高齢の愛犬に、こんな悩みはありませんか。
✔愛犬が太ったような気がする
✔老犬のダイエット方法が分からない
✔水飲みすぎだけどこれって病気?
✔老犬が上手にご飯を食べられない
✔食事の介助方法
✔流動食の作り方
今回はこんな悩みを解決する方法をお教えします。
老犬が太った/痩せた
人間と同じように、犬も歳を取ると太りやすくなります。
年齡とともに運動量は減り基礎代謝が減るため、エネルギーが消費されにくいカラダになります。
肥満は糖尿病や心臓病のリスクを高め、関節に負担をかける原因にもなります。
反対のケースには、足腰に痛みがあって食事の体勢がつらい、歯が痛むなどの理由で十分な食事が取れず、痩せてしまうこともあります。
まずは愛犬の体型をしっかりチェックし、健康を保つためには肥満を防ぎ、理想の体型を維持することが第一です。
若い頃以上に食生活や運動量を意識しましょう。
肥満度を確認
下の表は、ボディコンディションスコアと呼ばれる体型の早見表の一部です。
肥満、超肥満に当てはまったら、獣医師に相談して早めにダイエットをしましょう。

日頃からカラダに触れておく
肥満化どうか判断する一番かんたんな方法は、カラダに触れることです。
日頃から愛犬のカラダをくまなく触って、体型の変化に気づいてあげましょう
適度に骨が感じられる程度が理想的です。
シッポ | 肥満の犬はシッポの付け根にシワが寄っていたり、付け根に向かって太くなっている |
助骨・背骨 | 肥満を判断できる一番のポイント。触ったとき、助骨が確認できなければ肥満体型。 |
アゴ | 標準体型の犬はほとんど肉付きがないが、肥満の犬の場合はアゴがたるんでいる |
首の後ろ | カラダの中で一番最後に脂肪がつく場所。ここに脂肪が寄っていたら、肥満だといえる |
体重は適正なのに、体脂肪率を量ると肥満。
これは、脂肪分の多い食生活に問題があると考えられます。
理想的な犬の体脂肪は23%前後で、最近では動物用体脂肪計のある動物病院が増えているので、一度量ってみるといいでしょう。
老犬が太る原因
犬が太る大きな原因は、食事の取りすぎです。
一日に必要なカロリー量よりも多く食べていれば、肥満になるのは当然のことです。
若いころに比べて運動量が減る高齢犬は、必要なカロリー量も少なくなります。
愛犬に必要なカロリー量を再確認して、必要以上のカロリー量を与えていないか、食生活を見直してみましょう。
高齢犬のダイエットで気をつけたいのが、フードの与え方です。
今まで与えていたフードの量を減らすだけでは、量が足りずに満足感も得られない上、必要な栄養素が取れずに栄養不足になってしまいます。
7歳~を目安に、カロリーの低いシニア向けフードに切り替えるといいです。
脂肪分が少なく、高齢犬に必要な栄養素が多く含まれているので、手軽にバランスのいい食事を与えられます。
シニア向けフードとは
高齢犬の食事は、脂肪分を抑えて良質なタンパク質を取るのがポイントです。
シニア向けフードには吸収性のいいタンパク質をはじめ、ビタミンやミネラル、カルシウムなど高齢犬に必要な栄養素も豊富に含まれています。
その上カロリーは控えめで、ダイエットに挑戦するならまずフードの切り替えを始めてみましょう。
切り替える時のコツ
今まで与えていたフードから突然シニア向けフードに変えると、食べなくなってしまうことがあります。
はじめは消化のためにも、今までのフードとシニア向けフードを4:1程度で混ぜて与えて、シニア向けフードの割合を徐々に増やしていきます。
そうすれば少しづつ新しいフードの味にも消化にも慣れるので、食べていってくれるようになります。
老犬のダイエット方法
犬は基本的に、飼い主が与えたときにしか食べる機会がありません。
だから犬をダイエットさせるには、飼い主が日頃から食事量をコントロールすればよいです。
ただし、単に量を減らしただけでは犬に満足感を与えられないので、必要な栄養素も不足してしまいがちです。
犬の食べたい気持ちを満たし、栄養も偏らない食事を与えましょう。
