夏野菜や果物、冷たいデザート、夏には美味しいものがたくさんありますが、猫にあげても大丈夫かな?と疑問に思った飼い主さんもいると思います。
今回は、夏に食べる機会が多い食べ物を中心に、猫にあげても大丈夫なのか、NGなのかをご紹介します。
猫に必要な野菜はない
基本的に栄養バランスが整っている良質なキャットフードをあげていれば、野菜やそれ以外の食べ物を摂取する必要はありません。
猫は本来肉食動物なので、野菜や果物を摂る必要はないのです。
しかし、気分転換に違う物をあげてみようかな、水を飲む量が少ないから水分量の多い野菜や果物をあげてみようかなという理由であれば、あげてもいいと思います。
猫に与える際の注意点
あげても大丈夫だといわれている食べ物であっても、中にはアレルギーの子もいます。
最初にあげる場合は少量で。
また、食べさせた後に体調が悪化していないか…などの様子をよくみる必要があります。
一般的なアレルギー症状としては、下痢、嘔吐、震え、痒み、目の充血などです。
ひどい場合は、呼吸困難や意識障害などもあるようなので、慎重に与えて下さい。
すぐに症状が出る場合もありますし、数時間後に出ることもあります。
子猫や高齢の猫、持病のある猫などには、体に負担がかかる場合があるので、あげるのはやめましょう。
どうしてもあげたい場合は獣医さんに相談してからにしましょう。
猫に与えてもいい食べ物
トマト
代表的な夏野菜、トマト。
トマトには抗酸化作用のあるリコピンが含まれています。猫も食べても大丈夫ですが、与えるトマトはよく選んで下さい。
また水分が多く含まれているので、給水量の少ない子や脱水予防にも効果的です。
しかし、アレルギーの子もいますので注意して下さい。
青いトマト、葉、茎、ツルは危険
トマトには、猫には危険なトマチンという成分が含まれている野菜です。
熟しきれていない青いトマトや、葉、茎、ツルに多く含まれています。
トマチンを多く摂取してしまうと、下痢や嘔吐の症状を引き起こします。
トマトを選ぶ際には真っ赤に熟したものにしましょう。
家庭菜園にも注意
家庭菜園でトマトを育てている場合には、猫が近づかないような工夫が必要です。
食べなくても、猫の身体に葉や茎が触れただけで、痒みや発疹などの症状が出る場合もあります。
加熱して与える
人間は生で食べることも多いですが、猫にあげる場合には消化に悪いので、加熱して柔らかくしてからにしましょう。
その際に種も取ってから与えるといいです。
あげすぎ注意
水分の多い野菜は大量摂取するとお腹を下す場合もありますので、少量にしましょう。
猫の身体の大きさにもよりますが、一般的な成猫だとトマトは16分の1くらい、ミニトマトなら1個までです。
オクラ
オクラのネバネバには整腸作用、コレステロールの排出、免疫力を高めるなどの効果があります。
猫にあげても大丈夫な夏野菜です。
加熱して小さくカット
加熱して柔らかくしてから、小さく切ってあげて下さい。
切らずに1本そのまま与えると、喉に詰まらせる可能性があります。
生だと固くて消化が悪く、虫などが付いている場合もあるので熱を通しましょう。
あげすぎ注意
オクラは食物繊維を多く含んでいますので、大量摂取するとお腹を下すこともありますので、少量にしましょう。
きゅうり
夏のきゅうりは美味しいですよね。
他の野菜に比べて、きゅうりの栄養は決して豊富とはいえませんが、水分が多くシャリシャリとした食感が好きな猫ちゃんも多いです。
食べさせても大丈夫な夏野菜ですが、ウリ科のアレルギーの子は要注意です。
小さくカット
きゅうりは周りの皮の部分などは固いので、なるべく小さく切ってからあげて下さい。
腎臓疾患の猫にはNG
また、キュウリにはカリウムとよばれる成分が含まれています。
腎臓疾患の猫ちゃんが、カリウムが含まれているきゅうりを多く摂取すると、大きな負荷が腎臓にかかります。
与えない方が、いいでしょう。
かぼちゃ
かぼちゃには、ビタミン類、カリウム、鉄分などの栄養分が豊富です。
しかし、猫に与えすぎると、ビタミンの過剰摂取になります。
量に注意
かぼちゃは、栄養価も高いですが、カロリーも高い野菜です。
与えすぎには注意です、量には十分注意しましょう。
肥満の原因になるので、日常的に与えるのは避けた方がいいですね。
熱を通して柔らかくする
生のかぼちゃは固く、消化が悪いです。
しっかりと熱を通して、柔らかくしてから与えましょう。
とうもろこし
とうもろこしは穀物です。穀物アレルギーを持っている猫には与えない方がいいでしょう。
熱を通して柔らかくする
