パグってどんな犬?【性格・特徴・飼い方・しつけ・病気など】

しわだらけで鼻ぺちゃのユニークな顔立ちに、くるくると変わる表情。

話しかけると首を傾げ、そのひたむきな様子に愛犬家ならだれでも心を動かされてしまう、魅力たっぷりのパグ。

今回はそんなパグの謎に包まれた歴史や性格、特徴かかりやすい病気など掘り下げてご紹介していきます。

パグの呼び方も世界で全然違う言い方だったり、由来もパグの特徴をそれぞれつかんでいて面白いのでそのへんにも触れています。

JKCによるパグのスタンダードも載せているので、これから飼おうと思っている方にはぜひ参考にしてみてください。

パグの歴史

パグの起源には諸説あり謎に包まれており、ルーツをたどれば中国が原産という説が有力です。

コンパクトなボディに黒いマズル、大きな目、鼻ぺちゃ顔など各部の特徴がよく似ていることから中国原産のペキニーズとは密接な関係があるとされています。

皮膚のたるみや顔の特徴から、マスティフとの関連性も否定できません。

中国からヨーロッパへは、16世紀後半に東インド会社の手によってオランダに渡ったのが最初だとされています。

16世紀後半に中国からオランダへ渡ったはずのパグ。

一方で1575年にオランダ王室で飼われていたポンペイという名前のパグが、スペイン艦隊の襲撃に気づき吠えて知らせたおかげでウィリアム王子が一命を取り留めたというエピソードがありルーツには謎も残ります。

フランスでパグの人気を不動にしたのが、ナポレオンの妻であるジョセフィーヌです。

彼女が修道院に監禁されたときに、愛犬のフォーチュンの首輪に秘密のメッセージを付け夫のもとに運ばせたエピソードが、たちまちフランスで広まりました。

パグのフォーチュンは、ジョセフィーヌの結婚初夜にナポレオンに嫉妬し噛みついたとも伝えられています。

16世紀後半オランダのウィリアム3世がイギリスの国王になるためイギリスに旅立ったときに連れたパグには、オランダのナショナルカラーであるオレンジ色のリボンを結んで一緒に海を渡りました。

イギリスにあるパグクラブのテーマカラーは現在もオレンジなのはその名残です。

当時のパグは現在よりも体が大きく顔つきも異なっていました。

現在の姿になるのは19世紀後半になってからです。

日本にパグが入ってきたのは昭和30年ごろと言われており、アメリカからで、今ではJKC登録犬籍数でも4585頭で14位(2016年1月~12月)という人気ぶりです。

どの時代でも、どこの国でも人々の心をとらえてきた犬種であることがわかります。

パグ雑学

国によってパグの呼び方が異なるのが面白いところでもあります。

中国
呼び名:「パークゥ」
語源由来:「いびきをかいて寝る王様のような犬」と呼ばれています
ドイツなどのゲルマン系の国
呼び名:「モブス」
語源由来:「しかめっ面」
ヨーロッパの中でもラテン系の国々
呼び名:「パグナス」
語源由来:「握りこぶし」
フランス
呼び名:「カーリン」
語源由来:パグの愛好家であった俳優の名前からが由来
オランダ
呼び名:「モンプスホンド」
語源由来:鼻をブーブー慣らすことから「おどけた犬」