今回のご紹介する老犬用ダイエットメニューは、シニア向けドッグフードを使った手軽なものです。
ちょっとした工夫をするだけで、犬の満足感を高めることができますし、健康状態や好みをよく観察して、食事に取り入れてみましょう。
満足感を得られるトッピング
犬を満足させながらカロリー量を減らす方法の1つが、低カロリー食材のトッピングです。
一日に必要なフードの10~20%を減らし、代わりにゆでたキャベツや無糖のプレーンヨーグルトなどをよく混ぜて与えましょう。
キャベツは食物繊維が豊富いに含まれているし、プレーンヨーグルトは消化を促進する酵素の役割を果たすので、腸の働きが低下している高齢犬にはピッタリです。
人参など他の野菜で応用してもいいでうsが、カロリーの高い食材は避けましょう。
✔消化・吸収のいい食材を使うこと
✔カロリーの低い食材を使うこと
カロリーの低い食材を多用
しいたけやしめじなどのきのこ類、人参や大根、キャベツなどの野菜に含まれる食物繊維は、カロリーが低いだけでなく、排便を促す効果もあります。
与えるときは必ず加熱調理をして、消化しやすいように細かく刻んであげましょう。
上記のようにフードのトッピングに使えだけではなく、ご褒美やおやつをして与えても◎
老犬が水を飲みすぎる
歳と取ると、腎機能の衰えや新陳代謝の低下によって、若いころよりも水をたくさん飲むようになります。
でも一度に大量の水を飲ませると一気にカラダを冷やしてしまい、内臓にも刺激が強すぎます。
老犬のカラダに優しい水の与え方を覚えておきましょう。
特に暑い夏場は、ガブガブ水を飲んでしまいがちなので、量を調節すること。
普段どれぐらい水を飲んでいるか、愛犬の標準を確認しておきましょう。
あまりにも水を欲しがる病気の可能性も
若い頃よりも水をたくさん飲む高齢犬でも、暑くもないのに異常に水を欲しがる場合、病気の可能性があります。
例えばホルモンの病気は、多飲多尿が代表的な症状です。
他にも生殖器の病気、腎不全や腎炎、糖尿病やクッシング症候群など、メスは子宮蓄膿症などの疑いも。
水を大量に飲むようになる病気は多いので、愛犬が普段水を飲む量をよく観察して、あまりにも多く飲むようなら動物病院に相談するといいです。
体重5kgの犬に最低限必要な量は、約400ml。
体重30kgの犬は約1400ml。脱水症状を起さないよう、一日に必要な量はきちんと与えましょう。
老犬にガブ飲みさせない水の与え方
水をガブガブ飲ませると、むせたり内臓を冷やしたりと、老犬のカラダにはよくありません。
飼い主が量を調節してがぶ飲みを防ぎましょう
ボウルを使って与える時は1cm程度を目安にいれ、なくなったら1cm足します。
こまめに水を補充すると、いつでも新鮮な水が飲めるメリットもあります。
また、暑い日は氷を舐めさせても◎
冷たさを感じられますし、舐めたりかじったりと満足感も得られます。
一気に内臓を冷やさないので、高齢犬のカラダにも優しいです。
水の温度にも注意を
内臓の機能が低下している高齢犬に、冷たい水はNGです。
特に刺激が強すぎる氷水を、ガブガブ飲ませるのは、もってのほかです。
なるべく常温の水を与え、内臓を刺激しないように注意しましょう。
冬はカラダを冷やさないように、少しお湯を加えたぬるま湯を与えるといいです。
犬も人間と同じように牛乳を与えると、犬によっては下痢をする場合があります。
いつもよりうんちがゆるくなったら、下痢をしているようであれば、牛乳は避けて、市販の犬用ミルクを飲ませた方がいいでしょう。
特に問題がない場合でも、冷たい牛乳はお腹を壊しやすいです。
与えるときは、犬用ミルクも人肌に温めてから飲ませましょう。
老犬が上手に食べられない
老化によってカラダが不自由になると、若い頃と同じような食べる姿勢を取れなくなってしまいます。
犬が本来大好きである食事の時間を楽しめるように、飼い主は色々工夫をしてあげましょう。
立ち上げれる犬の場合、なるべく若い頃と同じ姿勢で食べさせましょう。
食事台の上にフードを置けば、下を向く必要がなくなり、負担が軽くなります。
立ち上げれない犬は、伏せをさせたり抱きかかえたりして、食事の介助をしましょう。
