猫を飼っていると、ふと「こんなことしたけど、いまのはどんな風に思っているんだろう?」など猫の気持ちについて不思議に思ったことありませんか。
今回は尻尾の動き・表情・耳の動き・猫語から、猫の感情を解説します。
猫の感情は大別すると4種類
猫は感情を持つ生き物ですが、人間のと比べるとかなりシンプルで大別すると次の4種類です。
飼い主にフードをもらったり、心地いいときなどは「うれしい」
安全な場所で寝ているときは「安心」
自分にとって好ましくない事態に直面すると「不安」
身の危険を感じたりすると「怒り」
これら4つの感情を、猫は顔や体、鳴き声などで表現します。
猫はもともと単独生活を営む動物で、それゆえ他者とのコミュニケーションはあまり得意としません。
しかし表情やしぐさなどを観察すれば、どんな心理なのか次第に分かるようになるはずです。
ただ人間ほどではありませんが、猫も感情の表現方法が個体によって異なり、例えばごはんがほしいとき、喉をゴロゴロ慣らすこもいれば、大声で鳴くこ、飼い主をじっと見つめるこもいます。
だからこそ日頃から愛猫を観察し、どんなときにどんな表情や行動を見せたのか、どのように鳴いたかを覚えておくことが大事です。
猫の表情と姿勢からキモチをよむ
一見無表情の猫ですが、感情が変化したときは目や耳、ヒゲなどにサインが現れます。
たとえば何かに興味を示したときは、耳もヒゲも張るようになり、さらに立ち上がったり、逆に伏せたりと姿勢にも変化がみられます。
猫のきもちを知りたいときは、まず姿勢と表情に注目しましょう。
耳ピン・目を見開く・ヒゲ多少張る
獲物や珍しいものを目にした時、さらにはほかの猫の鳴き声などを聞いたときも関心を示します。
こんなときは猫は相手の情報を集めようと真剣なので、触ったり声をかけたりせず見守るのがベストです。
■表情
感情が高ぶっているので目は見開き、耳はピンと張ります。ヒゲは前に傾けることも。
■姿勢
対象が動いてるときは伏せて様子を観察し、近づくタイミングを計ります。
耳に少し力が入る・目はうつろ
飼い主に甘えたいのに相手にしてもらえないときや、母猫をはぐれてしまったときに見せます。
飼い猫の場合は特別な理由がない限り、なでたり遊んだりと相手をしてあげましょう。
■表情
困ったような顔つきになりいかにも寂しげで、近くに飼い主がいる場合は目をじっと見つめることもあります。
■姿勢
歩いているときは尻尾が真上に立ち、甘えたいキモチが表れています。
ただし、尻尾は機嫌がいいときに立てることもあるので、表情や行動などから見極めましょう。
耳が横向き・瞳孔は多少大きくなる
自分では敵いそうにない猫や犬などが近づいてきたときや、得体の知れないものを目にしたときなどに見せます。
こういったときは見守るのがベストです。精神状態が不安定なので、へたに撫でたりすると引っかかれる可能性があります。
■表情
攻撃される可能性があると感じ、耳は横や後ろに倒し、瞳孔は少し大きくなり相手と目が合うと視線をそらします。
■姿勢
恐怖を感じているので腰が引け、その場にうずくまってしまうこともあります。
耳はピンと立ち毛は逆立ちキバをむく
ほかの猫や犬などに出くわし、逃げるつもりはなく相手を追い払おうとしているときに見せます。
■表情
興奮状態にあるので耳もヒゲもピンと張っていて、キバをむき攻撃する意思があることをアピールします。
■姿勢
できるだけ体を大きくみせようと背中を丸め毛を逆立て、いつでも飛びかかれるよに、下半身に力を溜めます。
しっぽからキモチをよむ
しっぽには猫の感情がストレートに表れます。
「目は口ほどにものをいう」ということわざがありますが、猫の場合は「しっぽは口ほどにものをいう」と言っても過言ではありません。
喜び、関心、恐怖、怒りなど、さまざまな感情がしっぽに表れ、基本的にきもちの変化が大きいときはしっぽの状態も大きく変わり、変化が小さいときは少ししか変わりません。
しっぽをブルブル震わせる
飼い主の目の前でしっぽをブルブルと震わせるのは、甘えたい、遊んでほしい、ごはんが欲しいといったサインで、要求が強いときに見せます。
