今回はフクロモモンガをこれから飼育しようと考えている方に、どんな飼育グッズを購入すればいいのかをまとめました。
周りに飼育している人が少ないため、正直どんなケージや寝床がいいのか?情報が少なく、分からないこともありますよね。
モモンガは野生動物なので、野生の生態に基づいたモモンガにとってベストな飼育環境から、グッズを揃えていけるようご紹介します。
フクロモモンガの生活環境って?
飼育下でのフクロモモンガの住まいは「ケージ」です。
フクロモモンガをあまりケージから出さない場合はもちろんのこと、フクロモモンガをケージから出して遊ばせる時間が長いとしても、ケージはフクロモモンガが最も安心して暮らせる「我家」ではなくてはなりません。
置き場所、かけられる金額などは飼い主さんによって違うので、用意できるケージの大きさも様々でしょうが、可能な範囲でフクロモモンガに適した住まいを用意してください。
住まいには、野生の暮らしのエッセンスをうまく取り入れましょう。
第一には、フクロモモンガは樹上生活であるということ。
野生のフクロモモンガは、ほとんど木の上で生活し、稀にしか地面に降りず、地上いるときの方が捕食動物への警戒心は強く高いところにいる方が安心感があるのではないかと考えられています。
活発に動き回れることも大切です。
活動時間のフクロモモンガはとても活発で、ケージの中で登ったり降りたり、またはジャンプして移動したりと、いろいろな動きを可能にする必要があります。
高さ、広さだけでなく、止まり木などで動きのバリエーションを作ってあげましょう。
ケージ選びのポイント
フクロモモンガのケージで重要なのは、高さがあるケージを選ぶことです。
高さがあるケージを使っていると、ケージの上部にばかりいて、めったにケージの床まで降りてこないフクロモモンガも多いものです。
だからといってフクロモモンガが使わない下部の空間は不要かといえば、そんなことはありません。
その空間は地面から離れたところにいるという、安心感を持たせるための「必要なムダ」だといえます。
高さのないケージで飼っていると、フクロモモンガは床の上にいることが多くなりますが、「ずっと地面にいる」ということに本能的な不安を感じるのではないかと考えられます。
最初からセットになっているのもあります↓
床面積
いくら高さがあっても、床面積の狭いケージにたくさんの止まり木やコーナーステージなどを取り付けていくと、空間に余裕がなくなってしまいます。
高さだけでなく、床面積にも注目しましょう。
十分な空間
ケージの中には、寝床を始めとしていろいろな飼育グッズを設置することになります。
退屈しない住まいを作ろうと思えば、遊びグッズも欠かせません。
こうしたグッズを設置してもなお、空間が十分にあるような大きさのケージを選びましょう。
安全性
ケージの大きさと同じくらい大切なのが、安全性です。
フクロモモンガは金網部分を排出物で汚すことが多いため、さびやすこと、亜鉛メッキで塗装してあるものだと、金網をかじって過度に亜鉛が体内に取り込まれて鉛中毒を起こす可能性があることなどから、ステンレス製のケージをおすすめします。
ケージの内側に危険箇所がなかもチェックを。
ごくわずかな隙間でも、爪の先が引っかかることもあります。
購入時に点検するのは難しいので、使い始めてからのフクロモモンガの様子をよく観察してみてください。
網目や大きさ
フクロモモンガ用やリス用として販売されているケージなら問題ありませんが、チンチラやフェレット、大型インコ用などのケージをフクロモモンガに使う場合は、網目の大きさにも注意を。
大人のフクロモモンガには問題なくても、子供のフクロモモンガは脱走できるかもしれません。
場合によっては目の細かい網を張ることも必要になります。
世話のしやすさ
フクロモモンガにとってのよいケージと、飼い主さんにとってのよいケージが必ずしも同じではないかもしれません。
フクロモモンガにとっては大きければ大きいほど快適だといえますが、世話のしやすさも大きなポイントです。
ケージ全体を水洗いするときに移動させやすいか、汚れやすいケージの底の隅は掃除しやすいか、食器を置く場所の近くに扉はあるか、巣箱やポーチを出し入れできる扉はあるかなどの点もチェックを。
慣れていないフクロモモンガのケージを掃除するときには、寝ているポーチや巣箱ごと別のケージに移動させられると楽です。
キャスター付きのケージだと便利です。
置き場所とサイズ
