胴長短足の体型が愛らしいウェルシュコーギー。長い舌を出してお散歩している姿は可愛いですよね。人懐っこく賢いですが、しっかりしつけをしないといけない犬でもあります。
特徴や性格、気をつけたい病気やしつけなど、これを機にコーギーについてよく知ってもらえると嬉しいです。
歴史
原産地はイギリスのウェールズ地方で、古くから牛や羊を追う牧畜犬でした。とても運動能力が高く、飼い主に忠実で賢い犬です。
体は筋肉質でがっしりしています。足が短く背が低いのは、誘導する牛に蹴られることなく足の間をスムーズにくぐり抜けられるように改良されたからです。あの短い尻尾も、牛に踏まれて逃げることができず命を落とすことがないようにと、生後すぐに断尾されます。
コーギーは、「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の2種類に分けられます。1930年代に別の犬種として血統登録されました。
日本で飼われているコーギーはほぼ「ペンブローク」です。「カーディガン」は、ペンブロークと比べて耳が大きく胴が長めで、後ろへ向かって流れる形の尾です。毛色の種類が多いのも特徴です。
原産地のイギリスではエリザベス女王の愛犬としても人気が高い犬種です。
性格、特徴
ても社交的で人懐こく賢いので飼いやすい犬です。元は牧畜犬だったこともあり、興奮しやすく本能的に噛みつく癖がありますが、しっかりとしつけをすれば、小さい子供や来客にもすぐに慣れてくれます。
愛情深いので飼い主や家族に忠実ですし、他のペットとも仲良くしやすい犬種です。
コーギーの吠える声は太く大きいので、マンションなどの集合住宅で飼う場合は防音対策が必要となります。本来、吠えて仕事をしていた犬なので、全く吠えないようにしつけることは難しいですが無駄吠えをなくすことは可能です。飼う際にはトラブルにならないように、周りの環境など十分に考えましょう。
運動量は非常に多く、大型犬並みの体力があるともいわれています。遊ぶことが大好きで、毎日しっかりした散歩が必要です。
被毛はダブルコートになっていて上毛は硬くて長く、下毛は少し短めなのも特徴です。換毛期は特に抜け毛が多くなるので、毎日のブラッシングは欠かせません。
体重、大きさ、寿命
ウェルシュコーギーの平均的な寿命は12歳から14歳。
体重はメスよりもオスの方が重い傾向にあります。オスが10~12kg、メスが9~11kg。
足が短く、体高は20~30cm。
飼育方法
しっかりした運動
体力もあり、遊ぶこと走ることが大好きなコーギーに運動は欠かせません。散歩は毎日2回、30分~1時間は必要です。歩くだけの散歩では満足しないことも多いので、公園やドッグランなどで走らせてあげたり、ボール遊びなど、たっぷり運動してリフレッシュさせてあげましょう。
ウェルシュコーギーは特にアジリティという障害物競走やボール遊び、フリスビーなどが得意です。
運動不足になると肥満はもちろん、ストレスが溜まり攻撃的になったり大きな声で吠えるようにと異常行動をとるようになります。
手入れ、ケア
ブラッシング
ウェルシュコーギーの毛はダブルコートで、毛の生え変わりが早く、抜け毛が多いです。春と秋の換毛期は特に抜け毛の量も増え、掃除機をかけてもすぐに毛だらけになってしまうことも。なるべくスムーズに換毛期を乗り越えるためにも毎日のブラッシングは欠かせません。
ブラッシングには獣毛ブラシがオススメです。毛が密集しているお尻やお腹などはピンブラシを使うといいですね。
爪切り
運動大好きなウェルシュコーギーは爪切りも大切です。伸びた爪は、引っ掻けたり割れたりして怪我の原因です。運動量が多いので、歩いている時に少しずつ爪は削られてはいますが、しっかりとした爪切りは定期的にしてあげてください。嫌がる場合は獣医さんやトリマーさんにお願いしましょう。
涙やけ
コーギーの毛色から涙やけが目立ちません。そのため日常的に飼い主さんがよく目の周りを見てあげて、濡れている場合は優しくコットンなどで拭き取ってあげましょう。
