涼しくなってきて、徐々に愛犬の寒さ対策を考える時期ですが、ノミ・ダニ・フィラリアの予防は続けていますか?
予防薬はいつまであげるんだっけ?もう涼しいからいいかな…と思ったら、今回の記事を是非読んでみて下さい。
フィラリア症
「フィラリア」とは寄生虫の名前です。
この寄生虫が蚊を介して犬の体内に入り込み、心臓などに機能障害を引き起こし、命に関わることもあります。
フィラリア症、犬糸状虫症といわれます。
犬以外にも猫や人間にも感染します。
国内でも人間への感染は過去に100例ほどあるようですが、重症化することはほとんどないといわれています。
また、猫にも感染しますがフィラリアが体内で育ちにくいようです。それでも犬と同様に死に至ることもあるので予防対策は必要です。
犬の体内はフィラリアが寄生しやすいので、どの犬も気をつけなくてはなりません。
フィラリア予防
フィラリア症はほとんどが予防薬で防ぐことができます。
薬は錠剤タイプ、おやつのようなチュアブルタイプ、首の後ろに塗布する滴下薬(スポットタイプ)、注射(注射は年に一回)があります。
実はフィラリアの場合、予防薬という言い方は正確ではないのです。予防するための薬ではなく、駆除するための薬になります。
蚊に刺されるのを防ぐわけではなく、蚊に刺されて体内に入ってきたミクロフィラリアが成長して心臓に寄生する前に駆除するというものです。
といっても毎回フィラリア症に感染しているか検査するのは犬への負担が大きくなってしまうので、感染してもすぐに駆除できるようにという意味で予防薬と呼ばれているのです。
そのため、できるだけ蚊に刺されないようにする対策は飼い主さんがして、体内に入ってしまったフィラリアは薬で確実に駆除するという方法で予防しましょう。
フィラリア予防はいつまで?
蚊に刺されることで感染する病気なので、蚊が活動している期間は予防が必要です。
さらに大事なことはフィラリア予防薬は投与1カ月前に感染した幼虫を駆除するため、蚊がいなくなった1カ月後まで予防が必要となります。
蚊は15℃以上の気温があれば吸血活動をするので、活動しなくなってから1カ月後までは予防薬が必要です。
どの地域も10月に大体15℃はあるので、どんなに寒くても11月末、多くの獣医さんは12月までは薬を飲ませるように推奨しています。
早めに予防薬を切り上げてしまい、万が一刺されてしまうと今までの予防も水の泡となってしまうのです。
ノミ・ダニ
犬に寄生するノミやダニは、死に至る病気を引き起こすことがあります。
人に感染する人獣共通感染症(ズーノーシス)の原因になることも。また、急増しているSFTS(重症熱性血小板減少症候群)の病原体をもつマダニにも注意が必要です。
皮膚の痒みなどのノミアレルギー性皮膚炎、瓜の種が連なっているような形態の瓜実条虫が小腸に寄生する「瓜実条虫症」、赤血球が破壊されて溶血性貧血が起こる「ネコヘモプラズマ感染症」、バベシア症、リケッチア、ライム病、Q熱など様々な感染症の危険があります。
犬から人へ間接的に伝染することもあり、人間の健康のためにも予防・駆除は重要です。
ノミ・ダニは基本、春から夏にかけて繁殖を繰り返します。夏後半に生まれたノミ・ダニは秋口にかけて活動し始めます。
ノミは13℃以上、ダニは20℃以上で繁殖できます。また、ジャンプ力が高くノミは約30㎝、ダニは約1mも飛びます。
涼しくなる前に、犬や人間の服などに飛びついて家の中に入ってくると、繁殖を続けることが可能で真冬でも家の中で繁殖できるのです。
そのため、草むらの多い場所を散歩しなければ大丈夫、外に出ないから安心ということはありません。
ノミ・ダニ予防
ノミ・ダニ予防薬もお肉のようなチュアブルタイプ、首の後ろの皮膚に液体を直接つける滴下薬(スポットタイプ)があります。
ノミ・ダニの予防だけではなく、フィラリア予防も入っているオールインワンタイプもあります。
また、ブラッシングの際に愛犬の被毛の中にマダニやノミを発見することが多いため、定期的なブラッシングも重要です。
ノミ・ダニ予防はいつまで?
フィラリアとは違い、ノミ・ダニは冬でも室内で繁殖するため一年中の予防が必要です。
愛犬のために正しく予防しましょう
夏の暑さから解放されて、愛犬とのお出かけもより楽しく感じる時期ですね。
外出が増えると、やはり蚊やノミダニは気になります。どちらも死に至る病気を引き起こすため、予防は大切です。
特にフィラリアは蚊=夏のイメージがあるため、涼しくなると予防薬を切り上げてしまう飼い主さんがいるようです。
せっかく何カ月も投与してきた予防薬も、最後の1~2カ月あげなかっただけで感染してしまうこともあります。自己判断せずに、適切な期間しっかり予防しましょう。
予防薬の種類もさまざまありますが、投薬のし易さ、生活スタイルによって選べます。
アレルギーや予防薬の副作用などが心配な場合は、獣医さんに薬の種類、時期などを相談しましょう。