猫が嘔吐した!考えられる病気一覧【病名・症状・原因・治療法】

猫を飼っていると、よく見かける嘔吐姿。

大体は毛を吐いていることがほとんどで、朝起きると毛玉が胃液と一緒に転がっていることもおしばしば。。。。

そうではなく、いつもとは違った感じで嘔吐している場合、もしかしたら何かしらの病気にかかっているかもしれません。

一言で嘔吐といっても、その嘔吐という症状を起こしている原因は、多岐に渡ります。

胃腸疾患の場合もありますが、胃腸とは全く別な病気から起こることもある事を知っておきましょう。

今回はそういった毛玉以外が原因で嘔吐した場合の、考えられる病気を【病名・症状・原因・治療法】でご紹介していきます。

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嘔吐が起きるメカニズム

嘔吐は猫にもっともよく見られる症状の1つです。

嘔吐吸収に使う筋肉と、腹部の筋肉が収縮して起きる症状です。

悪心からはじまって、胃の内容物が口から外へ反射的に出されます。

嘔吐は脳幹にある嘔吐中枢が刺激されておきます。

この刺激する経路は、おおまかに以下の4つにわけることができます。

①中枢神経の高位中枢刺激(ストレス、恐怖、興奮などの心因性嘔吐)

②半規管から前庭刺激で内耳神経を介しての刺激(乗り物酔い)

③化学受容体の刺激(尿毒素、薬物、最近の出す毒素)

④求心性経路を持つ末梢知覚受容器の刺激(咽頭炎、フィラリア症の嘔吐、尿管、膀胱の痛み)

吐出と嘔吐の違い

嘔吐は嘔吐でも、悪心を伴わない嘔吐があります。

猫が勢いよく胃の内容物を吐き出すのですが、これは嘔吐と区別して吐出といいます。

では実際に猫が嘔吐を起こした場合に、どのようなところに気をつけて観察すればよいでしょうか。

以下の観察ポイントを参考にしてください。

①何を食べたか(いつもと同じフード、初めてのフード、等)
②毒物への接触(化学物質、観葉植物、切り花など)
③異物への接触(刺糸、針、ネズミのおもちゃ、猫草など)
④全身症状(元気で食欲もあった猫が急に嘔吐する急性嘔吐、元気で食欲もあるが一日に数回から一週間に一回程度嘔吐をしている慢性嘔吐、病気治療中の猫の悪心を伴う嘔吐など)

そして、

①嘔吐の回数
②嘔吐の長さ
③嘔吐の発現する時間
④嘔吐後の食欲の有無
⑤嘔吐後の元気の有無
⑥嘔吐の仕方としてはケロッとしている、よだれが出て口の周りを舐めるようにする悪心を伴う、苦しそうであるなど。

では考えられる病気を見ていきましょう。

急性胃炎

有害物質の摂取に起因もしくは関連して起こり、嘔吐を起こします。

原因

原因で最も多いのは、腐った肉の摂取です。

また観葉植物の多くは、胃粘膜に対する物理的な刺激の原因となり、胃腸には有害です。

急性胃炎は突然の嘔吐から始まり、頻回で激烈です。

吐いた物には、食物、胃液などの液体、原因となった物が含まれます。

激しい嘔吐では、ときに血が混じることもあります。

急性胃炎の場合、大多数の病気の原因は嘔吐をすることで、自然に除去されます。

ここで嘔吐は猫の体にとって有害な物を排除しようとする、とても有益な生体反応をいえます。

治療法

治療は十二時間の経口摂取の制限、脱水している場合は輸を行います。

慢性胃炎

胃粘膜の障害の原因に繰り返し、暴露されることによる一日に数回から一週間に1,2回の嘔吐が見られます。

食欲の不定、食欲不振、つまり食べたり食べなかったりと食欲が安定しません。

この場合気をつけたいのは、「今の食事に飽きたから、別のフードを食べたいと思っているので、今ここに与えたフードは食べないのだ」と猫が考えていると判断する飼い主の思い込みです。

