モモンガは、なんともいえない神秘的な魅力の持ち主。
まんまるの大きな目はラブリーだし、空を飛ぶという不思議な行動も、私達を惹きつけてやみません。
適切な方法で慣らしていけば、しっかりとした信頼関係を作ることもでき、アメリカモモンガよりもフクロモモンガはとてもよく慣れてくれます。
しかし動物を飼い続けるんは、多くの時間やお金がかかりますし、飼い始めてから「こんな動物だなんて知らなかった!」ということにならないよう、モモンガという動物の特徴を学んでから飼育するか決めましょう。
今回はあえて、モモンガを飼育するうえでのデメリットをまとめました。
モモンガの寿命
小さな動物ですが、だからといって短命ではありません。
フクロモモンガは10年以上、げっ歯目のモモンガ(アメリカモモンガなど)も10年くらい長生きしてくれることもあります。
モモンガの活動時間
夜行性です。夜になると活発になり、夜中に騒々しいこともあるので、寝室にケージが置いてあるとうるさくて眠れないかもしれません。
モモンガの食事
食事はペットフードと水だけというわけにはいきません。
フクロモモンガは食事の準備に手間がかかります。
毎日のお世話
世話は毎日必要なうえ、ケージ内やケージ周囲を汚すことも多く、手間がかかります。
最適な環境作り
退屈な環境はストレスになります。
十分な広さのケージと、楽しい環境作りを常に心がける必要があります。
夏や冬は温度管理が必要で、エアコンなど電気代がかかります。
トイレは覚えないことが多く、排出物のにおいに悩まされます。
部屋で滑空させるということ
「部屋で滑空させたい」というのはモモンガ飼育のあこがれの1つですが、モモンガを部屋で遊ばせると壁やカーテンなどが排出物だらけになるかもしれませんし、室内の安全対策も必要です。
かんたんに旅行にいけない
旅行などのとき、世話を頼める人がかんたんに見つからないかもしれません。
慣れるまでうるさいかも
慣れるまでフクロモモンガは、耳障りな鳴き声で鳴きます。
フクロモモンガはくさい
フクロモモンガは臭腺があるので、においが臭いという人がほとんどです。
フクロモモンガを単独で飼うならしっかり世話を
フクロモモンガは社会性が強く、本来は複数で暮らす動物です。
それを単独で飼うなら、あなたがしっかりとコミュニケーションを取らなくてはなりません。
ただ慣らすのではなく、絆を作ることが大切です。
モモンガを慣らすにはそれなりの努力=時間と手間が必要
モモンガを慣らすにはそれ相応の努力が必要で、恐怖など様々な理由で人の手を噛むかもしれません。
忍耐強く慣らしていく必要があります。
げっ歯目のモモンガは、フクロモモンガよりも慣らすのに時間がかかる傾向にあります。
アメリカモモンガは物をよく噛む
一生歯が伸びるので、物をよく噛じります。
巣箱をすぐにぼろぼろにされてしまうことも。
モモンガを診れる病院が少ない
モモンガを診てもらえる動物病院は、多くありません。
必ずしも近所にあうとは限らないので、飼う前に病院があるか確認しましょう。
モモンガは飼育情報が少ない
モモンガは飼育者が少数なので、情報が少なく専門グッズも猫や犬に比べたらまだ少ないです。
自分自身で情報収集や工夫が必要です。
人がアレルギーを起こすことも
多くはありませんが、モモンガのフケ、唾液、尿などが原因でアレルギーを起こすことがあります。
モモンガと暮らす家族の同意
家族と暮らしていなら、あなた以外の家族の理解を得ることが大切です。
「自分が世話をする」といっても、家族にお願いすることもあるでしょうし、「夜うるさい」「においがする」など苦情が出るかもしれません。
最後まで責任を持って飼いましょう
なによりも大切なのは、責任と愛情をもって最後まで飼い続けることです。
モモンガは小さな動物ですが、その生命はとても尊いもの。
慣れない、世話が面倒などと飼育放棄したり、捨てたりしてはいけません。
縁あってあなたのところにやってきたモモンガを、ずっと愛してください。
どうしても手放さねばならないときは、きちんと飼ってくれる飼い主さんを見つけましょう。
捨ててはいけないもう1つの理由に、モモンガが外来生物だからということがあります。
ペットとして飼っているモモンガは、日本在来のニホンモモンガとは違う種類の動物なので、飼育放棄をし外へ放した場合、生態系を乱しますので絶対に捨てたりしてはいけません。
モモンガを迎える
モモンガを手に入れるにはペットショップで購入するのが一般的です。
ウサギやハムスターなども扱う、オールペットのショップへ行きましょう。
もしくは里親になる方法もあります。
ペットショップの選び方
衛生的なショップであること、ショップのスタッフが販売している動物に対する知識をきちんと持っていることは、ショップ選びの基本です。