お手入れしていても、涙量が多かったり涙やけを頻繁に起こす場合は、早めに獣医師さんに診てもらいましょう。
しつけ
特にコーギーという犬と一緒に過ごすにあたって大事なのがしつけです。頭が良く賢いので、従わなければならない相手なのか、自分よりも立場が下の相手なのかを見分けて態度を変えることもあります。
しつけは家族全員で、指示を出す言葉を決めたり一貫した姿勢を保って行いましょう。小さい時期からきちんとしつけていけば、従順でとても愛情深く飼いやすい犬です。
噛み癖
元々は牧畜犬だった犬種ということもあり、噛み癖は早いうちに直さなければなりません。遊ぶことが大好きな性格もあり、遊びの延長で興奮して噛んでしまったり、遊んでほしくて噛んでしまうことが多いようです。
根気強く、人間や家具など噛んではいけないものをしっかり教え、代わりに噛んでもいいオモチャを用意してあげるといいですね。運動不足でストレスが溜まり噛むこともあるので、毎日の運動は欠かさないで下さい。
無駄吠え
牛や羊を吠えながら追う仕事をしていたコーギーです。元々吠える習性を持っている犬ですが、気長にブレずに教えていくことで無駄吠えはなくなります。
大声で注意すると、飼い主も一緒に吠えていると思うので注意する場合は静かに一言で。家族全員で「ダメ」「静かに」「やめ」など指示語を決めてみんなで同じ言葉で注意しましょう。
要求吠えは完全無視です。吠えても何も反応してくれないことで吠えても無駄だということを覚えます。吠えなかったら褒めることも忘れずに。
呼び戻し
好奇心旺盛で遊び好きのコーギーは追いかけることも好きです。そのため、呼んだら戻ってくるしつけもしておきましょう。
呼ばれて飼い主の元に戻ったら良い事があるという繰り返しの習慣学習で覚えます。オヤツなどを上手に使って、教えましょう。
かかりやすい病気
頚椎椎間板ヘルニア
コーギーのような胴長短足の犬種はヘルニアを患いやすいです。足腰だけではなく首に起こることもあります。痛みが出ると動きが鈍くなり、遊ばなくなったり運動したくなさそうな場合は獣医さんに診てもらいましょう。
ヘルニアにならないように負担にならないような生活を日常的に気をつけたいですね。肥満は特に負担がかかりやすいので体重管理は大切です。室内では床が滑らないようにカーペットを敷いたり、高いところからジャンプしないような工夫もしましょう。
ヘルニアが重症化すると運動、排便、排尿まで自力ですることができなくなってしまいます。
尿管結石
犬種全体で泌尿器疾患の罹患率が6.0%なところ、コーギーは9.7%と高めです。特に気をつけたいのが尿管結石。腎臓から尿道の間に結石ができる病気です。血尿が出たり排尿時に痛みを伴うこともあり、治っても再発しやすいです。
また、腎臓に石ができる腎結石という病気は痛みがないので気付かないうちに悪化し、腎不全に陥る場合もあります。
毎日のおしっこの状態をチェックして、回数や量が少なかったり色が濃い場合は受診しましょう。重症化すると命にかかわる状態になります。
皮膚疾患
ダブルコートで毛並みが厚いせいもあり、コーギーは皮膚の病気も比較的多い犬種です。原因はノミやダニ、アトピー性、アレルギー性などがあります。
厚い毛並みは蒸れやすいので、普段のブラッシングで風通ししてあげると同時に皮膚をチェックしてあげましょう。体を痒がっていたり、特定の部位をよく舐めていれば要注意です。
コーギーと楽しく過ごすために
とても頭が良くて社交的で遊ぶのが大好きなコーギー。賢い分、飼い主さんのしつけ次第で、忠犬になるか、ずる賢くてわがままな犬になるかが決まりそうですね。しつけは、気長に一貫した態度で行い、上手に出来たらたくさん褒めてあげましょう。
体は大きくないですが、運動量がとても多い犬。可愛いだけで飼ってしまい、毎日そんなにお散歩できないという状況にならないように、コーギーの特性をよく知ってから迎え入れてあげてほしいです。
特にコーギーが人気が高かった時期もあり、里親募集などもしています。ペットショップやブリーダーさん以外からも迎えられる選択肢の一つとして考えてみてくださいね。