慢性胃炎の食欲不振を見過ごしてしまう危険性があります。

慢性胃炎が数週間から数ヶ月続くと、体重の減少や重症例では低蛋白血症となります。

原因

市販のキャットフードの添加物成分、化学的化合物、薬物、口から入る可能性のあらゆる物質。

治療

原因を同定し、除去することが治療となりますが、原因を特定することは困難なことが多いのも事実です。

そこで、猫が今までに一度も口にしたことがない、獣医師の処方するキャットフードを獣医師の指導の元、与えてみる事が勧められます。

また、食事の回数を5回から6回くらいにし、一回に与える量を今までより少なめにする事なども治療の一助になるでしょう。

胃炎と同時に、小腸が障害されると、下痢や腹痛を伴う胃腸炎が起こります。

胃潰瘍

胃粘膜が傷害され続けると、胃粘膜がただれてきます。

胃では胃酸が分泌されていますから、粘膜のただれが深くなり、そこに胃潰が形成されます。

胃潰瘍のある猫の嘔吐は、真っ赤な新鮮血をそのまま、もしくは血の混じった黄色い胃液を吐きます。

嘔吐は頻繁に認められます。

胃潰瘍のある猫は、食欲がなくなり、元気もなく、胃の痛みからか、うずくまる姿勢をとります。

原因

病気の治療のため、内服薬の投与を長期間受けている場合や、慢性胃炎を起こしている猫、腎不全の猫の場合は尿毒症物質が胃粘膜を傷つけ、潰瘍を起させて出血させます。

治療

根本の原因を治療することが第一です。

他は嘔吐に対する対症療法に準じます。

潰瘍は出血を伴っていますから、貧血の検査を行うことも必要になります。

胃潰瘍の治療には、胃酸の分泌を低下させ、胃粘膜の修復を促す薬や胃粘膜を保護する薬などを投与します。

異物による嘔吐

食べ物ではない物を誤って食べてしまったときに、引き起こされる嘔吐です。

一部の猫が好んで食べる猫草も、盛に食べたあと、嘔吐することはよく見られます。

またセロハンやアルミホイル、猫のおもちゃなども、口で噛みながら遊んでいる間に、何らかの拍子に飲み込んでしまうこともあります。

これらは物理的刺激として、胃粘膜を傷害し、嘔吐を引き起こします。

嘔吐することで異物が排出できれば問題はありません。

異物の中で危険なものとして、釣り糸のついた針、刺繍糸のついた縫い針、糸のついた縫い針、糸の付いたボタンなど、糸の触感を好む猫が糸を噛んでいる間に、その先についている針までも飲み込んでしまう事があります。

この場合は間欠的、嘔吐と食欲の不振が認められます。

また唾液が亢進し、口をくちゃくちゃさせます。

糸状の物を飲み込んで、閉鎖性腸閉塞となると、猫は継続的な激しい嘔吐を呈し、糸の一方は舌根部か幽門に固定され、もう一方は腸の運動で運ばれようとするが進めずに、腸管の穿孔を引き起こし猫を死亡させます。

治療

異物が嘔吐もしくは便と排出されるようであれば、自然に排出されるのを待ちます。

しかし、明らかに自然に排出されないことがわかれば、外科的切除にて取り出します。

胃の内容物がなんであるかは、実は飼い主さんが「自分の家の中で紛失した物」にいち早く気づくことが発見の決めてとなります。

診断にあたり、レントゲン検査やバリュウム検査を行うことは一般的ですが、これらの検査で全てが診断できるわけではありません。

予防

猫の環境に、猫が誤って食べてしまうような嗜好品(セロハン、ヒモ、ビニール傘など)を出しっぱなしにして置かないことが大切です。

4ヵ月〜2,3歳くらいまでの若い猫にいる家庭では特に注意が必要になるでしょう。

幽門狭窄

胃の出口である幽門部門が狭窄や、幽門が正常に開く動きができない状態である幽門機能不全であると、食道から入った食べ物が胃の中に入り、その内容物が胃から出て十二指腸へと流出しにくい状態を起こします。

