フレンチブルドッグってどんな犬?【性格・特徴・なりやすい病気など】

最近ますます人気のフレンチ・ブルドッグ。

ピンと立った大きな耳に、くりくりした大きな目、フガフガブヒブヒ、こちらをじっと見ながら一緒に遊ぶのを待っている仕草は、完全に話しかけている証拠です。

今回はそんな表情豊かなフレンチ・ブルドッグの歴史や性格、特徴などを掘り下げてご紹介していきたいと思います。

気難しい?と言われる理由や、テンションがマックスになってしまう、そんなフレンチの興奮スイッチはいったいどこにあるのか、興奮しすぎた時の落ち着かせ方なども解説しています。

飼育方法やしつけのコツもフレンチならではのポイントがあるのでぜひ参考にしてもらえればと思います。

フレンチ・ブルドッグの歴史

フレンチ・ブルドッグは、すべてのマスティフ系の犬種と同様に古代ローマの軍用犬の血を引くモロシアン犬種に由来があると考えられ、ブルドッグの祖先やフランスのボルドー・マスティフなどとも関連があるとされています。

wiki

ブルドッグはイギリス原産ですが、フレンチ・ブルドッグに関してはフランス人が「自分たちが作った犬だ!!」と主張しており、原産国はフランスになっています。

1860年ごろのイギリスでは、大きなサイズのスタンダードなブルドッグが好まれ、小さめのブルドッグはあまり注目されていませんでした。

小さなブルドッグの多くは、そのためかフランスへと渡っていったとされており、1880年代になると小さなブルドッグはパリの下町で飼われるようになります。

熱心なブリーダーによって今のフレンチ・ブルドッグに近い犬が出来上がり、パリ中央市場の労働者や肉屋、卸問屋などが飼っていましたが、やがて上流階級や芸術家の間でも人気となりました。

フランスでフレンチ・ブルドッグが犬種として正式に公認されたのは、1898年のことでした。

当時は今ほど外見が統一されておらず、フレンチ・ブルドッグのような立ち耳(バットイヤー)とブルドッグのような垂れ耳(ローズイヤー)の両方がいました。

イギリス人はコウモリのような立ち耳のフレンチ・ブルドッグに対し「ブルドッグにあらず!!」と反発しますが、パリの人たちは立ち耳のフレンチ・ブルドッグに夢中になります。

やがてその人気はフランスからヨーロッパ諸国、アメリカに広がりをみせました。

アメリカの愛好家たちは、「バットイヤーの犬のみをフレンチ・ブルドッグと認めるべき」と主張し続け当時は論争にまで発展しました。

その結果がどうなったのかは、現在のフレンチ・ブルドッグの耳を見れば一目瞭然です。

タイタニック号とフレンチ・ブルドッグ

『タイタニック』(1997年公開)豪華客船タイタニック号の沈没を描いた、有名な作品です。

実際のタイタニック号には、数多くの動物も乗船していました。

そのうち事故から生還したのは飼い主によって保護されて救命ボートに乗り込むことができた3頭の犬のみで、他の動物たちはタイタニック号とともに行方不明となりました。

実際にタイタニック号には12匹の犬が乗っており、その1匹がドッグショーに向かうチャンピオン犬、フレンチ・ブルドッグの“Gamin de Pycombe”だったという記録があります。

フレンチ・ブルドッグの性格

明るくてひょうきん、好奇心豊かで人なつっこい一緒にいて楽しい犬種です。

ただ陽気なだけでなく、気立てがよく優しさや頼もしさを備えている点もフレンチの魅力です。

飼い主に対してはとくに深い愛情を寄せまるところもたまらなく愛おしさを感じさせますが、執拗になとわりつくタイプではありません。

まったりしているように見えますが、実は大変パワフルな犬種です。

いったん興奮するとハイテンションになりすぎてしまうところがあり、人を見ると遊びに誘い遊んでもらうとうれしくて生き生きと動き回ります。

快活という言葉がぴったりの犬種です。

ブルドッグの気質である多少頑固な面がみられることもありますが、小さなことでねちねち不満を言ったりしせん。

フレンチ・ブルドッグは気難しい?

