外見の可愛らしさはもちろん、感情表現も豊かでウサギの数ほど個性があると言われるほどです。
近年ペットとして人気が高まっており、手間がかからない・鳴き声が大きくない・臭いが少ない・狭いスペースでも飼えるのが人気の秘密のよう。
今回はそんなウサギの知っておいてほしい歴史、大きさや体重、寿命、種類、性格、生活習慣、特徴やなりやすい病気などについてご紹介していきます。
ウサギの歴史
ペットとして飼われているウサギは、元を辿ればヨーロッパアナウサギという1種類のウサギです。
品種改良を重ねて、今では世界中で飼われています。日本では明治時代初期に「外国産耳長兎」を飼うと、富に恵まれるとウサギのブームが起こり、ウサギが高額で取引されたという記録が残っています。
ブームの過熱化を沈静する目的で政府は高額のウサギ税を課し、その以上なブームを鎮めたといいます。
ウサギの性格
基本的には人間に慣れていてコミュニケーションが楽しめます。ウサギとの生活を楽しむためにも、ウサギの性質を理解する必要があります。
好奇心も旺盛で活発色々な表情を見せてくれますが、ウサギは元々自然界では下位にあり肉食動物の捕食対象になるため、天敵の存在を常に気にする動物です。
警戒心が強く臆病で怖がりなのが本来のウサギの姿なので、怖がりだということを理解しながら少しずつ慣らしていくことが何より大切です。
ウサギは驚くほど個性豊かです。安心できる家庭の暮らしに慣れてくるとそれぞれのキャラクターがでてくるようになります。
大人しかったり、陽気な性格、やんちゃであったり頑固な性格、人懐っこくて飼い主のそばにいたい犬のようなウサギなどウサギの数だけ個性があると言ってよいでしょう。
ウサギの品種によっても性質は違います。
うさぎの種類
ペットとして飼われるうさぎには色々な品種がいます。身体的に大きく分けると、このようになります。
耳 | 立ち耳タイプ、垂れ耳タイプ |
毛 | 短毛種、長毛種 |
体重 | 体重が1~2kgの小型種、2~4kgの中型種、もっと大きな大型種 |
現在ペットとして人気なものは、マンションなどでも飼いやすい小型種です。うさぎは毛の色も豊富で、30種類以上のカラーバリエーションのある品種もいます。
うさぎの体重・大きさ・寿命
ウサギの体重・大きさの目安は3つに分かれます。オスメスによる違いは大きくはありません。
小型種 | 体重1~2kg |
中型種 | 体重2~4kg |
大型種 | 体重4kg以上 |
寿命は一般的に5~8年くらいといわれていますが、個体差があります。最近は、飼育環境などが向上したことで、10歳前後まで生きるウサギも少なくありません。
ケガも多いので、飼い主の意識次第で、健康で長生きすることもあるので、健康管理や飼育管理には気をつけていきましょう。
うさぎの生活習慣
うさぎの生活時間
ウサギは基本的には夜に活動しますが、順応性もあるので様子を見ながら、飼い主の都合に合わせてもらうようにしましょう。
世話の時間や遊ぶ時間を決め生活リズムをつくればお互いに快適な生活が送れます。
快適温度と室温
ウサギは汗腺が発達していないため、暑さと湿度に弱い動物です。ケージの置き場所には注意し、梅雨時期や夏場は温度湿度管理をしっかりおこないましょう。
冬場は18℃以下にならないようにし、エアコンを使う場合には乾燥にも配慮し飲み水はしっかり用意しておきます。
ケージから出して遊ぶ場合
ウサギの事故はほとんどが室内で起こります。足場があれば高いところに登ったり、絨毯に爪を引っかけたり、ベランダからの落下や脱走など十分に気を付けましょう。
うさぎが口にすると危ないものと注意点
高所や隙間に入り込まないように注意し、滑りやすい・足を引っかけやすい床材は使用しないようにしましょう。