ケージをどこに置く予定か、それも考えてみてください。
フクロモモンガはケージの外に向かって排出することが多いですし、特にフクロフクロモモンガは食事のときに周囲を汚すことがあります。
床が汚れないようケージの周囲に新聞紙などを敷いたり、汚れが周囲に散乱しないよう、ケージのすぐそばに板やダンボールなどを立てかけてくような余裕が作れるでしょうか。
ケージサイズ
前記のポイントを踏まえた上で、できるだけ大きなゲージを用意しましょう。
洋書ではおおむね「ペアで飼う時の最低限サイズ」として、床面積60~70cm四方、高さ70~90cmくらいのケージが推奨されてます。
当然一つのケージで飼育する頭数が多いなら、大きなケージが必要です。
子供フクロモモンガの住まい
まだ幼いフクロフクロモモンガの子供を迎えた場合、しばらくの間はケージではなくプラケースで加温しながら飼う必要があります。
若いフクロモモンガは、最初のうちは小さめのケージで飼う方がいいという考え方があります。
ケージが小さいほうが、ケージ内のフクロモモンガを捕まえるときに追い回さずに済み、人への恐怖を持ちにくいからです。
また摂取した栄養素は体内作りのために使うべきなのに、ケージが大きいと活発に動き回りすぎ、エネルギーを消費してしまいます。
ケージがちいさければ、高いところから落下して大怪我をする心配なしに飛び回ることができます。
フクロモモンガの飼育グッズ
- ケージ
- 寝床(ポーチ・巣箱)
- 止まり木・コーナーステージ
- トイレ
- 食器・給水ボトル
- 床材・巣材
- 体重計
- 温度計・湿度計
- 移動用キャリーケース・ケージ
- ペットヒーター・冷却ボード
- ナスカン
など
ポーチ(袋)
フクロフクロモモンガが寝床として好むほか、げっ歯目のフクロモモンガにとっても、暗くて体がどこか触れているような環境は安心するようです。
ポーチは普段の寝床として使うほか、フクロモモンガを慣らす段階でも大いに活躍してくれます。
ポーチの素材は、爪が引っかかりにくく、当たりが柔らかいフリース素材などがおすすめです。
布の危険性
いまやフクロフクロモモンガの寝床といえばポーチ、というくらい一般的になっていますが、十分な注意も必要です。
ケージにセットしたらそれでOKとせず、布をかじっていないか、糸がほつれていないかをこまめにチェックしてください。
しばらく使っていると爪が引っかかりやすくなることもありますから、フクロモモンガの様子をよく観察し、適当な時期に交換することも必要です。
また布をかじる傾向にあるフクロモモンガなら、ポーチを使うのはやめるというのも選択です。
巣箱
野生下では、げっ歯目のフクロモモンガは野鳥用にかけられた巣箱を好んで使います。
フクロフクロモモンガも野生での巣は樹洞ですから、寝床はポーチではなくて巣箱でも構いません。
リス用やセキセイインコ用の巣箱を使うことができます。
巣箱の上で排出することも多いので、複数を用意しておいてまめに交換しましょう。
複数の寝床を用意する
ポーチを使うにせよ巣箱を使うにせよ、安心して眠れる場所、隠れられる場所があることはとても大切です。
巣箱とポーチを両方とも設置し、フクロモモンガに選ばせてもいいでしょう。
ケージのサイズに余裕があるなら、ぜひいくつか設置してあげてください。
複数のフクロモモンガを一緒のケージで飼っている場合には、必ず複数のポーチや巣箱を入れる必要があります。
止まり木・コーナーステージ
ケージ内に高低差をつけたり、ケージの高い場所に生活スペースや休憩スペースを作るために欠かせません。
市販の止まり木には、小鳥用の細いもの、大型インコ・オウム用の太いものなどがあります。
細い止まり木をバランスを取りながら移動したり、太い止まり木の上でのんびりくつろぐなど、行動のバリエーションを増やすことができます。
太い止まり木だと爪の先が当たるので、多少なりとも爪の伸び過ぎを防ぐことができます。
ヤナギ、カシワ、クヌギ、クリ、けやきなどの樹皮のついた枝を拾ってきて、止まり木にしてもいいでしょう(農薬などで汚染されていないこと)。
樹皮をかじるのは、本来の習性です。
枝は煮沸すうはか水に漬け、よく乾かしてから使ってください。
ケージ内に立てかけておくだけでもいいですし、片側にボルト・ナットをつければ金網に取り付けることもできます。
コーナーステージ、自作のステージは食器やトイレの置き場所、休憩場所になります。
食器などをステージに置く場合は、大きめのステージを選んでください。