パグの性格

パグを飼った人は次もパグ!!というほど、魅了されてしまう理由には性格の良さにあります。

子供にもフレンドリーに接することができ、家族の誰にでも分け隔てなく心を開き素直に支持に従います。

犬に対しても家族以外の人にも友好的で、見ていると心が洗われるほど天真爛漫で陽気で遊びが好きです。

一方で実は感受性が豊かで繊細です。

人の気持ちや言葉を理解する能力が高く、話しかけると集中しようと頭を傾ける仕草はとてもユーモラスです。

時々、怖がりな子を見かけますがそれらは決してパグ本来の性質ではありません。

明るくて陽気が本質であり、飼い主の喜怒哀楽をよく汲み取って人生のどんな時も寄り添ってくれる素晴らしい伴侶になってくれます。

パグの特徴

しわだらけの愛嬌のある顔、中身がしっかりつまっているコンパクトで力強いボディ、ベルベットのように柔らかい耳、つぶらな瞳。

いつも何か考えているようですが深刻ではなくユーモラスな表情。

その要素をとってもパグならではの魅力がいっぱいです。

パグのファニーフェイス

他の犬種に比べJKCなどが定めるスタンダードでは、目やしわの特徴について記述が大きく割かれるほど顔が重要視されている犬種です。

一言でいえば、はっきりとした明瞭な顔が理想とされています。

パグの最大の特徴である顔のしわは「ダイヤモンド」などと呼ばれています。

1頭1頭の違う模様が個性をもたらすダイヤモンドははっきりしていればしているほど、パグらしさが引き立ちます。

興味のあるものをみたり集中するとぐっと浮き出てきます。

頭と耳

大きくて丸いのが特徴ですが、チワワのようなアップルヘッドではありません。

広く平らな頭蓋骨が理想で、耳は薄く小さく柔らかいです。

耳たぶが前方に向かって折れていて、耳の先端が目の方を指している「ボタン・イヤー」がもっとも好ましいとされています。

尻尾

高い位置につき、背中の中心できっちり巻いている形がベストです。

四肢

足先は丸すぎず長すぎず、爪は黒色が望ましいです。

ボディが筋肉質で重い分、脚にかかる負担は小さくありません。

普段から運動させ筋肉量をあげるようにしましょう。

鼻ぺちゃ丸顔犬種

口吻が短いため空気の通り道がせまく呼吸による放熱メカニズムの効率がよくありません。

暑い外気が口吻内で十分に冷えないまま直接体内に入ってくるため暑さや湿度にはとても弱いことは覚えておかなければまりません。

パグがなりやすい病気

パグ脳炎

壊死性髄膜脳炎と言い、パグ脳炎とも呼ばれる原因不明の病気です。

パグが発症しやすい犬種でこの呼び名がついていますが、マルチーズやフレンチブルドッグなどのいくつかの小型犬も発症していることから、遺伝が関与しているといわれています。

脳の炎症が徐々に進み、脳が萎縮していきます。

初期症状は、発作や視力障害などで病気が進むにしたがって、同じ場所をぐるぐる回る旋回運動や常に首をかしげたようになる斜頸が起こります。

立つことができずに宙を泳ぐように四肢を動かし続ける遊泳運動が見られることもあります。

壊死性髄膜脳炎の治療方法は確立されておらず、内服薬での治療に反応した場合には、数年間の生存が期待できることもあります。

鼻腔狭窄

鼻の穴やその奥の気道が先天的に狭くなっていて、呼吸困難を起しやすい病気が鼻腔狭窄です。

軽度であれば、そのまま普段の生活に気をつけていくことになりますが、症状によっては手術が必要な場合もあります。

普段からパグは鼻をならしていることも多いものですが、興奮している時や運動時には特に注意しましょう。

パグ特有の病気ですので、日頃からの呼吸チェックを行い、苦しそうにしている場合は、獣医師に相談しましょう。

膿皮症

皮膚に常在している病原性の低いブドウ球菌が原因となって、膿皮症は起ります。

毛穴部分に赤いぽつぽつとした発疹がみられ進行すると脱毛やフケといった症状もみられます。

原因はアトピー体質、脂漏体質、食物アレルギー他、甲状腺機能低下症といった内分泌系疾患など様々です。

膿皮症の発症原因を探りながら治療していきます。

パグはとくに顔のしわの溝に炎症を起こす、「顔面皺壁膿皮症」に要注意です。しわの間を清潔に保ちましょう。

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肥満細胞腫

悪性の腫瘍です。パグは他犬種に比べ肥満細胞腫の好発犬種で特にブラックのパグの発症率が高めとされています。

1歳未満から発症する場合もあるため油断できません。

皮膚のどこにでもでき、飼い主もイボのようなものとして発見することが多いです。

肥満細胞腫には赤いものもあれば白いものもあって、小さい腫瘍のうちに外科的手術をすれば命を救える可能性も高くなります。

日常的にこまめな皮膚チェックは欠かせません。

愛犬の毛が逆立っていたら、皮膚に病変がある可能性が高いことを覚えておきましょう。

体重・大きさ

メス体重6.3~8.1kg
オス体重6.3~8.1kg  

JKCによれば、「堅固な筋肉質だが、サブスタンスと過体重を混同してはならない」とされています。

本来パグは骨太で筋肉質で堅く丸く、コロコロと動き回ります。

骨太でがっちりな筋肉質を理由に、太りすぎにはなってはいけません。

寿命はどのくらいか

12~15歳と言われています。

パグは老化の早い犬種なので、早めの老化対策をとってあげることが大切です。

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毛色の種類

JKCスタンダードによると、カラーバリエーションは以下の4つです。

①フォーン

パグならではの代表的なカラーで、日本で最もよく見かけるカラーです。

②アプリコット
深みのある色合いが人気のカラー。

フォーンを濃くしたような色、フォーン同様にトレースやマスクとのコントラストが強いのが理想です。

赤みがかった深みのある独特の色合いで近年人気が高まっています。

③ブラック
艶やかな光沢でファンも多いカラー。

完全な真っ黒で、胸の内側に多少の白が入るパターンもあります。

④シルバー
日本にはシルバーのパグはみかけません。

グレーがかった毛色のなかに、フォーンを薄く明るくしたような毛色が混じっています。

光に当たるとシルバーのように毛色がきらきらしているようにも見え、大変貴重な毛色です。

パグのミックス犬種

パグ×チワワ(スムース)

パグ×シー・ズー

パグ×ミニチュア・シュナウザー

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