外泊する場合
1泊であれば留守番も可能ではありますが、大人のウサギで健康であることを条件に室温・湿度管理はしっかり行いましょう。
1泊以降になる場合には、ペットシッターや知人に来てもらったり、ペットホテルや動物病院を利用しましょう。動物病院でも、うさぎの預かりはしていない場合もあるので事前に確認した方がいいですね。
多頭飼いするときの注意点
ペットのウサギは世話の手間などを考えると1匹飼いがおすすめですが、複数飼いの場合には以下の点に注意しましょう。
ウサギだけの多頭飼いの相性
本能的にオス同士は縄張り争いのためケンカをしてしまいます。去勢手術をしてもケンカしてしまうことがあるので、オス同士の複数飼いは避けましょう。
オスとメスの場合には去勢・避妊手術をしなければどんどん赤ちゃんが増えてしまいます。メス同士は個体それぞれの相性が良ければいいのですが、相性が悪い場合にはオス顔負けのケンカをすることがあります。
犬や猫など他ペットとウサギの相性
犬、猫、小鳥などは、ウサギをゲージの外に出して遊ばせる時には同じ部屋にしないようにしましょう。小鳥であれば同じ部屋にゲージを置いても問題ありません。
うさぎと同居を避けた方がいい動物
ウサギの特徴 11個
1. 迎えた時は小さな子ウサギも成長はあっという間
手のひらに乗るほどの小さな子ウサギですが、成長はとても早い動物です。生後2ヶ月はすでに人間の5歳にあたり、5~6ヵ月で思春期を迎え、7ヵ月には立派な大人になります。
2. 家に慣れてくると個性が出始める
初めは大人しかったウサギも慣れてくると遊んでアピールをしたりご飯を要求したり、ゲージを揺らしたり元気になっていきます。
3. 1匹飼っても飼い主がいれば寂しくない
1匹では可哀そうと多頭飼いを考える人も多いですがウサギは縄張り意識が強くウサギ同士ケンカをすることもあります。
ウサギを飼うのが初めての場合には1匹で飼うことをおすすめします。もちろん留守番もできます。
4. 実は賢い動物
ウサギは決まった場所で排泄する習慣がありトイレを覚えることができます。個体差はあるものの名前を呼ぶと寄ってくるウサギや「してはいけないこと」を覚えるウサギもいます。
5. 喜怒哀楽があり感情表現できる
「鳴かないし、何を考えているかわからない」そう思われがちですが感情表現がとても豊かな動物です。
嬉しいときは飛び跳ねたり、怒ったときは足で音をたてたり、一緒に暮らしていくうちに意思表示がわかるようになってきます
6. 飼い主と遊ぶのが好き
ウサギは人と触れ合うのも大好きです。1日1回、1時間はゲージから出し遊ぶ時間を設けましょう。
ゲージから出すことは運動不足解消にもつながります。外が晴れているときには出掛けることもできます。
7. いたずらをすることも
ゲージから出しているときには目を離さないようにしましょう。家具や電気コードをかじったり、隙間に挟まってケガをすることもあります。
8. 病気にならないために食生活はとても大切
ウサギの健康を左右するのは食生活と言っても過言ではありません。健康を維持するために一番大事なのは牧草を中心とした食餌にするということです。
ウサギは甘いものが好きですが与えすぎは肥満につながるので注意が必要です。
9. 水は新鮮なものを常に置いておく
ウサギは水分が不足すると胃の不調を起こしやすくなります。
脱水症状や熱中症も命とりになるため、体重1kgにつき1日あたり50~100mlの水を用意しいつでも飲めるようゲージに取り付けておきましょう。
飲み水が垂れて、足裏に付いたり床に濡れた場合には、そのまま放置せずに拭き取ってください。足裏が濡れた状態だと皮膚病などにもなりやすいです。
10. ストレスに弱く臆病