フレンチ・ブルドッグは愛嬌のある魅力的な犬種ですが、一部では「怒ったり興奮しやすく扱いが難しい犬種」と言われることもあります。

そういう一面もありますが、すべてのフレンチ・ブルドッグがそうだというわけではありません。

フレンチ・ブルドッグの中にはおおまかに2タイプに分かれると言われています。

フレンドリーで温厚タイプ
フレンドリーだけど感情の起伏が激しいアクティブタイプ

アクティブタイプのフレンチ・ブルドッグも、決して元々の気性が荒いとか気難しいというわけではありません。

例えば、運動不足による不満や、ほかの犬を前にした緊張などでストレスを感じているときに怒りとなって現れているだけなので、それを解消してあげれば落ち着くことがほとんどです。

愛犬がなんらかのスイッチが入って興奮したときには、悪い子と決めつけずに何が嫌なのか苦手なのかを気づいてあげることが大切です。

フレンチ・ブルドッグの特徴

フレンチ・ブルドッグは一度見たら忘れられないインパクト抜群の容姿の持ち主です。

ぺちゃんこのつぶれた鼻、深くて長いしわは他の犬種とは一線を画したファニーフェイスです。

表情も豊かでうれしいと口をニッと開けて笑っているような表情をみせてくれるところも魅力です。

表情を伝えてくる瞳は少し出ていてダーク色をしています。

楽しいときにはキラキラ輝いたり、飼い主の顔をのぞき込んだりとじつに表情豊かです。

ボディは、小柄ですがしっかりした骨格を有する短めボディで、触るとプリッとした感触がはっきりとわかるほど大変筋肉質です。

お尻の低い位置にある短い尻尾もフレンチの特徴です。

光沢のある美しい被毛は、上毛と下毛のダブルコートです。

ボディに密着するように全身を覆っていて感触は滑らかで抱き心地も最高!♡

中でもフレンチの際立った特徴を作り出しているのは、バットイヤーとスカル(頭部)です。

角形で大きなスカルに、まるでコウモリが翼を開いたような大きな耳がニョキッと立っているところもフレンチらしい陽気さを感じさせます。

お尻の動き

一見断尾しているようにみえますが、うまれつき短い尻尾です。

お尻に密着するように生えていて、先が細くこぶ状になるかねじれています。

尻尾を振ろうとすると、腰ごとブンブン動いてしまう姿がユニークです。

気持ちによってアンテナのように動く耳

大きな耳は、フレンチの感情が豊かに現れる部分です。

リラックス状態では開口部が前を向き、頭の上にほぼ真っ直ぐに立っています。

驚いた時や、探検をしているとき、怖がっているときなど感情によって横を向いたり、伏せたりと自在に耳の角度が変わります。

嬉しいときも怖がっているときも耳を後ろにひくことがあり、耳だけでなく総合的に判断すると怖がっているのかわかります。

なりやすい病気の種類

水頭症

水頭症は頭に水が溜まってしまう病気です。

フレンチ・ブルドッグでは、先天性水頭症が見られることがあり、遺伝の関与が疑われています。

頭に丸い腫れがみられ、頭蓋骨が完全に閉じていないので頭頂部を触ってみると隙間が空いているのがわかります。

発症すると疲れやすくなり元気がなくなります。

進行すると、歩行異常や旋回運動、視力障害をはじめ、ぼんやりしていたり、性格が凶暴化したりといった症状が複合して起こります。

薬で脳圧を下げる治療を中心に行ないます。
先天性水頭症の根治は困難で、生涯つき合って行かなくてはなりません。

外鼻腔狭窄

外鼻孔狭窄は生まれつき鼻の穴が狭いことが原因で呼吸がしずらくなります。

鼻呼吸するときに「ヒューヒュー、ゴーゴー」という音がしたり、呼吸が荒い、いびきをかく、鼻水をよく飛ばす、暑がってべたっと床につけて体温を下げようとするなどの症状がみられます。

穴が狭く、空気が通りずらい状態のままにしておくと次第に鼻の奥の上気道も狭くなり呼吸機能も衰えるため、早めの整復手術が必要になります。

角膜炎・角膜潰瘍

角膜は、黒目をおおっている膜のことで、角膜に傷が付いたりウイルスに感染して起こる炎症のことを角膜炎といいます。

角膜炎は痛みを伴い、目やにがたくさん出て、しょぼしょぼした目になります。

悪化すると痙攣が起きたり、腫瘍になったりすることもあります。

フレンチ・ブルドッグは、比較的目が突出しているので少しのことで傷ついてしまいます。

軽度の場合には通院で治療しますが、悪化し進行する場合には手術が必要な場合もあります。

アレルギーー性皮膚炎

フレンチ・ブルドッグは皮膚がデリケートな犬種です。

アレルギー性皮膚炎には、一時的なものと慢性的なアレルギーとあります。

慢性アレルギー性皮膚炎には、ハウスダストや花粉、食べ物など具体的なアレルギー物質を特定できる場合もあれば、特に原因がなくても症状を繰り返す遺伝的な場合もあります。

強い痒みが出るので、犬は掻かずにはいられなくなります。

悪化すると皮膚がただれて脱毛や乾燥がみられますので、十分な保湿が必要になります。

犬の保湿には、以下の記事で紹介している「温泉成分AVANCE(アヴァンス)」がおすすめ。

慢性化しやすい病気で、何が原因か探りながらの治療になります。

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