猫の食中毒【原因・症状・予防など】

高温多湿の季節は、人間と同じく猫ちゃんたちも食中毒になりやすい時期です。

熱中症のことに注意して対策している飼い主さんが多い中、意外と食中毒への対策がされていないことが多いようです。

体の小さな猫が食中毒になると重症化して、最悪の場合は命を落としてしまうことも。

そのようなことにならないために、今回は猫の食中毒についてご紹介します。

 

猫の食中毒

猫の食中毒にはいくつか種類があります。

細菌性食中毒

「感染型」食品に付着して増殖した細菌やウィルス、寄生虫などの病原体を食べて発症する食中毒。サルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオなど

「毒素型」食品で増えた病原体が毒素を作り、食品とその毒素を一緒に食べて発症する食中毒。ボツリヌス菌、腸管出血性大腸菌(O157)、黄色ブドウ球菌など

ウイルス性の食中毒
ノロウイルスなど
自然にあるものの食中毒
貝の毒、フグの毒、植物性・動物性食中毒など
化学物質による食中毒
農薬、防腐剤、殺虫剤、水銀など

 

猫の食中毒の原因

食べ物

猫の食中毒の原因の中でも特に多いのが食べ物のようです。

傷んだキャットフードを食べる

ウェットフードや手作りフードが傷みやすいのはイメージにあると思います。水分の含んでいる食べ物は特に傷みが早いです。

また、手作りフードの場合も調理時に手や調理器具から雑菌がうつることも。

ドライフードは、ウェットフードや手作りフードに比べると傷みにくいですが、保管状態が良くない場合にはカビも生えます。

カビは真菌類が作り出すマイコトキシンという毒素が含まれていることがあり、危険です。

食べかけのフードを放置する

夏場は食べかけのフードをそのままにしておくとすぐに傷みます。

猫の唾液には多くの菌が含まれ、口をつけたフードには唾液もつきます。その唾液からサルモネラ菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が繁殖、増殖するのです。

保存料無添加で水分の多いウェットフードは特に傷みが早いですが、ドライフードでも傷みます。

加熱が不十分な食べ物を食べる

手作りフードの場合、肉や魚の加熱が不十分だとサルモネラ菌、大腸菌などの食中毒になってしまう危険性があります。

人間の食べているものを与えている場合も注意です。

食べてはいけないものを食べる

ネギ類、チョコレート、ココア、アボガド、レーズン、貝類、牛乳など、猫が口にすると中毒症状を起こす食べ物があります。

観葉植物やアルコール、薬品などでも食中毒を起こすことがあります。

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古くなった水

飲み水も傷みます。

猫の口に付着していたフードが水に落ちてカビが生えることもあります。

水に雑菌が繁殖すると食器もヌルヌルしています。

自動給水器でも中のフィルターなどにカビが生えることがあります。気が付かないと、何度新しい水に替えても常にカビが含まれている水を飲むことになってしまうのです。

不衛生な食器

直接口にするフードや飲み水はもちろんですが、食器も雑菌が繁殖します。

そのままの食器で継ぎ足しすると危険です。

 

猫の食中毒の症状

嘔吐

食べてすぐだけではなく、時間が経ってから吐いたり、何度も嘔吐を繰り返したり、数日続くこともあります。

症状が食べてからしばらく経ってからあらわれると、原因が食べ物だと気づきにくいことも多いようです。

また、重症化すると泡を吐く症状が見られます。呼吸困難や痙攣を引き起こすこともあるので直ちに診察してもらいましょう。

下痢・血便

軟便や下痢も多い症状のひとつです。トイレではない場所で粗相してしまうこともあります。おしりが汚れて気づくことも。

脱水症状の危険性もあり、血便になっていることもあります。

食欲不振・元気がない

猫が腹痛や体調が悪いと、食欲がなかったり動きが鈍い、眠っていないのに横になっている、動かずにじっとしていたりという行動がみられます。

貧血や不整脈、また食中毒以外の病気の可能性も考えられるので、早めに診てもらいましょう。

発熱・低体温

猫の体内に細菌が入り、体が守ろうとして体温が高くなることがあります。

愛猫の耳や肉球を触ってみていつもより熱ければ発熱の可能性も。

また、急性腎不全になって低体温になることもあります。

目やに

猫は日常的に目やにが出ますが、目やにの色が黄色や緑色などいつもと違う色や、粘性が強くドロッとしたようなものだと感染症の可能性があります。

よだれ

日常生活で猫がよだれを垂らすことがないため、よだれが出ていると要注意です。

食中毒で神経症状があらわれたとき、口の粘膜が炎症しているときなどによだれを垂らすことがあります。

痙攣

急性中毒でふらつきや痙攣の症状が出ることがあります。痙攣は、低血糖の症状が出ている可能性もあります。

 

猫が食中毒にならないための予防対策

食べ残しを放置しない

置き餌はウェットフードでもドライフードでもやめましょう。

食中毒のリスクを高めてしまうので、食べ残しは放置せずすぐに片付けましょう。

目安は食事して20~30分後に残っていたら下げましょう。

フードの保存方法を見直す

フードの保管場所、保管方法が湿度温度が適切かをもう一度見直してみましょう。

ドライタイプのフードは、袋を開封すると酸化が始まります。開けたら密閉容器やなるべく空気を抜いて密封状態で保管し、直射日光を避け、風通しの良い場所を選びましょう。

傷みやすい時期は大袋より小分けしてあるタイプを選ぶのもいいですね。

ウェットフードは原則は使い切りです。

もし分ける場合は、蓋つきの別容器に入れ替えて、冷蔵庫で保管。24時間以内に食べきるようにしてください。

手作り食で作り置きする場合は冷凍保存。冷凍したものも1週間以内に食べきりましょう。

 

食器は常に清潔に

食器は食事する度に洗いましょう。洗うスポンジは人間用とは別にしましょう。

飲み水も足し水はせず、一度洗ってからきれいな水を入れ直してあげましょう。

洗い終わったら水気をとり、しっかり乾燥させましょう。

自動給餌器や自動給水機もこまめに掃除を。見えない部分にカビが生えていることがあるため、分解できる部分は分解して定期的に掃除しましょう。

特に、フィルターやポンプ部分に多くカビが発生します。

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掃除・換気

キッチンの生ごみなどが傷んで食べてしまい食中毒にかかってしまうこともあります。愛猫が口にしないように蓋つきゴミ箱に入れたり、こまめに処分するなどの工夫を。

また、湿度が高いと傷みやすいため、換気やエアコンのドライ機能、除湿機などを使って湿気がこもらないようにしましょう。

猫のトイレも常にキレイな状態を保ちましょう。猫のうんちからサルモネラ菌やトキソプラズマなどが飼い主さんへ感染します。

掃除後はしっかりと手洗いをしたり消毒をすることを忘れないように。

 

予防対策して元気に過ごしましょう

食中毒の起こりやすい梅雨や夏は、人間でも体調が崩れやすい時期ですね。

愛猫が快適に過ごせるように、飼い主さんができる予防対策はしておきましょう。

いつもより猫が口にするものに気をつけたいですね。

もし、食中毒のような症状がみられて病院に行く時には、嘔吐物や便などを持っていける場合はビニール袋などに入れて持参するといいそうです。

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