多くの場合、モモンガは若齢でペットショップにやってきて、成長期という大切な時期をショップで過ごします。
モモンガの種類や月齢に応じた適切な食事を与えられているか、ケージ内に隠れる場所がないようなストレスの多い環境下で飼育管理されていないか、人に慣らすためのほどよいスキンシップを取っているかなどの点もチェックしましょう。
適している時期
気候の安定した時期がおすすめです。
温度管理をするとはいっても、極端な気候の時期は避けた方がいいでしょう。
どんなによい環境を作ったとしても、モモンガにとっては最初は不慣れな環境です。
ストレスで免疫力が低下して病気になりやすい時期なので、健康状態をチェックすることがとても大切です。
他のペットとモモンガ
他の動物との接触はさせないようにした方がいいでしょう。
なかには犬や猫と仲良くしている(ように見える)こともありますが、モモンガが被捕食動物だということを忘れてはいけませんし、
モモンガの急な動きが、捕食動物の狩猟本能を目覚めさせてしまうかもしれません。
悪気はなくても、怪我をさせてしまうこともあるかもしれませんので、捕食動物とモモンガを一緒にすることはおすすめしません。
捕食動物でなくても、大声で鳴くオウムなどもモモンガを驚かせます。
またフクロ・アメリカモモンガは雑食性で、小さな脊椎動物も食べる習性があるので、他の小さな動物に対して攻撃的になうこともあるかもしれません。
ほかのペットとの接触には十分に注意してください。
性別の選び方
フクロモモンガでもげっ歯目のモモンガでも、オスとメスでは当然性的な違いはあり、なりやすい生殖器系疾患も異なります。
また、特にフクロモモンガのオスでは臭腺を使ったにおいつけが顕著です。
繁殖シーズンになると強いにおいを感じることもあります。
性質の違いについては、オスは活発でメスはおとなしい、オスがおっとりしていてメスは気が強い、などといろいろな意見があることからもわかるように、性別というよりは「個体差」による違いが大きいでしょう。
適した年齡
モモンガに限らず、小さいうちから飼いはじめた方が慣れやすいものです。
警戒心がまだあまりなく、周囲で起こるものごとを受け入れやすいからです。
ただしあまりにも幼く、母親と一緒にいるべき離乳前の子供を引き離すようなことはしないでください。
早期に引き離すと、大人になってから不安傾向や警戒心が強くなる可能性があります。
モモンガは警戒心が強いので、大人になってからだと慣らすのに時間がかかりますが、根気よく時間をかければ慣らすことはできます。
ペットショップで大人になったモモンガの場合、ショップのスタッフがどう接していたかで大きく違います。
扱いの悪いショップ(全く慣らそうとしていない、接し方が乱暴、騒音や震動が大きいなど)に長い間いた個体は、人に対しての不信感を持っているので、慣らすのにかなり時間がかかると覚悟しておいた方がいいでしょう。
モモンガのは多頭飼いか単独か
フクロモモンガ
は元々家族単位で生活する種類です。
精神的な充足感を考えれば、オスとメスのペア、あるいはメス同士など、単独飼育ではない方がいいのだと考えられます。
ただし多頭飼育には相性の問題や、飼育管理がきちんとできるかという問題があります。
またペア飼育の異性同士であれば、繁殖するのかオスの去勢手術をすうのか、なども考えておく必要があります。
1匹で飼う場合は、飼い主がモモンガの家族として十分にふれあう時間を作ってあげてください。
アメリカモモンガ
げっ歯目のモモンガ、アメリカモモンガは、基本的には単独生活をしますが、複数で行動することもあり、冬の長い時期には何匹もが巣穴に集まって暮らすなど、複数での生活を許容できる傾向があるようです。
そのため基本的には1匹で飼う種類ですが、相性さえよければ多頭飼育も可能です。
ただしオス同士は、ケンカになる可能性が非常に高いので避けてください。
ペアの場合、ペットショップで最初から飼われているならそのまま迎えればいいですが、別々に飼われているモモンガを一緒にするときは、手順を踏んでください。
習性も食事も異なります。
この2種を一緒に飼うことはできません。
購入時のチェックポイント
まとめ
見た目の可愛さから、かんたんに飼うのはやめましょう。
感情がある生き物なので、きちんと世話ができる自身がないのであれば、飼わない方がいいでしょう。
今回はあえて、モモンガの可愛さや良さとは反対の面をまとめました。
✔モモンガはにおいもあり、夜行性だから寝室では一緒に寝られないほど音がする
✔約10年生きるので、10年世話できるかをよく考慮する
✔他のペットとは飼育NG
✔フクロモモンガは多頭飼う◎、アメリカモモンガは△
✔多頭飼育するなら、繁殖はどうするか考慮してから飼う
✔購入時は上記のチェックリストから、健康な個体か判断する