猫にとって穀物は消化しにくいものなので、茹でたり蒸したりして柔らかくしてあげましょう。
薄皮に注意
とうもろこしの薄皮は、猫の喉に引っ掛かりやすいので、薄皮は取り除いてから与えましょう。
塩分に注意
人間が食べる時には、茹でる時に塩を入れると甘さが引き立って美味しいですが、猫にあげる場合は塩は入れないで下さい。
そのままでも塩分量が多いとうもろこしなので、塩を足してしまうと多すぎてしまいます。
与えるなら少量
とうもろこしを与える場合は2~3粒までです。
細かくして与える
一粒が小さいからそのまま与えてしまう飼い主さんが多いようですが、消化が悪いので、一粒を細かくカットするかすり潰してからあげて下さい。
穀物アレルギーに注意
また、穀物アレルギーを持っている猫ちゃんの場合、トウモロコシを食べてアレルギー症状を起こしてしまうかもしれないので注意してください。
アスパラガス
アスパラガスのアスパラギン酸は、免疫力を高めたり疲労回復に効果があるといわれているアミノ酸の一種です。
利尿作用があり、有害なアンモニアを排出してくれたり、葉酸やビタミン、食物繊維も豊富です。
猫にあげても大丈夫ですが、注意する点がいくつかあります。
生であげてはいけない
アスパラガスの生の状態は固く、とても消化に悪いのです。
消化不良から下痢や嘔吐の症状が出てくる可能性もあるので、生ではあげないようにしましょう。
蒸したり、茹でたりする場合は、塩などの調味料は加えないで下さい。
葉には要注意
アスパラガスの葉には中毒性があります。
畑から採ってきた場合など、一緒に葉を食べさせることがないように十分に気を付けて下さい。
細かくカットする
茹でたり蒸して柔らかい状態にしても、小さく食べやすいように切ってからあげましょう。
危険な食べ物
にら
玉ねぎや長ねぎ、ニンニクなどと同じように猫に与えては危険だといわれている代表的な野菜のひとつです。
アリルプロピルジスルファイドという物質が、赤血球を破壊し、溶血性貧血を引き起こすと言われています。
加熱しても無くならないので、絶対に食べさせないようにしましょう。
パパイヤ、マンゴー
夏にはよく出回る南国のフルーツですが、アレルギーが出やすい果物の一つです。
食べても大丈夫だという猫ちゃんもいますが、他の食べ物に比べても症状が出やすいのであえて与える必要はないでしょう。
アレルギーの症状としては、口の中が痒くなり、炎症を起こします。
いちじく
いちじくには、フィカインとフラノクマリンという中毒性を持った成分が含まれています。
この成分を猫が摂取すると、嘔吐したり、口の粘膜を傷つけて口内炎などの症状が出る可能性があります。
食べなくても、皮や葉に触れるだけも皮膚に炎症を起こす場合もありますので、猫が触れないように十分に気を付けましょう。
ぶどう
原因は分かっていませんが、犬がぶどうを食べて嘔吐、急性腎不全などの事例があり、重症化すると命の危険もあるといわれています。
猫にも同じような危険性があると考えられ、食べさせない方がいいとされています。
ぶどう以外にもレーズンやマスカットも同じく避けましょう。
アイスクリーム、シャーベット
暑くなると食べさせてあげたくなりますが、とても糖分の高い食べ物なので、肥満の原因になります。
何より、猫に食べさせてはいけないチョコレートやコーヒーなどの味がするものは中毒症状が出る可能性が高いです。
水羊羹
糖分が高く、肥満や腎臓病を引き起こしやすい食べ物です。
水羊羹に限らず、羊羹やあんこなど小豆の入った甘いものは注意です。
小豆にアレルギーが出やすいともいわれています。
愛猫のために、与え方に気を付けて楽しい食生活を
猫にとっては、キャットフード以外の食べ物は基本的には必要ないようです。
それでも他のものも食べさせてあげたいと思うのは飼い主さんの愛情でもありますよね。
猫ちゃんにも好きな食べ物があるかもしれません。
しかし、フード以外のものを日常的にあげすぎてしまうと、キャットフードも食べなくなってしまうこともあります。
毎日毎日あげるのはやめた方が良さそうですね。
食べても大丈夫なものを、たまに適量を与えて、猫ちゃんが喜んでくれるといいですね。
食べさせてはいけないものは、飼い主さんが与えなくても誤飲してしまうケースは少なくないようです。
人間が食べる際にも、猫ちゃんが近づかないようにしましょうね。
今回は夏が旬の食べ物や、夏に口にする機会が多いものをご紹介しましたが、猫が食べてはいけない危険なものは他にもありますので、飼い主さんが把握しておくことが大事です。