ワンちゃんが、ウンチを食べてしまうシーンを見たことがありますか?
我が家の愛犬が初めて食糞をした時の衝撃は忘れられません…。
こんな可愛い顔をしてなんと恐ろしいことを。そんなものを食べた顔で近づいてこないで~とかなりパニックになりました。
そしてうちの子おかしいんじゃないかと不安にもなりました。
しかし、意外と食糞に悩まされている飼い主さんは少なくないんですね。4匹に1匹の割合くらいで食糞の経験があるという結果も出ているようです。
そこで今回は「食糞」についてご紹介します。
食糞とは
「食糞」とは、動物が自分の、あるいは他の動物の排泄物を食べる行為のことをいいます。
実は食糞は動物の世界では珍しいことではなく、フンコロガシやウサギ、コアラ、チンパンジーなどの野生動物では見られる光景だそうです。
理由は動物によって異なりますが、糞に未消化の食べ物が含まれていて貴重な栄養素を無駄にしないためだったり、一度で消化しきれずに消化し直すために食糞します。
犬の食糞の原因
犬の食糞の原因にはさまざまな理由が考えられます。
食事、栄養が足りていない
食事量が足りていなかったり、ごはん前などお腹が空いている状態で食べ物として食糞することがあります。
まだビタミンやミネラルが不足している、たんぱく質や炭水化物が少ないフード、体内の消化酵素不足などの場合に十分に消化しきれず、栄養が糞に残ったままになります。
栄養が吸収しきれなかった糞にはエサの匂いも残っているので、犬も栄養を摂取しようとして口にしてしまうのです。
母犬の真似
野生の本能として母犬が子どもの犬の糞を食べることがあります。子どもの糞によって外敵に存在を知られてしまう危険性があるため、食糞するという行動が見られるそうです。
また、子犬の頃は自分のお尻を舐めたりすることが出来ないため、母犬がお尻周りを舐めて食糞することで清潔に保っています。
このような母犬を見て育つと、食糞は自然な行動として子犬にもインプットされます。
清潔に保ちたい
犬の習性として、自分の生活する周辺はキレイな状態に保ちたいため、排尿排便はねぐらより遠いとことで行うようです。
しかし、飼い犬の場合にハウスの近くにトイレがあったり、多頭飼いでスペースが狭い場合などに清潔な場所で生活したくて糞を食べて処理してしまうこともあります。
消化できていない
栄養バランスのとれているフードであっても、固くて消化しきれない、早食いで消化できていない、消化器官が発達していないなどでも食糞の原因になります。
消化しきれていないまま排出される糞は、フードの匂いが付いていて栄養も残っているので食糞してしまいます。
オモチャ
退屈な時や、オモチャがない時などに遊び道具として触ったり転がしたり遊んでいるうちに口にしてしまうことが習慣化してしまうということも。
特に匂いがあるものに犬は興味を示しやすいという習性もあるようです。
飼い主の反応
食糞をした際に、飼い主さんが大きな声を出したり慌てていたりという反応でが楽しいと感じて、繰り返してしまいます。
また食糞をすることで飼い主さんの気がひけると考えると、構ってほしい、寂しい、遊んでほしいと思うと食べてしまうのです。
他にも、排泄の失敗で怒られたりすると糞を隠そうとして食糞することも。
ストレス
ゲージの中に入れられている時間が長い、留守番が多い、散歩に行けない、遊んでもらえないなどストレスも食糞の原因のひとつだと言われています。
寄生虫、病気
体内に寄生虫がいると栄養が十分に吸収されず、食糞して足りない栄養を補おうとします。
また、すい臓の働きが悪いと消化不良の糞が出て食糞に繋がります。
食糞のやめさせ方
原因によって対処法は変わります。
フード、食事量の見直し
今与えている食事量は少なくないか、適量をもう一度確認しましょう。
また、低品質のフードをあげているかもしれない、栄養が足りていないかもしれないと思い当ればドッグフードを見直しましょう。
フードは犬の体質との相性もあります。相性が良く、栄養バランスが取れていて、愛犬が美味しいと思えるようなフードを見つけるといいですね。
また、フードが固い場合はふやかすことで消化しやすくなります。
早食いの犬もフードが消化しにくく、食糞の可能性が高くなります。早食い防止の対策を。
お腹を空かせすぎない
空腹時に糞を食べてしまうことを防ぐために、あまりお腹を空かせすぎないようにしましょう。
一日の与える食事量を変えずに、回数を増やすと空腹は避けられます。
寄生虫、病気をチェック
体内に寄生虫がいないか、すい臓の病気ではないかなど病気によって食糞をしていないかは飼い主さんの判断は不可能です。
食糞が直らない場合は一度動物病院で相談してみましょう。
糞を早く片付ける
いつまでも糞があると興味を示す可能性も高くなるので、少しでも犬が糞と接する時間を短くために排便した後にはすぐに片付けましょう。
またトイレがハウスや生活する場所から近い場合は、トイレスペースを区切ったり、トイレの場所を離すなどして糞が気にならないような配置の工夫をしましょう。
腸内環境の改善
消化を助け腸内環境を良くすることで、しっかり栄養が体内に吸収されて、食糞が改善されることは少なくありません。
犬用の腸内環境改善サプリメントも多数あります。
飼い主のリアクション
食糞した際に、大きなリアクションをしないことです。
怒ると、糞を隠そうとさらに食糞しようとしますし、大声をあげたり騒いだりする行動は喜んでくれている、かまってくれた、と勘違いします。
リアクションせずに静かに素早く片付けましょう。
ストレスをためない
食糞に限らず、犬のストレスは様々な病気や異常行動に繋がります。
普段から飼い主さんが愛犬の様子をよく観察し、スキンシップの時間や運動量、生活環境などを見直してみましょう。
食糞防止スプレー
糞にスプレーをして、犬が苦い!マズイ!と思って食べなくなるという食糞防止のスプレーも販売されています。
諦めず、神経質になりすぎず、食糞を直そう
犬がウンチを食べてしまうという行動はなかなか相談しにくいことや、犬が成長すると自然に直ることという話もあることなどから、様子をみる飼い主さんも多いです。
しかし、何もしないで直ることは稀だそうです。
簡単にすぐに直る問題ではありませんが、まずは原因を見つけることが大切です。
一つ一つ食糞防止対策を試してみてもいいかもしれません。
飼い主さんがあまり神経質になりすぎず、気長に向き合っていきましょう。思いつめてピリピリすると愛犬に伝わってしまいます。
また、病気が潜んでいる場合もあるので一度獣医さんに相談してみると安心です。食糞の原因を一つずつ消していくことも近道のひとつです。