フードが食道に詰まらないように、それぞれの介助ポイントを押さえましょう。
食事の介助方法

- 伏せができる犬は・・・横に寝かせたままで、フードが詰まってしまう恐れがあるので、伏せの姿勢をさせましょう。
食べやすい位置で食器を持ってあげたり、少量ずつ口に運んであげてもいいです。
食べた後もしばらくは伏せの姿勢をさせて、フードがきちんと胃まで送られるように注意しましょう。

- 伏せができない犬は・・・上体を持ち上げて抱きかかえ、支えながら食べさせましょう。
フードの詰まりを防ぐため、犬のカラダの傾斜が10~15度になるように。
大型犬の場合は、クッションなどに寄りかからせてカラダを安定させ、食後もしばらくこの姿勢をキープさせます。
犬のカラダは食道がたわんでいるため、フードが詰まることがあります。
さらに寝かせたままの姿勢ではフードが詰まりやすく、食道炎を起こす恐れもあります。
フードがスムーズに胃まで流せるように、食事の時は頭を高くしましょう。
また、上体を起こして頭を高くしても、アゴを上向きにすると、フードが気管に入る危険性があります。
必ず口の横から食べ物を与えましょう。
老犬が硬い物が食べられない
はが抜けるなど歯にトラブルがあると、若い頃に与えていたドライフードが食べられなくなってきます。
その時は、ぬるま湯でふやかしたフードや流動食など、犬の状態を見て柔らかい食べ物に切り替えましょう。
水分を多く含んだフードや流動食は、食事と水分補給を同時にできるメリットがあります。
食事の介助が必要な場合、食道にフードが詰まるのを防ぐために、頭を高くして与えることも大切です。
また、水分量の多いフードは、食べかすが歯に残りやすいので、食後は歯みがきを忘れずにしましょう。
流動食の与え方
硬いものを食べられなくなったら、まずはぬるま湯でふやかしたフードを食べさせましょう。
それでも食べづらかったり飲み込めない場合は、流動食に切り替えましょう。
流動食はシリンジを使って与えます。
流動食はシリンジを使って与えまずが、水分が多いためにこぼれやすく、犬の口のまわりを汚しやすいので、タオルを口元に添えるといいです。
膝の上に顔を乗せるなど、頭を高くすることも忘れずに。
シリンジ↓
流動食で有名なカロリーエースです↓
ドライフードで手作り流動食の作り方
市販の犬用流動食を与えるのが、最もかんたんな方法ですが、シニア向けフードを使って自分で作ることもできます。
粒が残ると容器の口に詰まってしまうので、すりこぎでよく潰すのがポイントです。
- すり鉢など、ボウル状の容器にシニア向けフードとぬるま湯を入れたら、しばらく時間をおいて十分にふやかします。
- ぬるま湯を吸収して、軟らかくなったフードをすりこぎやスプーンなどを使い、粒がなくなるまで潰します。
ミキサーなどを使ってもOK。 - 粒が完全になくなるまで潰したら完成。
容器の口から出にくかったり、犬が飲み込めない時は、水分量を調整してみよう。
✔フードの栄養素を壊さないように熱湯ではなく、ぬるま湯を使う。
✔水分によってかさが増えすぎると食べ残してしまい、栄養不足になる。
ぬるま湯の入れすぎに注意。
✔容器の口が詰まらないように、粒をしっかり潰してから与える
噛むことも大事な刺激
歯に痛みがあって流動食に切り替えるのは、犬にとって必要なこと。
でも、もし少しでも自分で噛む力が残っているならば、自力でかませることも大切です。
噛む行為も、大事な刺激の1つ。
流動食への切り替えは飼い主さん判断ですが、愛犬の様子をよく見て、本当に必要かどうかを考えてみるといいでしょう。
まとめ
今回は老犬の食事にまつわる、悩み事をまとめました。
✔愛犬が太ったような気がする
→ボディコンディションスコアでチェックしよう
✔老犬のダイエット方法が分からない
→適正カロリーを知り、シニア用フードに切り替えよう
✔水飲みすぎだけどこれって病気?
→暑くないのに水をたくさん飲みなら、病気の可能性も
✔老犬が上手にご飯を食べられない
→楽な姿勢で食べられるよう、介助を
以上です。