鳥用の皿巣やつぼ巣をつけるのもいいでしょう。
トイレ
飼い主が「ここでしてほしい」と思う場所で排出させるのはなかなか難しいですが、だいたい決まった場所で排出をする傾向はあります。
金網につかまって排出するなら、ケージ周囲に新聞紙やペットシーツを敷いたり、ダンボールや板などにペットシーツをためておくといいでしょう。
コーナーステージの上など平らな場所で排出するなら、小動物用のトイレ容器にトイレ砂を入れておくこともできます。
ケージにつけた皿巣や、小さな藤のかごをトイレとして利用するフクロモモンガもいるようです。
トイレ砂を使う場合は、濡れても固まらないタイプが安全です。
食器
ケージに付属しているものを使うこともできますが、衛生面を考えると陶器製やステンレス製がおすすめです。
安定性のあるものを選びましょう。
フクロフクロモモンガが食事の際に周囲を汚すのを防ぐため、フード付きのケースに食器を置き、そこで食べさせる方法があります。
給水ボトル
水は給水ボトルで与えましょう。
どうしてもボトルから飲んでくれない場合は、深さのある陶器製やステンレス製の容器を使い、排出物や食べかすで水を汚さないよう、こまめに水を交換してください。
床材
ケージの底には広葉樹のウッドチップを集めに敷き詰めるか、ペットシーツを敷きます。
ペットシーツをかじるようならウッドチップに、フクロモモンガがかじらずまたこまめに掃除できるなら、新聞紙でも問題ないでしょう。
巣材
巣箱の中には柔らかい牧草などを巣材として入れたり、新聞紙をちぎったものを使うこともできます。
国内の主要な新聞は、安全性の高いインクが使われているそうです。
キッチンペーパーを使っている飼い主も多いと思いますが、使うなら爪が引っかからないタイプのものを利用しましょう。
フリースを入れておくこともできますがポーチと同じように、爪が引っかかったり、かじったりしないかどうか注意してください。
綿の素材は指にからまるなど危険ですので、使わないようにしてください。
体重計
定期的な体重チェックは健康管理上大切ですし、幼いフクロモモンガを育てているときには毎日計り、体重が増えていることを確かめることが欠かせません。
0.5g~1g単位で計れるデジタルキッチンスケールが便利です。
体重計の上でじっとしていてくれるとは限りませんから、プラケースやポーチに入った状態で計り、あとで容器の重さを引くといいでしょう。
移動用キャリーケース・ケージ
動物病院に行く時など、どこかにフクロモモンガを連れて行くときのために、移動用キャリーケースを用意しておきましょう。
中途半端に広いとかえってフクロモモンガは落ち着きません。
また移動用のほかに、掃除中などにフクロモモンガを移しておくための小さいケージも用意しておくと便利です。
ペットヒーター/冷却ボード
フクロモモンガのケージ内での温度対策グッズとして、寒さ対策にはペットヒーターやひよこ電球、暑さ対策には冷却ボードなどを用意しておくといいでしょう。
特に、まだ子供のフクロモモンガを迎えたときには、ペットヒーターは必須です。
ナスカン
フクロモモンガは賢い動物なので、ケージの扉の開け方を覚えてしまうことがあります。
また、同じケージを使い続けていると、留め金部分がゆるみ、かんたんに開いてしまいます。
こうしたことを避けるため、扉にはナスカンを付けておきましょう。
その他の生活グッズ
まだ慣れておらず、噛み付いてくるようなフクロモモンガを持つ時、手袋があると便利です。
厚手のものだと力加減が難しく、ぎゅっと強くつかみすぎてしまうことがあります。
手の感覚を鈍らせない程度の、薄手の革手袋がいいでしょう(タオルで代用してもOK)。
慣れていないフクロモモンガが部屋の中に出てしまい、なかなか捕まらない場合には、いつまでも追いかけているよりも、捕虫網ですぐに捕まえた方がフクロモモンガのストレスも少ないものです。
まとめ
フクロモモンガを飼育にするにあたり、必要な飼育グッズはざっとまとめると・・・
- ケージ
- 寝床(ポーチ・巣箱)
- 止まり木・コーナーステージ
- トイレ
- 食器・給水ボトル
- 床材・巣材
- 体重計
- 温度計・湿度計
- 移動用キャリーケース・ケージ
- ペットヒーター・冷却ボード
- ナスカン
以上のモノが最低でも必要になります。
いまはAmazonで小動物用にグッズがかんたんに購入できますので、飼育しやすくなったのではないでしょうか。