ちなみに著者の飼い猫は、仕事から帰るとしっぽをブルブル震わせ「にゃー」と甘えてきます^^
しっぽを真上にピンと立てる
猫は母猫や飼い主などに甘えたいときやごはんを貰いたいとき、本能的にしっぽが真上に上がります。
しっぽを立てて近づいて来たら、ほぼ間違いなくなにかしらの要求があります。
我が家の猫がしっぽを立てるときは、キッチンなどで足元にあたまをこすりつけながら甘えているときです。
しっぽの先端を小刻みに動かす
何か気になるものを見つけたとき、しっぽの先端がビクビクと動きます。
また名前を呼ばれているとき、動きたくはないものの気にはしているとなどは、しっぽでこのような動きをし返事します。
しっぽを左右に振る
鶏や虫といった獲物を見つけたものの、窓などがあって飛びかかれない・・・そんな葛藤状態にあるときには、しっぽが左右に動きます。
しっぽを左右に激しく振る
犬はうれしいときにしっぽを勢いよく振りますが、猫は逆で、イライラしているときです。
しつこく触られたり、抱かれたりして不機嫌になると、しっぽを左右に激しく振り、時にはしっぽを床に叩きつけることもあります。
しっぽを股の間に挟み込む
大きな恐怖を感じると、しっぽを股の間に挟み込むことがあり、これはしっぽが攻撃されるのを防いだり、自分を小さくみせて弱い存在だとアピールする意図があると考えられています。
しっぽをふくらませる
大きな物音がして驚いたときや恐怖を感じたときなどは、しっぽの毛が逆立ち膨らんでいるように見えます。
これは相手に対する威嚇手段でもあります。
鳴き方からきもちをよむ
飼い猫は野良猫よりも鳴くことが多く、野生の猫が声によるコミュニケーションをとるのは、育児中や発情期ぐらいです。
一方、飼い猫は甘えたいときやごはんがほしいときに鳴いたり、心地良ときにのどを鳴らしたりと、状況にあわせてさまざまな鳴き声を使い分けます。
人間と暮らす上では、鳴いたほうがごはんがもらえやすいなど、都合がいいと分かっているかもしれません^^;
ニャー
・おなかが減った
・◯◯して!
最もよくきく猫の鳴き声。「ごはんがほしい」「外にでたい」「遊んで」など要求があるときに発します。
猫によって連発したり、か細く鳴いたりと様々です。
ゴロゴロゴロ
・きもちいい
・◯◯して
どの猫も満足しているときは、のどをゴロゴロ鳴らす一方、要求があるときにものどを鳴らし、状況によってうまく使い分けているようです。
ニャ
・やぁ!
主に名前を呼ばれたときや、飼い主が近づいてきたときなどに発します。
猫流のあいさつで、義兄弟や親しい猫にあったとき発することも。
ウニャウニャ
・おいしい
ごはんにありついたとき、猫はウニャウニャと独り言を発することがあります。
うれしさとおいしさのあまり、つい口に出てしまうそうです。
シャー!ウー!
・来ないで!
相手を追い晴らすときに使う、鳴き声で。猫によっては低い声で「ミャ~オ~」と発することもあります。
相手が近寄ったり引かない場合は、ケンカに発展します。
キャキャキャ
・捕まえたい
「カカカ」「ケケケ」と聞こえることもあります。
鳥や虫などを発見したものの、窓などがあって捕まえられずもどかしさを感じているときに発します。
ギャアー!
・痛い!
ケンカで噛みつかれたときや、飼い主にしっぽを踏まれてしまったとき、痛さのあまり自然に出てしまう声です。
痛みが強いほどボリュームも大きくなります。
アーオー!
・恋がしたい
発情期の猫は、自分の存在をアピールするため独特に声で大きく鳴きます。
ただし、オス同士の場合は相手を威嚇し追い払おうとしています。
フ~
・やれやれ
悩み事を抱えているわけではなく何かに集中していて、その緊張が解けたときに発することが多いようです。
「フッ」と短く大きく鳴くことも。
まとめ
今回は「表情・姿勢」「しっぽの動き」「鳴き方」から、猫のきもちを解説しました。
特に猫のしっぽの動きは、気持ちが強く表現されているので、一通り知っておくといいかもしれませんね。
人間と会話のできない猫ですが、気持ちがわかるとより絆が深くなり一層愛おしく感じるものです。