猫のゴロゴロ音にセラピー効果!?どんな意味?

猫が喉をゴロゴロと鳴らすのを知っている人は多いと思います。

甘えてたり気持ちよさそうにしているときにゴロゴロ音を出しているイメージがありますが、実はそれだけではないんです。

他の理由でゴロゴロ鳴っていることも。

そして、この猫のゴロゴロ音が人間にも効果があるようです。

今回は、不思議な猫のゴロゴロ音についてご紹介します。

 

猫のゴロゴロ音の仕組み

猫のゴロゴロ音は、人間の喉仏(のどぼとけ)にあたる「喉頭」の筋肉を細かく伸縮させ、声帯が振動することで音が鳴っていると考えられていますが、実は現在も正式なことははっきりと解明されていないのです。

鳴き声を出しながらゴロゴロ音も鳴らすことができることから、仮声帯という声帯とは別の器官から鳴らしているという説。

喉を通る大静脈の血流が増え、渦巻いた振動で低い音が出ているなどのいくつかの説があります。

猫がゴロゴロ音を出す理由

リラックス、幸福

幸せだニャーの気持ちです。

リラックスしてご機嫌なときに、周波数で20~50Hz、音程が中低音のゴロゴロ音を出します。

大好きな飼い主さんに抱っこされたり、撫でられて気持ち良かったりするときに多くみられます。

ゴロゴロ音を鳴らしながら目を細めたり、身体をこすりつけてきたり、お腹を見せたり、前足ふみふみするような行動を見せたらリラックスしています。

そんな時は首まわりや背中など愛猫ちゃんが喜ぶ場所を撫でてあげるとより満足してくれます。

ストレス

実はストレスを感じていてもゴロゴロ音が出ます。リラックスしているときに比べると、より低い音でゴロゴロ音も大きいのが特徴です。

いつもと違う場所に連れて行かれたり猫が苦手なことをしているときなどに見られます。動物病院に行ったときや爪切り、シャンプーなどの場面でゴロゴロ音が鳴ることが多いようです。

毛が逆立っていたり、シャーッと威嚇するなどの仕草がみられたら、ストレスから出しているゴロゴロ音のサインです。

ストレスのゴロゴロ音を鳴らしているときには、近づいたり無理矢理触れようとすると引っかいたり噛みついたりされる可能性が高いです。

痛み、ピンチ

ストレスにも似ていますが、痛みや危機を感じている時にはさらに低音のゴロゴロ音が出します。

喧嘩の時や、診察時、ケガ、出産時、死の間際などです。

猫は弱っているときの姿を飼い主さんに見せないようにすることが多いため、気をつけなければいけません。

低音のゴロゴロ音を出して、食欲不振や元気がない、苦しそうだったり具合が悪そうに感じたらなるべく早めに診てもらいましょう。

母子のコミュニケーション

母猫と子猫のコミュニケーションでもゴロゴロ音が使われます。このときのゴロゴロ音は中音です。

生まれてまもない子猫はまだ目も見えませんが、母猫のゴロゴロ音で存在を認識するそうです。生まれて1週間もしないうちに子猫もゴロゴロ音を出せるようになり、母猫にお腹空いた~元気だよ~などを伝えています。

要求

何かしてほしいと、飼い主さんに催促しているときに出すゴロゴロ音は高音です。

赤ちゃんの泣き声に近い高周波で、反応しやすく、本能的に急いで何とかしてあげなきゃと思う周波数のようです。

食器の前で高いゴロゴロ音を出していると「お腹すいたよ~ごはんがほしい」、トイレの近くだと「トイレを綺麗にして~」、飼い主さんを見つめてのゴロゴロ音は「遊んでほしいな」と要求していることが多いようです。

 

猫のゴロゴロは人間にも癒し効果

実は猫のゴロゴロ音は人間にも効果があるといわれています。

不安感などを癒してくれる自然治癒力があり、自律神経やホルモンバランスを整え「喉鳴らし療法」とも呼ばれ、副作用のない薬とまでいわれています。

フランスでは猫のゴロゴロ音を「ロンロン」といい、「ロンロンセラピー」として、抵抗力をつけることができる自然治癒法として提案していて医療に取り入れられているそうです。

また、フランスで猫カフェがオープンした時は、メディアのほとんどが「猫のゴロゴロセラピーが受けられる場」として紹介していて、猫カフェはストレスや不安を軽減する癒しの場所として捉えられているようです。

さらに、猫は骨折をしても他の動物より3倍の速さで回復すると言われており、その原因にゴロゴロ音の振動が関係しているとも言われています。

ゴロゴロ音の周波数(27~44Hz)と人間の骨密度を強化する周波数(20~50Hz)が一致することから、実際にフランスの理学療法士がこの振動を再現して、人の骨折治療法に用いています。サッカーのベッカム選手が、骨折の際に実践したことがあるという話も。

 

猫からのメッセージ

猫のゴロゴロ音についてご紹介してきましたが、どの猫ちゃんもゴロゴロ音を出すというわけではありません。

一度も出さない子もいますし、個体差があります。

なぜ出さないかの原因も解明されていませんが、性格や成長過程の環境などが影響していると考えられているようです。

ゴロゴロ音の仕組みなどまだ解明されていないこともありますが、音程によって意味が変わるんですね。

猫から飼い主さんへのメッセージのようです。

まずは愛猫の様子を見てどういう意味のゴロゴロ音かを知り、状況に合う接し方ができるようになりたいですね。

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