夏はさまざまな所で花火大会が開催されますね。
コロナ明けというのもあり、いつも以上に混雑する所も多いかもしれません。
楽しいイベントは愛犬も連れて一緒に楽しみたいですが、実は花火大会は危険が多いのをご存知ですか。
最悪、亡くなってしまうケースもあると先日のYahoo!ニュースにも出ていました。
(「花火大会に愛犬を連れて行かないで! 獣医が警鐘…なぜ? てんかん重積の後に死んでしまうケースも」)
今回は、犬を花火大会に連れて行く危険性をお伝えします。
花火大会に愛犬を連れて行く危険性(花火恐怖症)
以前から世界各国の動物福祉団体から花火大会についての危険性が訴えられています。(イギリスの代表的な動物福祉団体RSPCA)
花火大会が動物たちに与える危険性について警鐘を鳴らしているのです。60%以上の犬が花火に対して恐怖を感じているとも発表しています。
人間よりも聴覚の優れている犬にとって、大きな音はとても大きなストレスになります。音はもちろん、振動で体に響く音も恐怖の原因になるといいます。
体が小さく聴力のいい犬には花火の大きな音や振動は、人間の何倍にも感じることでしょう。直接的に犬の聴力にも影響することも考えられていて、耳鳴りや一時的な難聴が起こる恐れがあります。
花火に恐怖を感じたり、ストレスを感じると見られる行動をご紹介します。
- 震える
- その場から逃げようとする、隠れようとする
- しっぽを内股に挟む
- いつもより心臓がドキドキしている
- 口を開けて荒い呼吸(パンティング)をする
- 耳を後ろに倒す
- 目を見開く
- ウロウロして落ち着きがない
- 呼んでも反応しない(いつもできる行動ができない)
- あくびをする
- 座る・伏せる
- 鼻を舐める
このような恐怖によるストレスが原因の症状として、
- 多量のよだれ
- 下痢、嘔吐、食欲不振、異常食欲
- 足先やしっぽを噛むような自傷行為
などがあらわれます。
花火恐怖症ともいわれますが、花火だけではなく雷や太鼓などでも同じようなことが考えられます。
花火などがきっかけで、それ以降大きな音がトラウマになってしまう犬も少なくありません。
花火恐怖症の対策、対処法
一番の対策としては、花火を避けることです。
花火大会に連れて行かなくても、近くで花火の音がする場合など避けられない場合などもありますよね。
いつも通りに接して落ち着かせる
飼い主さんがパニックになったり焦ると、愛犬が余計に不安になります。雷が苦手な飼い主さんを見て犬が恐怖を感じることもあるようです。
いつも通りのトーンで話しかけ、側にいてあげましょう。必要以上に構うと犬はいつもと違うと感じます。
抱っこされると落ち着く子もいれば、かえって身動きがとれなくなって不安を感じる子もいるので、愛犬の様子をよく観察していつも使用している毛布やベッドなど落ち着ける環境を整えてあげるといいですね。
花火の光や音を遮る
花火の音や光を感じさせないように、窓やカーテンを閉めましょう。
それでも花火の音が聞こえて気にしているようであれば、テレビや音楽など日常の音で花火の音をごまかしてあげるのも一つの手です。
狭くて暗い場所が落ち着くワンちゃんが多いので、クレートやちょっと狭い空間を作ってあげると落ち着くかもしれません。無理に押し込まず、自分でココなら落ち着くと思えば入ります。
獣医さんに相談する
パニックを起こしたり、症状がひどい場合は受診しましょう。
事前に花火恐怖症が分かっていれば、獣医さんに相談することで、克服するトレーニング方法や抗不安薬などを併用するなどの対策もできます。
花火大会に愛犬を連れて行く危険性 (その他)
誤飲
花火大会ではたくさんの屋台が出ていますね。落としてしまった食べ物や中身の入ったアルコール類などが道に落ちていることも珍しくありません。
このような環境に愛犬を連れて行くと誤飲してしまう可能性が高いのです。拾い食いしやすい子は特に注意が必要です。
さらに、人混みや暗い場所だと飼い主さんが気が付かず、何を食べたか分からないまま中毒症状が出てしまうというケースも。
また、焼き鳥の串のゴミで喉などの消化器官を傷つけてしまう危険性もあります。
誤飲誤食は命に関わることもあるので、十分に気をつけなければなりません。
ケガ
人混み、足元が暗い場所を犬に歩かせることは危険ですね。
特に花火大会などでは、下を気にしている人が少ないので愛犬が蹴られてしまったり踏まれてしまうことも考えられます。下駄で足を踏まれてしまったというワンちゃんもいたようです。
ガラスや串などの落ちているものを踏んでしまって肉球をケガをしてしまうことも。
また、同じように犬を連れていてもギリギリまで近くに来るまで気付かずに、犬同士のケンカやトラブルもあるそうです。愛犬が屋台の食べ物を持っていた小さい子どもを襲ってしまった、噛んでしまったなどケガをさせてしまう場合も。
迷子
花火の大きな音や周りの歓声などに驚いて、走り出してしまうことが考えられます。
飼い主さんが抱っこしていたのにビックリして飛び降りて逃げてしまったり、人混みの中でリードが手から離れてしまったら一瞬で迷子になってしまいます。
熱中症
日が暮れた夜でも、熱中症の危険はあります。
まだ熱がこもった道や、湿度の高い日であれば夜でも熱中症になる可能性はあります。人が多く集まる場所では人の熱気で湿度も上がり蒸し暑くなります。
愛犬が歩く道の温度をチェックして、頻繁に水分補給させるなどの対策が必要です。
パニック
花火の大きな音に驚いたり、人混みが苦手な犬が逃げたり隠れることができない環境にパニックを起こす恐れがあります。
パニックに陥ってしまうと普段いくらしつけをされていたとしても、飼い主さんの声は届かなくなりますしいつも通りの行動ができなくなります。
特に心臓の病気やてんかん発作がある犬は危険が高いと言われていますが、どの犬でもパニックになる可能性はあります。
楽しい夏を愛犬と過ごすために
楽しいイベントが多い夏ですが、犬のケガやトラブルも多い季節でもあります。
愛犬への負担や危険性を知っておくことで回避できることもたくさんあります。
「留守番させておくのは可哀想だから一緒に花火大会に連れて行こう」と考えるご家庭もあるかもしれませんね。花火大会のリスクも考えた上で、愛犬にとって何がいいかを考えて、楽しくて安全な夏をお過ごしください。