猫がペロペロと身体を舐めて毛づくろい(グルーミング)してるのを見たことがあると思います。猫らしい可愛い行動ですよね。
起きている時間の約20%をこの毛づくろいに費やしているともいわれています。
この行為には、猫にとって大切な役割をもっています。
今回は猫が体を舐める意味、異常に舐めている時の原因などをご紹介します。
猫が体を舐める理由
元々外で生活していた猫は、敵や獲物などに見つからないよう自分のニオイを消すため身体を舐めていたといいます。その名残もあるようです。
しかしそれだけではなく、猫にとってのグルーミングは大きな役割をもつ行為なのです。
身体を清潔に保つ
猫の舌はザラザラしていますよね。
これは舌の表面に「糸状乳頭」と呼ばれる無数の突起があるからなのです。
この突起によってブラシの役割を果たし、体に付着した汚れや毛のもつれを整えて美しい毛並みを保っています。ノミなどの虫、皮膚病、毛玉予防にもなります。
また猫の唾液には殺菌作用もあり、身体を清潔に保っているのです。
体温調整
猫にはほとんど汗腺がないため、汗をかいて体温調整することができません。
夏には、体を舐めて唾液を付けてその唾液を蒸発させるときに体温を下げています。
冷やす効果だけでなく、冬は毛づくろいすることで被毛の間に空気を含ませて層を作り、体温からの熱を逃がさないような保温効果を生み出しているのです。
リラックス効果
子猫のときには母猫から毛づくろいをしてもらいます。
その安心感を覚えているので、驚きや緊張、不安などをストレスを感じた時には自分で体を舐めてリラックスしようとしているのです。
コミュニケーション
自分自身の体以外にも他の猫や飼い主さんに舐めることもあります。猫同士では頭や首の後ろや耳などを舐め合います。
自分では届かない部分を毛づくろいしあっているともいわれていますが、猫が心を開いて信頼関係や仲間意識がある相手にしかしない親和行動です。
好きではない相手にはしないため、飼い主さんに対しての愛情表現のひとつともいえます。
もし愛猫がペロペロと舐めてきたら、猫が自分でグルーミングできない場所を優しく撫でてあげるとより一層深い信頼関係が築くことができるかもしれません。
ビタミンDの補給
太陽の光を浴びると、猫の体の表面でビタミンDが作られます。
特に骨や歯の発育に影響するビタミンDの摂取は、猫の健康にとって必要な栄養素でもあり、グルーミングすることで体の表面で作られたビタミンDを摂取しているといわれています。
過剰なグルーミングは注意
色々な役割をもつグルーミングですが、いつも以上に舐めていると毛が抜けてしまうこともあります。
過剰なグルーミングには原因があります。
ひとつは、ストレスです。引っ越しや、子どもが生まれたり単身赴任など家族の変化、リフォームや工事、多頭飼い、汚れているトイレなど猫がストレスだと感じると過剰に体を舐めるようになります。
ストレスの原因を取り除くのが一番です。他には、愛猫だけがくつろげるスペースを確保してあげましょう。静かで明るすぎず、少し狭い方が落ち着きます。
ストレス以外の原因では、アレルギーなどの皮膚病などの可能性があります。痒みや痛み、湿疹、炎症のような症状が出ていないかよくチェックして、もし異常があれば診てもらいましょう。
日常的にブラッシングを
グルーミングは猫にとって大切な役割をもっていましたね。
しかし、老化や肥満、ケガなどによってグルーミングがあまり出来なくなってしまうことも。
抜け毛をきちんと取り除いてあげることや、マッサージ効果、リラックス効果もあるため、日常的にブラッシングをしてあげましょう。
猫が自分でグルーミングできない場所も念入りにしてあげるといいですね。
ブラッシングをすることで皮膚の異常なども早く見つけることができます。
飼い主さんとのコミュニケーションとしても、ブラッシングはとても大切な時間になりますね。