私達にとって猫は身近な存在です。時には友達に、時には家族に、そして時には人生のパートナーにもなってくれます。
1990年以降、猫の平均寿命は伸び続け、現代では猫の平均寿命は約15年と言われています。
猫の寿命が伸びた背景には飼育環境の変化があり、とりわけ猫が食べるものに人間が気を使うようになったことが大きいと言えます。(参照元:http://pepy.jp/)
とはいえ、人間よりはるかに短い猫の命。分かってはいるけれど、できるだけ長く、そして健康に生きてほしいと思うのは、飼い主ならば当然の願いかもしれません。
猫の健康を守るため忘れてはいけないのが、猫は何を食べてはいけないのか、ということ。欲しがるので、思わず人間が食べていたものを猫にあげてしまった、という経験はありませんか?人間の健康には良くても猫にとっては毒、という食べ物が、実はたくさんあるのです。
今回は、その中でも特に人間にとって身近で、気を付けなくてはいけない食べ物を挙げてみました。有名なものから、知らなかった!というようなものまで、意外にたくさんあるので、ぜひ覚えて猫の健康を守りましょう!
猫には注意!~野菜編~
猫に玉葱をあげては駄目、というのは有名な話ですが、玉葱以外にも避けるべき野菜類があるのです。
葱類
玉葱は有名ですが、玉葱以外にも長葱、ニラ、にんにく、らっきょうなども猫に与えては駄目な野菜の代表格です。
これらの食べ物の中にはアリルプロピルジスルファイドという物質が入っており、赤血球を破壊し、溶血性貧血を引き起こすと言われています。
アリルプロピルジスルファイドは加熱しても無くならないので、ハンバーグなどに入っている玉葱もNG。絶対に食べさせないようにしましょう。
ほうれん草
ほうれん草に入っているシュウ酸が尿結石の原因になると言われています。
しかしこのシュウ酸は、茹でてアクを抜くと減るそうなので、あげる場合は茹でてからあげましょう。
アボカド
アボカドの実、種、葉にあるペルシンという成分は猫のみならず人間以外の動物には毒になり、痙攣、呼吸困難などの中毒症状を引き起こしてしまうのだとか。
アボカドを食べる時は、猫から十分に離れて食べるようにしましょう。
その他
実は、猫はこれら以外にも野菜全般に入っているセルロースという成分を分解することができません。
少量ならば問題ありませんが、大量に食べると胃腸に負担がかかってしまいます。ですので、これら3種類以外にも、なるべく野菜はあげないようにしましょう。
猫には注意!~魚介類編~
猫といえば魚、というくらい、好物として認知されている魚ですが、注意しなければいけないものがあります。
イカ、スルメ、タコ
生のこれらの魚介類には、ビタミンB1を分解する酵素が多く含まれています。
そのため食べるとビタミンB1欠乏症を引き起こし、食欲の低下や嘔吐の原因となってしまいます。この酵素は加熱することによって分解されるので、どうしてもあげたい場合は加熱して量をコントロールしましょう。
あわび
あわびの内臓(中腸線)に入っているフェオフォーバイドという成分は皮膚炎の原因になります。
この成分が猫の血管内に流れ、耳など皮膚の薄い場所に広がると、紫外線を浴びた時に光過敏症を引き起こしてしまいます。紫外線によって炎症を起こし、火傷のような症状が出てしまうのです。
青身の魚(アジ、イワシ、サバ、マグロ等)
これらの魚には、脂肪分が多く含まれています。青身の魚を食べすぎると、不飽和脂肪酸が黄色脂肪症(イエローファット)を引き起こしてしまいます。
このイエローファットは炎症を起こし、強い痛みや熱さの原因になります。青身の魚が好きな猫は多いですが、くれぐれもあげすぎには注意しましょう。
海苔、かつおぶし
海苔やかつおぶし等の加工食品にはマグネシウムが多く入っており、食べ過ぎると尿結石の原因になってしまうことがあります。
また、味付海苔等の塩分は猫にとっては多く、塩分の摂りすぎは心臓や腎臓に負担の原因に。海苔は喉にくっついてしまい、まれに窒息を引き起こしてしまうこともあります。
猫には注意!~肉編~
肉も猫の大好物の1つですが、こちらもやはり注意が必要です。
生の豚肉
生肉にはトキソプラズマという寄生虫の感染源になります。これは猫だけでなく、猫の排泄物等から人間へも感染する恐れがあります。
猫にあげる時は人間同様、しっかり加熱してからあげるようにしましょう。
レバー
レバーはビタミンAやビタミンBが多く含まれていて、栄養価も高いのですが、ビタミンAは摂りすぎると排出されず体に蓄積されてしまいます。
ビタミンA過剰症になると、骨が変形してしまう恐れも。あまり与えない方が賢明といえるでしょう。
骨のある肉
肉だけに限らず魚もそうですが、小骨が多く、砕けやすいものは猫の細い喉や消化器官に刺さったり、詰まってしまうことがあります。
取り除かれずに詰まったままになると腸閉塞を引き起こす原因になりかねません。小骨がきちんと取れてるか、確認するのも大切です。
猫には注意!~飲み物編~
人間にとって身近な飲み物も、猫の体には良くない場合もあります。
カフェイン飲料(コーヒー、お茶、エナジードリンク)
これらの飲料に入っているカフェインは、人間にとって適量でも猫の小さな体には多すぎます。
中枢神経に強い興奮作用が働くことで、最悪の場合死に至ることも。
ミネラルウォーター
意外ですが、ミネラルウォーターも猫には良くありません。種類にもよりますが、ミネラルウォーターにはマグネシウムが多く含まれており、消化不良を起こして下痢の原因になってしまうのだとか。
水道水をあげたくない場合は、浄水や、湯冷ましを飲ませてあげると良いでしょう。
人間用の牛乳
人間にも猫にも、牛乳に入っている乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)を持たない個体がいます。牛乳を飲むとお腹を壊してしまう人っていますよね。
猫も同じで、猫には人間用ではなく猫用ミルクを飲ませてあげるようにしましょう。また、子猫に成猫用のミルクをあげるのもNG。下痢の原因になってしまいます。
まとめ
いかがでしたか。今回挙げたもの以外にも、猫に食べさせない方が良い食材はたくさんあり、しかも普段私達がよく口にしているものがとても多いです。
うっかりあげてしまい、大切な猫が苦しむのは、飼い主としてもつらいですよね。こういった「事故」を無くすためには、やはり猫用に作られたもの以外はあげない、ということがとても大切になります。
猫の小さな体を守れるのは人間の少しの心がけです。猫と一緒に、健康に楽しく毎日を過ごしましょう!