フクロ・アメリカモモンガと仲良くなる方法

ヒトに慣れていないフクロモモンガは、近づいただけでも大きな声で鳴きわめきます。

うるさくても困りものですが、それ以上にモモンガは強い警戒心を感じているはずです。

本来社会性がある動物なので、ストレスなくコミュニケーションを取れるようになるためにも、慣らすことはとても大切です。

モモンガが人間に慣れてくれると、信頼関係ができ仲良く暮らしていくことが可能です。

今回はそんなモモンガを飼いはじめたばかりの方に、フクロ&アメリカモモンガと仲良くなる方法を伝授します。

モモンガとの接し方の基本

  1. 驚かさない
  2. 優しい気持ちで
  3. 忍耐強く

モモンガとの接し方の基本は、モモンガの気持ちになって考えてみることです。

自分よりも何百倍も大きな体の動物が近寄ってきたり、つかまれたりするのですから、最初は怖いに決まっています。

「怖い」という記憶は消えにくいものなのです。

それでも飼い主がモモンガを驚かせたりせず、優しく接することを繰り返しているうちに、モモンガは安心するようになってくれます。

慣れやすさには個体差があり、生れつきの性格もありますし、育った環境も関係します。

ペットショップやブリーダーが優しく接していたモモンガは、人を怖がらず慣れやすいですが、こまめに世話をしてもらえず、放っておかれたモモンガは慣れるのに時間がかかるでしょう。

1日や2日で慣れるというものではないということを理解し、慣れてくるまでに何ヶ月もかかることもあるので、忍耐強く接していってください。

言葉でコミュニケーションをとることはできませんが、同じ生き物として、相手が自分に対して敵対感情を持っていないことは通じるのではないかと思います。

神経質になったり、「慣らさなきゃ」と焦ったりせずに、穏やかな気持ちで接することが大切です。

こうした接し方の基本は、慣れてきたからといってやめてしまわず、ずっと待ち続けていましょう。

慣らす年齡

母乳に依存しつつも、外の世界を知るようになる時期は、いろいろな刺激を受け入れ、経験を広げる「社会化期」だといえるでしょう。

最も人に慣れやすいのも、この時期です。

その一方で、本来なら親や兄弟と一緒にいる時期でもあります。

親と密接なふれあいをしないで育つと、不安傾向の強い大人になるともいわれてます。

十分な母乳を飲んでいるかどうかは、健康にも関わります。

モモンガの心と体の成長を考ええば、完全に離乳を終えてから迎えるべきでしょう。

フクロモモンガは、袋からでるようになってから8週、げっ歯目のアメリカモモンガなどは生後8週がひとつの目安とないます。

確かに「慣らす」という意味では少しハードルは高くなりますが、慣らすことは十分に可能です。

ただ現実には、親から早い時期に離されているモモンガが売られていることも多いでしょう(特にフクロモモンガ)。

その場合は、もう親とのふれあいは望めないわけですから、あなたが親代わりになってあげるしかありません。

フクロモモンガに自分のにおいを慣れてもらう

ポイントは「におい」「おやつ」です。

多くの動物がにおいには敏感ですが、特にフクロモモンガは、仲間同士のコミュニケーションににおいを使うほど、においに依存しています。

そこで人に慣らす時にもにおいを利用するのが理にかなっているというわけです。

なおモモンガを慣らすときには香水や香料の入ったハンドクリームなどは、使わないようにしたほうがいいでしょう。

ポーチを使った慣らし方

よく知られているのは、モモンガをポーチに入れるという方法です。

紐のついたポーチにモモンガを入れ、それを飼い主さんが首からかけて服の中に吊り下げておきます。

ポーチの中は暗くて暖かく、適度な湿度があり、体を周囲に密着させて眠れる状態は、まさに母モモンガの袋の再現となります。

モモンガは飼い主のにおいに包まれ、ポーチの中にいるときにモモンガが安らいだ気持ちでいれることができれば、その気持ちとにおいが結びつき、「飼い主さんのにおい」=「安心できにおい」となり、慣れていくわけです。

ポーチがちょうど飼い主の心臓あたりになるようにしておくと、心拍がモモンガを安心させるかもしれません。

ポーチの中で落ち着いているようになったら、時々手を入れて、撫でてあげるのもいいでしょう。

  • ポーチに入れるのはある程度モモンガが人に慣れたあと、寝ている昼間を選びます。
    そのまま首にかけられるようなポーチをケージに入れておき、寝ているときにそのまま持ち出してもいいでしょう。
    活発に遊んでいるときは、無理にポーチに押し込まず、遊ばせてあげてください。


  • モモンガをポーチに入れたまま行動するのは室内だけにしましょう。
    そのまま買い物などに連れて行く例もあるようですが、脱走のリスクなどを考えてもおすすめできません。


  • ポーチの中で寝ていたモモンガは、起きるとまず排出をするかもしれません。
    もぞもぞ起き出してきたら、いったんケージに(トイレを決めている場所が)戻し、排出させてください。


  • ポーチは逃げられないように、きちんと閉じれるものを。
    袋や縫い目に爪を引っ掛けていないかチェックしましょう。
    ポーチには部分的にメッシュ素材が使われているものもあり、密閉状態にならないために飼い主さんのにおいを感知しやすくするためです。

