愛犬、愛猫の食器を洗う時にぬめりが気になることありませんか。
頻繁に洗っているのに、雑菌が繁殖してしまったのかな…、洗ってもヌルヌルした感じが残ってなかなか落ちない…と感じたことがあるのは私だけではないと思います。
実はこのヌルヌルしたぬめりは、犬猫などの動物特有のものなのです。
しかも、食器用洗剤では落としにくいという厄介なぬめり。
今回はこのぬめりの正体、簡単にぬめりを落とす方法などをご紹介します。
食器のぬめりの正体
食器のヌルヌルしたぬめりの正体は「バイオフィルム」という細胞膜です。
人間の唾液は弱酸性ですが、犬猫の唾液はアルカリ性です。
アルカリ性の唾液は虫歯になりにくいですが、歯石がたまりやすく細菌が繁殖しやすいのが特徴です。そのため犬猫の虫歯は少なく、代わりに歯石が付着しやすく歯周病を引き起こしやすいのです。
犬猫のアルカリ性唾液は、人間の弱酸性唾液に比べて細菌が繁殖しやすいので、口内で繁殖した細菌が直接口をつけてごはんを食べることによって食器に付着し、細菌同士が結合された「バイオフィルム」という膜を発生させます。
この膜が、ぬめりの原因です。
バイオフィルムが原因のぬめりは、犬猫の唾液だけではなくシンクや排水溝、花瓶の中などのぬるぬる汚れも同じだと考えられています。
ぬめりは食器用洗剤では落としにくい
人間用の食器用洗剤(中性洗剤)は、犬や猫のアルカリ性の唾液を落とすのは難しいのです。
そのため、洗剤でしっかり洗ってもぬめりが残っている感じがします。
人間用食器洗剤を使うことは問題ありませんが、洗い残しなどの洗剤でも中毒症状を起こすのでしっかりと洗い流すことが重要です。
では、ヌルヌルするバイオフィルムはどうしたら落とせるのでしょうか。
ぬめりを落とす方法
ぬめりの原因であるバイオフィルムを落とす方法をいくつかご紹介します。
ペット用食器洗剤
ペット専用の食器洗剤では、アルカリ性のぬめりを落としやすくするためにクエン酸やリンゴ酸などが入っているものが多いです。またペットの体に悪い成分を避け、オーガニックなものを使用している製品も多く販売されています。
中性の人間用の食器洗剤よりは落としやすく、洗い残しがあったとしても安心ですね。
専用スポンジ
ペット食器の専用スポンジは特殊な繊維を使用しているため、洗剤を使用せずこすって水洗いだけでぬめりが落としやすくなります。
専用スポンジ以外にも、メラミンスポンジやアクリルたわしも効果的です。
しかし、食器がプラスチックやステンレスなどに傷がつくこともあります。その傷から細菌が入り込んでバイオフィルムが発生する原因になることもあります。
クエン酸、酢
犬猫のアルカリ性の唾液には、酸性であるクエン酸や酢で中和してぬめりを落とすことができます。
わざわざ準備しなくてもご家庭にある酢であれば手軽に試すことが出来ますね。酢の2倍の量の水で薄めたものでこすり洗いするとぬるぬるが落ちます。酢の匂いが気になる場合は、ホワイトビネガーだと気にならないかもしれません。
酢よりもクエン酸の方が匂いが気にならないのでオススメです。掃除用ではなく、食用のクエン酸を使用すると安心です。
クエン酸を42℃前後のお湯で溶かしてこすり洗いする方法や、水で薄めたクエン酸をスプレーボトルに入れて食器に吹きかけてしばらくしてから洗い流す方法などがあります。
熱湯、食器洗浄機
菌は熱に弱いため、高温で洗浄する食器洗浄機も効果的です。(食器洗浄機対応以外の食器は使用しないでください。)
熱湯もいいですね。食器に熱湯をかけたり、しばらくつけ置きしておくとぬるぬるが落ちやすくなります。洗剤よりも安心して殺菌、消毒できますね。
食器によっては熱湯で変形しますので気をつけて下さい。
乾いた布で拭いてから洗う
キッチンペーパーや乾いた布で拭くことでバイオフィルムが破壊されますので、洗う前に拭くだけでも簡単に落とすことができます。
拭いた後に普段使用しているスポンジなどで洗うと、ぬるぬるが比較的簡単に除去できます。
愛犬愛猫には清潔な食器で
今回は、ペットの食器のぬめりについてご紹介しました。
ペット特有のアルカリ性の唾液によって、菌と菌が結びついた「バイオフィルム」が原因でしたね。
意外と簡単に落とせる方法をご紹介したので、なかなか頑固なぬるぬる汚れだな…と思っていた飼い主さんには是非試していただきたいです。
食後にそのまま食器を放置せず、できるだけ早めに洗うのも効果的です。
また、アルカリ性の唾液は細菌が繁殖しやすく、人間にとって害になる菌もあるので食器を洗うスポンジはペット用と人間用は必ず別にしてください。
一日何度も直接口をつける食器やウォーターボールは、常に清潔で使ってもらいたいですよね。
※今回ご紹介したぬめりを落とすやり方は、食器によって使用できない方法もあるので、確認して下さい。