なんだか、うちの犬がダルそう…低血圧かしら?と考えた事が有る方は少なくないと思います。
犬にも、勿論低血圧症が存在しますが、人間とは違い体質が由来では無い場合が大半で、低血圧の場合、心臓病、不整脈、副腎皮質機能低下症、出血、脱水など様々な基礎疾患が隠れています。
犬は症状を訴える事が出来ないため、不調に気付いた時には症状が重度になってしまっている場合も多いです。
犬の低血圧症について、詳しく確認してみましょう。
犬の低血圧~原因
犬の場合、人間の様な体質が由来の血圧異常はあまり報告されていません。
低血圧が単体で起こっている事は少なく、何か原因となる疾患(基礎疾患)がある上で低血圧が併発されていることが多いです。
これを二次性低血圧と言います。
低血圧の場合、心臓病、不整脈、副腎皮質機能低下症、出血、脱水などが多く基礎疾患として報告されています。
なりやすい犬種
基礎疾患有りきの血圧異常が多い為、原因の基礎疾患を発症しやすい犬種が高低血圧を起こしやすいです。
ミニチュアシュナウザー、ビーグル、ダックスフント、プードルなど…一般的に日本で人気の犬種の殆どが当てはまります。
また、高齢であるほど高低血圧をおこしやすいとも言われています。
犬の低血圧~症状
そもそも低血圧(ていけつあつ)とは、血圧が正常範囲を下回っている状態のことをいいます。
犬猫の低血圧のおおよその指数:収縮期血圧80mmHg以下 平均血圧60mmHg以下(引用元http://www.minamigaokaah.com/)
軽度の低血圧の場合には、飼い主が気づかないことが多く、症状としては体重の変動、寒がる、浮腫、筋力低下、皮膚の色素沈着、皮膚乾燥、多飲多尿などが認められます。
不整脈、心雑音、過剰心音、浮腫など認められる場合には、循環器疾患による二次性低血圧が疑われます。
投薬による低血圧が多いことから、薬を飲ませている場合には血圧を測りましょう。
犬は自分から身体の不調を訴える事が出来ません。
低血圧だとこんな危険がある
・脳梗塞
心臓病が基礎疾患となっている低血圧の場合、脳梗塞を起こす危険があります。
重い後遺症や、死に至る場合も多いです。
・低体温
低体温症は震えなどの軽度から、昏睡状態の重度まであり、重度の低体温症になってしまうと心拍も下がり呼吸困難も起こります。
・貧血
食欲不振や、呼吸困難が起こる可能性があります。
人間の様にフラフラ、めまいという症状は、飼い主が気付かない場合が多いので、食餌量、歯茎や目の粘膜の色、ウンチの色などが普段と違う場合は注意が必要です。
犬の血圧~正常値の目安
血圧は、上限下限の範囲で正常であるか否か判断されます。
犬の心拍数の正常値は、およそ100~180mmHgと言われていますが、これは目安でしかありません。
専門書やネットでの検索をしてみても、60~180までバラつきがあります。
まず、人間とは違い定期健診や日常的に血圧を測るという行為が稀である、ということ。
健康な状態で測定した母数が少ない為、正常値が定まらないのです。
また、人間よりも個体差があるため、身体の大きさ・犬種にもよって変わる、という点が大きいです。
定期的に健康診断を行い、自分の犬の健康な時の正常値を知る、という事はとても大事な事なのです。
犬の低血圧の薬
手術時の麻酔の影響等で一時的に血圧が下がった場合は、昇圧剤を使用する事が多いです。
ですが、慢性的な低血圧の場合は昇圧剤では無く、基礎疾患の治療薬を内服指示されます。
動物用の薬を使用する場合もありますが、人間用の薬を使用する事も多いです。
動物に対する使用の認可がなくても、獣医師処方の場合合法的に使用できる、という取り決めがあります。
犬の血圧を上げる生活習慣
健康的な生活を送る事が、何よりも効果的です。
朝、カーテンを開けて朝日を浴びさせるだけでも◎。身体に朝と夜のリズムをつけさせることが大事です。
ただ犬の場合は体質による低血圧ではなく、基礎疾患から来る場合が多い為、基礎疾患を治療しないと根本的な解決にはなりません。
老犬の血圧計を使った自宅での測り方
老犬の測定は、カフと呼ばれるリング状ベルトを測定部位に巻き付ける測定器が一般的です。
価格は10万円ほどの商品が多く高価なので、健康診断を兼ねて動物病院で定期測定してもらう方が手軽に測定できます。
画像引用元:http://www.shimoe-sah.com/
ボタン一つで自動測定出来、データはパソコンで管理する事も可能で、動物用に特化した商品では、被毛の有無や興奮状態で測定値が大きく変化する事が無い様になっています。
動物用に設定してあるため、人間と共用することは出来ません。
老犬の血圧を下げる生活習慣
心臓や血管に負担をかけない様にすることが大事です。
具体的には以下の2点に注意しましょう。
肥満にしない方法は、適度な運動とカロリーコントロール、健康的な生活を心がける事が一番の方法となります。
非肥満老犬も、運動は血液循環を良くするため血圧を下げるには効果的です。
すでに高血圧症の肥満老犬の場合は、獣医師に相談の上で処方食にて対応していく形になります。
老犬の高血圧はこんな食事が向いている
高血圧の場合、低塩分にすることは勿論、良質なたんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルも必要です。
その他、基礎疾患に応じた処方食を選ぶ事が大事です。
高血圧は老犬の場合二次性の物ですから、基礎疾患を改善させないと悪循環の連鎖は断ち切れません。
サプリメントを摂る
食事療法や薬とは別に、サプリメントを摂ることもおすすめします。
「老犬にサプリメント?」と思う方もいるかもしれませんが、最近では動物病院でも疾患別にサプリメントをすすめる病院もあります。
紹介する以下のサプリメントは主に3種の漢方薬できていて、自然由来成分なので老犬の負担にも少なく、安心して与えることができます。
このサプリメントは“霊芝”というキノコの漢方が含まれおり、その“霊芝”が低血圧に作用します。
ちなみにこの漢方サプリメントは、元々は犬の長寿のために開発された健康サプリメントなので、長生きしてもらいたい愛犬を持つ飼い主には一石二鳥です。
この商品を実際にたべさせた様子や、口コミなどについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください↓
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低血圧の犬の食事
各々の基礎疾患に適した食餌が最適です。
各メーカーから基礎疾患ごとに処方食が出ていますので、獣医師に相談してください。
ウェットタイプ(パウチ、缶)、ドライタイプ、おやつ感覚のキューブタイプなど犬に合わせて使用することができます。
まとめ
低血圧症は体質では無く、基礎疾患があった上での二次性低血圧であることが多いです。
そのため、基礎疾患の治療をしっかりすることが一番の鍵となります。
血圧は目には見えませんし、犬が不調を訴える事は難しい為…気付いた時には重度の症状になっている事が多いです。
体調不良に早く気付く事が出来る様に、日常的に健康チェックは欠かさない様過ごすと良いですね。