においのついた布を使う

フリース素材などの布を飼い主さんがしばらく身につけておき、それをモモンガの巣材にしたり、身につけていたシャツ類をケージにかけるという方法もあります。

家族で飼っているなら、家族それぞれのにおいを教えるといいでしょう。 

活動時間中の慣らし方

モモンガが起きている時は、好きなように遊ばせてあげましょう。

無理に掴んでポーチに入れたりするべきではありません。

遊ばせているときに慣らすには、もう1つのキーポイント「おやつ」を使います。

最初はケージの中で、慣れてきたら室内で遊ばせているときに、好物から与えてみましょう。

狭い場所を区切って慣らす

キャンプ用のテントの中に飼い主さんが入り、そこにモモンガを放すという方法も海外の文献では紹介されています。

飼い主がその中で静かに過ごしているうちに、人は怖いものではあにとモモンガにもわかり、慣れるというものです。

やり方

時期としては飼い主のにおいや声に慣れた頃に行います。

  1. 子供用のドームテントを用意し、ガサガサという音でモモンガを驚かさないように底にブランケットを敷きます。

  2. 人は本やモモンガ用のおやつを持って中に入り、モモンガが起きてくるときにポーチごとテントに入れて、テントの扉を閉めます。

  3. モモンガがポーチから完全に出たら、戻らないようにポーチをお尻の下に敷いてしまいます。

  4. モモンガは最初は怖がって隅の方に行ったりしますが、本でも読みながらモモンガのことは構わないようにします。

  5. 近くに来たらおやつを与えてみましょう。

  6. 急に動いたりしてモモンガを驚かさないようにしてください。

このようにして、飼い主と一緒にいるといいことがある、安心して過ごせるということを覚えていくというわけです。

アメリカモモンガと仲良くなる方法

アメリカモモンガは、フクロモモンガのように仲間同士でにおいつけをするようなことはしませんが、相手からの情報を受取るためのコミュニケーション手段はやはり「におい」です。

また好物を与えることによって警戒心を解いていくことは、アメリカモモンガにおいても有効な手段です。

警戒心が強く、多頭飼いできるといっても本来は単独生活をする動物なので、見知らぬ相手を受け入れることは慎重です。

野性味が強い動物だということを考ええば、手に乗って好物を食べてくれる程度に慣れてくれれば喜ばしいことだと思っておいた方がいいでしょう。

慣らそうとして無理をせず、しかし諦めずに根気よく接していきましょう。

一般的な慣らし方

モモンガが新しい環境で落ち着いてきたら、飼い主にも慣らし始めてください。

  1. モモンガにとって喜びとなること、たとえば食事を与える時はやさしく声をかけましょう。

  2. 食器をケージに入れた時、飼い主さんがまだそばにいれもすぐに食事を始める程度に慣れてきたら、声をかけながら今度は手から直接、好物を与えてみてください。

  3. 最初は指先に好物を持って与え、すぐに取ってくるようになったら、好物を手の上に乗せ、モモンガが乗ってくるようになるのを待ちましょう。

  4. 手の上で落ち着いて食べてくれるようになったら、もう片方の手で体をそっと撫でたりしてみましょう。

  5. 食器をケージに入れた時、飼い主さんがまだそばにいてもすぐに食事を始める程度に慣れてきたら、声をかけながら今度は手から直接、好物を与えてみてください。

  6. 最初は指先に好物を持って与え、すぐに取ってくれるようになったら、好物を手の上に乗せ、モモンガが乗ってくるようになるのを待ちましょう。

  7. 手の上で落ち着いて食べてくれるようになったら、もう片手の手で体をそっとなでたりしてみましょう。

  8. 名前を呼んだときに反応を示してくれ、好物を見せたらすぐに取りにきて手の上で食べるくらい慣れてきたら、部屋に放すことも可能です。

追い回したりせず、近くにきたときに好物を与え、「楽しい遊びの時間・好物をもらえる時間」と「飼い主さんの存在」を関連付けてくれるようにしていきましょう。

ポーチでの慣らし方

アメリカモモンガは、フクロモモンガのように袋で育つ動物ではありませんが、洋書ではフクロモモンガのようにポーチで慣らす方法が紹介されています。

暗くて狭く、体のどこかに触れているような環境は本来の巣と似ているので安心しますし、飼い主さんのにおいと安心感とを結びつけて覚えてくれることはできるでしょう。

取り入れてみてもいい方法かもしれません。

基本的にフクロモモンガと同じように行い、ある程度飼い主さんに慣れてから始めてください。

ただしげっ歯目ですから、フクロモモンガ以上にものをかじります。

袋をかじるようなら、別の方法で慣らし、好物を与える方法でもきちんと慣らすことができます。

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まとめ

今回はモモンガの飼育初心者さんに、仲良くなる方法をお伝えしました。

フクロモモンガとアメリカモモンガで微妙に変わってきますが、モモンガは「におい」」に慣れてもらうことが大切で、特にフクロモモンガはにおいに敏感です。

おやつえを与えて仲良くなるのはどちらにも通用しますが、基本的にはどちらもモモンガが「楽しい」「嬉しい」といった感情のときに、一緒にいることが慣れてくれるポイントです。

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