幽門狭窄の猫は慢性の嘔吐および胃拡張が認められます。

通常は1歳以下の猫に多く見られ、食後30分くらいで勢いよく吐く場合や、数時間たって嘔吐するなど、嘔吐の間隔は様々です。

治療

外科的な手術によって治療とします。

幽門部の病気による狭窄の場合、例えばそこに腫瘍が認められれば、外科手術を行った上で病理診断の上、治療方針をたてることになります。

胃の腫瘍

胃の悪性腫瘍の場合は、嘔吐とともに食欲不振、体重の減少、衰弱が認められます。

嘔吐物は食べたもの、胃液、血液の混じった内容物などです。

原因

リンパ肉腫等。

治療

病変により、外科手術、化学療法などを行う。

機能性胃炎

胃の正常な動きが突然止まってしまう状態です。

原因はなかなか特定できる物ではありません。

嘔吐物は未消化のフードがそのままの形でみられることが多く、嘔吐の初めには猫の状態は比較的普通に見えますが、フードを出しても食べることはできません。

原因

家庭に来客があるなど心因性のストレス、寒さなどのストレス、胃自体に病気があって二次的に発現する等。

治療

水溶性の流動食を少量ずつ与えてみること。

胃の運動を正常化する薬剤の投与が、一般的な治療となります。

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炎症性腸炎

炎症性細胞である、リンパ球、好酸球、好中球、等が消化管粘膜に浸潤して起こす腸炎です。

食欲の不振はあまり伴わない慢性の嘔吐がみられます。

飼い主は猫に元気がないわけではなく、食欲もあり、しかし頻回に嘔吐はなんとなく気になっている状態な事が多い。

嘔吐は猫が毛玉を吐くためだと誤解している飼い主は、嘔吐の内容物に毛が入っていると安心する。

原因

原因は不明。

考えられるものとして、食餌アレルギー、免疫介在性、感染症など。

炎症性腸炎に類似する症状を呈する疾患(消化管腫瘍、感染性胃腸炎、など)を全て除外して、確定診断とします。

治療

内科的薬物療法として、投薬後数日から一週間で、症状が改善されれば、治療的診断がとれることになります。

獣医師指導の徹底した食事療法を行いましょう。

この病気は、完治を望むというよりは、いかに病気をコントロールでできるかにかかっています。

食事管理において、猫に食べさせる食事を猫が好んで食べるか、食べないかと論じることではありません。

猫汎白血球減少症

ワクチン接種(猫三種混合ワクチン、五種混合ワクチン)により予防できる伝染病です。

原因

原因は猫バルボウイルスで、猫の糞便中に多数排出されます。

感染経路は、バルボウイルスを含む便の経口摂取と考えられます。

症状

ウイルス暴露(ウイルスに接触)後、数日で食欲の低下、持続的嘔吐、発熱し、その後下痢が始まります。

血液検査により、白血球減少が認められます。

治療

対処法として、輸液による体液と電解質ぼ補正、二次感染の予防となります。

子猫の場合は致死率が高い伝染病です。

便秘

トイレで排便しながら、嘔吐がみられることがあります。

食欲はあるので、食べては吐き、食べては吐きを繰り返すこともあります。

原因

フードの内容、猫のトイレの汚れや猫のトイレの素材が不適切な場合、神経障害など病的な原因など。

治療

浣腸をする。

獣医師によるフードの選択等で、便の性状を変える。

原因が病気、事故の場合は、その原因を解決できれば便秘は解消します。

中毒

猫は中毒を起こしやすい動物です。

中毒を起こす原因の中でも、初期症状に嘔吐が現れるものの列記していきます。

その後の症状は、消化器症状としての下痢程度で済むものから、重症例では死亡する物質まで含まれています。

ですから大切なことは猫に中毒を起こす化学物質などは、少なくとも猫の暮らす環境には入れないように管理の徹底がとても大切です。

ニコチン(タバコの葉)は流延と嘔吐が見られます。

ヒアシンス、スイセン、アヤメ、アゼリア、月桂樹などの観葉植物ゴミあさりをしてしまい、細菌が口から入り、嘔吐、下痢が始まります。

新築の家、リフォームで壁紙の張替えの接着剤など、使用される化学物質は激しい嘔吐、食欲の廃絶を伴う場合があります。

接着剤などシンナー系のものは、激しい嘔吐と時に出血をともなうことがあります。

アセトアミノフェンは摂取した猫に嘔吐、流延、のちにチアノーゼを起こします。

人では一般的に消炎、鎮痛剤としてよく使われる薬剤ですが、猫の赤血球を壊し、メトヘモグロビン血症、ハインツ小体溶血性貧血をおこします。

猫に使用するのは危険です。

治療

猫の環境から、すぐに当該物質を排除することです。

また、部屋が原因であれば、猫を直ちにその部屋から出します。

空気の入れ替え、換気をすることは大切です。

そして再度暴露しないように気をつけましょう。

原因に応じた治療は、獣医師によって行われます。

尿毒症

尿毒物質である血中尿素窒素が上昇する、尿毒症になると、食欲の不定から嘔吐が始まります。

急性腎不全の場合、その治療が速やかに行われ尿毒症が改善されれば回復します。

例えばオス猫に起こることが多い尿道閉鎖の場合、治療がいまくいき、閉鎖が解除された時点で、腎臓の障害が大きくなければ尿毒症は改善されます。

慢性腎不全の場合は、猫の頻回な嘔吐はその病気の後期、つまり尿毒症末期にさしかかった頃に認められます。

膀胱炎

膀胱炎のしぶりのときに嘔吐が起きることがあります。

トイレに嘔吐物がある場合、飼い主は「内の猫は部屋を汚さないようにトイレにいって吐いている」と、猫のきれい好きを褒めることがあります。

しかし実際は、トイレで残尿感や痛みを伴うしぶりのために、嘔吐していることを考慮してやりましょう。

原因

室温の寒暖の差など。

まとめ

今回は猫に多い、嘔吐から考えられる病気一覧をご紹介しました。

嘔吐はよく見られることだとはいえ、もしかしたら病気である可能性が高いので、嘔吐物や嘔吐した前後の様子など、よく観察しましょう。



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