丸々とした猫ちゃんはとても可愛くて、幸せな気分になりますね。
しかし、人間と同じく猫も肥満になると、さまざまな疾患の引き起こしやすくなります。肥満は寿命を縮めるともいわれています。
さらに一度肥満になってダイエットしても、実はリバウンドもしやすいのです。
そのため、なるべく肥満にさせないように日頃から気を付けることが大切です。
今回は、猫の肥満についてご紹介します。
愛猫の肥満度チェック
猫の肥満といっても、何kg以上が肥満という決まりはありません。
猫の品種によって適正体重などが示されていることもありますが、参考程度にしましょう。
性別や年齢によっても違いますし、何よりもその子に合った体重というものがあります。
また体重だけではなく、体のラインも含めて肥満かどうかを判断します。
親の大きさ、その子の骨格なども含め、獣医さんに診てもらうのが1番いいでしょう。
肥満かどうかを聞くだけのために動物病院にいくのは大変なので、健康診断や予防接種、体調不良などで受診した際に聞いてみましょう。
今回は、自宅で行える肥満度チェックもご紹介します。
Body Condition Score
飼い主さんでも簡単に肥満を判別する方法としてBCS(Body Condition Score)という指標があります。
確認するポイントは、肋骨、腰部、腹部です。
画像引用元:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide/pdf/full.pdf
ある日突然、猫が肥満になるということはありませんから、BCS4のように、くびれがなくなってきたかな…肋骨の上に脂肪がついてきたかな…と体型の変化に気づいたら要注意です。
無理なく対策をして肥満を防ぐことができますね。
猫が肥満になるとどうなる?
肥満は多くの病気を引き起こしたり、悪化させたりします。
特に糖尿病は肥満の猫の80~90%が患っているともいわれています。
脂肪が体につくことで、全身の毛づくろいが難しくなり、十分に毛づくろい出来ない部分が皮膚病になることも。
他にも、高血圧や心臓病、肝不全、関節疾患、尿石症などのリスクも高くなります。
肥満になることで免疫能力が下がるので感染症にもかかりやすくなります。
さらに、麻酔がかかりにくい、覚めにくい、手術の出血量が多くなる…など手術をする時のリスクも増してくるのです。
また、少しの運動でも疲れてしまったり、足や関節に負担がかかるため、怪我をしやすくもなります。
肥満で運動することが難しくなり、より肥満になりやすい体になってしまうのです。
猫の肥満の原因
食事、おやつ
肥満の大きな原因としてカロリーオーバーが考えられます。
愛猫が1日にどのくらいのカロリーを摂取しているかご存知ですか。
ごはん、おやつなど1日に与えているカロリーを把握することが大切です。
フードによってカロリーが異なるので、市販のキャットフードは適性給与量やカロリーが記載されているので計算してみましょう。
適性な量を与えてもまだ足りないように感じたら、食物繊維が含まれたフードにすると満腹感を得られやすいでしょう。
消費カロリー以上のカロリーを摂取することが肥満につながります。
飼い主さんがしっかりと管理することで防ぐことができます。
また、多頭飼いの場合、自分のゴハン以外に他の猫や犬のフードも食べてしまっていた!ということも少なくないそうです。
個々にしっかり食べられるように飼い主さんが最後まで見ているか、食事の際だけでもゲージや部屋を分けるなどして与えましょう。
加齢
5~7歳くらいから猫は、活動量が低下し始めます。
あまり運動しなくなっていくと共に、1日に必要とするエネルギーも低下するので、若い時と同じ食事の量を与え続けると肥満になっていきます。
避妊、去勢手術
避妊、去勢手術を受けている場合、手術を受けていない猫よりも代謝が20〜30%低いことが報告されています。
そのため、手術をした後は改めて食事を見直す必要がありますね。
避妊、去勢猫用のフードも市販されています。
運動不足
摂取した分のカロリーは消費しないと肥満につながるため、運動して消費することはとても大事です。
動くのが好きな猫と苦手な猫など性格もありますが、室内で楽しく運動出来るようにキャットタワーや電動おもちゃを使ったり、飼い主さんと一緒に遊んだりして体を動かしましょう。
特に寒い時期は、猫が動かなくなるので肥満になりやすいです。
飼い主さんが意識的に、猫が遊んだり運動させられるような環境を作ってあげましょう。
また、普段はよく遊ぶのに、急に遊ばなくなった場合はケガや病気の可能性もあるので受診しましょう。
ストレス
猫は繊細な動物なため、ペットや家族が増えたり、引っ越しなどの環境の変化で大きなストレスを感じます。
ストレスから過食になりやすい猫もいるので、飼い主さんとのコミュニケーションの時間を増やしたり、適度な運動をさせてストレス解消をさせましょう。
飼い主が愛猫の肥満を防ぐ
肥満は百害あって一利なし。
肥満は猫にさまざまなリスクを抱えてしまうことは理解していただけたと思います。
大切なのは肥満にならないように、飼い主さんが日頃から気を付けてあげることですね。
肥満のほとんどが、食事やおやつの与えすぎが原因です。
あげすぎているな~と見直す場合は、家族全員で取り組んでください。
意外と、家族それぞれでおやつをあげてしまっていることは多いようです。
1日にあげる量を全員が把握して、誰がどのくらいあげて、あとどのくらいあげていいのかを分かるようにしておきましょう。
どうしても可愛くてついあげてしまいたくなりますが、愛猫に元気で長生きしてもらいたいなら、おやつをあげないことも大きな愛情ですね。