大きな音を聞いたり、突然背後から抱きかかえられたりゲージを買い替えるなどの環境変化など、ウサギはびっくりしたときにストレスを感じます。
中には怯えてしまう子もいます。ストレスは病気の原因にもなるためストレスを溜めないような環境を用意してあげましょう。
11. 具合の悪さを隠す動物
ウサギは自然界では肉食動物に捕らえられる立場です。弱っているときほど狙われるため、体調の悪さを隠す傾向があります。
ぐったり動かなくなった時には手遅れになることもあります。毎日のコミュニケーションを大切に小さな変化にはすぐに気づくようにしましょう。
なりやすい病気の種類
不正咬合
ウサギに多い病気で切歯にも臼歯にもみられます。歯のかみ合わせがおかしくなり物が食べにくくなります。異常な方向に歯が伸びて口の中を傷つけます。
症状
- ヨダレが出る
- 食べこぼす
- 食べる量が減る
- 便が小さくなったり量が減る
不正咬合は歯根が炎症を起こすこともあるので歯をカットしたり抜いたりするなどの治療が必要です。
毛球症
飲み込んだ抜け毛が胃腸に毛がたまってしまい、胃腸の働きが低下する病気です。繊維質の不足や異物の飲み込み、でんぷん質の摂り過ぎ、運動不足やストレスが原因となります。
高齢のうさぎがかかりやすい病気でもあります。このようなのを食べさせると、便と一緒に毛が排出されます↓
症状
- 便が出にくくなる
- 食欲がなくなる
- 水をよく飲む
- おなかが張っている
- 体重減少
毛玉除去剤を投与したり、外科的手術などがありますが日頃から抜け毛の多い場合にはできるだけこまめにブラッシングしてあげましょう。
尿石症
尿管に結石ができてしまう病気です。カルシウムやタンパク質の摂り過ぎや水分不足、細菌感染、代謝異常が原因となり、腎不全や膀胱炎になる場合があります。
症状
- 膀胱のまわりが張っている
- 元気がない
- 頻繁にトイレにいく
利尿剤の投与や食事療法、外科的手術などで治療します。
パスツレラ感染症
パスツレラ感染症は、細菌に感染することでおこる呼吸器の病気で、鼻炎になる場合が多いです。
症状が進むとサラサラした鼻水が粘りのある膿のようなものになっていきます。ストレスや急な温度の変化、寒い場所での飼育、汚ない場所での飼育が原因となります。
症状
- くしゃみや鼻水がでる
- 涙目になる
- 呼吸音がズーズーという変な音になるなど
抗生物質の投与で治療していきますが、日ごろから飼育スペースをきれいしたり、適切な温度湿度を保ちストレスを与えないことが大切です。
エンセファリトゾーン症
エンセファリトゾーンと呼ばれる寄生虫が引き起こす脳炎を特徴とする寄生虫病です。体内に侵入した胞子は消化管から全身に広がり、脳や腎臓などに肉芽腫性の炎症を引き起こします。
ほとんどのウサギが無症状で経過しますが、他の病気や老化、ストレスをはじめとする免疫に及ぼす何らかの悪影響によってエンセファリトゾーンを抑え込むことができなかった場合に発症します。
重度の場合には歩行や立つことさえできなくなることも多く、重症度に伴って元気や食欲の低下がみられるようになります。
症状
- 斜頸や眼球の振とうなどの神経症状が主な症状
- 重度の場合には歩行や立つことさえできなくなることも多く、重症度に伴って元気や食欲の低下や廃絶がみられます。
抗生物質の投与や駆虫で治療します。
ソアホック
ウサギの足の裏(多くはかかとの部分)が炎症をおこしてしまう皮膚病です。かかりやすい病気ですので、日頃の予防が大事です。
詳しい症状、原因、予防法などはコチラの記事をご参照下さい。
まとめ
今回はウサギについて、歴史、大きさや体重、寿命、種類、性格、生活習慣、特徴やなりやすい病気などを幅広くご紹介しました。
参考にしてくださると嬉しいです。