せます。
本当はすぐに飛びかかりたいのですが、タイミングを間違えると狩りに失敗します。
揺れ動くお尻には、そんな心の葛藤が表れています。
狭い場所に入り込む

周囲が騒がしかったり、見知らぬ人がやってきたりして不安を感じると、猫は狭い場所に身を隠します。
落ち着こうとしているので、そっとしておいてあげるのがベスト。
パソコンの上に乗る

猫は飼い主の邪魔をしたくて、パソコンや新聞の上に乗るわけではありません。
ひとつのことに集中している飼い主のことが気になり、自分の存在をアピールしようとしているのです。
獲った獲物を持ち帰ってくるのはどうして?

外出を自由にさせている飼い猫の場合、ネズミ・鳥・虫などの獲物を外から持ち帰ってくることもしばしば。
この行動はメスに多く見られるようで、実際には存在しない子猫のために獲物を持ち帰る母性本能の表れとも言われています。
また、母猫になった気分で飼い主に狩りの方法を教えようとしているとの説も。
猫にしてみれば、飼い主は狩りのできない子猫のような存在だというわけです。
ただ、この説は議論の別れるところで、単に安全な場所に獲物を運んできただけという見方もあります。
なかには、わざわざ飼い主の目の前に「おみやげ」を持ってくる猫がいますが、これは獲物を見せびらかすため、あるいは飼い主の興味を引くためかもしれません。
まとめ
猫とのコミュニケーションの中でも最も大事といえるのがスキンシップ。
猫にとって飼い主は母親のような存在です。
猫の心理を知って、何をしてほしいのか理解しやってあげると、驚くほど信頼関係が築くことができます。
また撫でたり抱いたりしたときに、見るだけでは発見しにくい猫の体の異常に気づくこともあります。
スキンシップによる恩恵を受けるのは、猫だけではありません。
飼い主も自分のそばで気持ちよさそうにしている愛猫の姿を見て、自然と心が癒やされるはず。
ぜひ一日に何回かは、猫とふれ合いましょう。