近年犬と猫の生態が明らかになり、食事や医療が進化する現在、その寿命はますます伸びてきました。
今では元気な15歳以上の子も多く、20歳の犬や猫もいますね。
しかし、いくら長寿といっても健康寿命が長くないとペットも飼い主にとっても本当の意味で幸せということにはなりません。
病気に負けない健康な体作りが必要ですね。
人間にはすでに健康管理食品としてサプリメントは抵抗なく摂る人が多いかと思いますが、ペットにはまだ馴染みがないかもしれませんが犬猫にとっても健康維持に大きな効果が期待できるのです。
いつものフードでは摂りきれない栄養を補ったり、体力維持、症状改善に大きく効果をあげています。
でも実際に“どの栄養にどんな効果があるのか?”“種類がたくさんありすぎて、覚えられない”という方のために、今回はペットのカラダの悩みに対してどんな栄養素を補えばいいのかまとめました。
ペットのサプリ購入前に、ぜひ参考にしてみてください。
サプリメント(薬)の上手な飲ませ方
ペットに嫌がらずにスムーズにサプリメントを飲んで貰えるかは、小さい時から口の中に手を入れて慣らしておくこと。
歳をとるにつれ、サプリメントに限らず薬を飲む機会が増えてくるので、錠剤やカプセル、粉薬などの与え方をマスターしておきましょう。
錠剤やカプセルの場合
①顎をしっかりと持ち、もう片方の手で口を開ける。唇で上の歯を包み込み形で押さえ、嫌がって噛もうとすると自分の唇をさんでしまうので、おとなしく口を開ける。
②口の奥に、錠剤やカプセルを置く。舌のできるだけ奥に置きましょう。
③すぐに口を閉じ、鼻先を上に向ける。のどをやさしくなでて、飲み込みやすくする。
※ペットの好きな食べ物に包んで与えてもいいです。
液体の場合
①液体のサプリメントをスポイトや注射器(針なし)に吸い込ませる
②片手で鼻先を持って、少し持ち上げるように押さえる。
③もう一方の手にスポイトや注射器を持ち、口の脇に唇を少しまくり上げ、犬歯の後ろの噛み合わせの隙間から、ゆっくりと流し入れる。
④しばらくの間、鼻先を軽く持ち上げて、飲み込むのを待つ。
粉状の場合
①食事(フード)の上にふりかける。または水に溶かして、液体のように注射器などで飲ませる。
ビタミンA
成長期・虚弱体質の改善に効果抜群!皮膚・髪・歯茎の健康を保ち、免疫力を正常にします。
強い骨を作るのにも欠かせなく、ビタミンAなしでは栄養素の効果は発揮されません。
動物性では過剰摂取すると急性中毒性や慢性的な過剰症を起こし、吐き気・下痢・食欲不信・抜け毛・皮膚の炎症などが起こります。
逆に植物性(B−カロテンとしてなら)ではいくら摂っても大丈夫です。
ビタミンD
丈夫な骨や歯をつくる「太陽のビタミン」は、太陽光線と食事から得られます。
カルシウムの吸収をよくし、骨に沈着するのを助け、体内のカルシウムのバランスをとる働きもあります。
骨や歯が出来上がる幼少期に多く摂りたいサプリメントです。
ビタミンE
いつまでも若々しく老化を防ぎ、若さの維持に大活躍です。
カラダの機能低下や老化現象を引き起こす体内の酸化を防ぐ若さのビタミン。
血液をサラサラにし、善玉コレステロールを増やす働きもあり、天然型と天然に分類されています。
スムースダックスやミニチュアピンシャーの耳先の血行不良による脱毛などに効果あり。
ビタミンK
健康な血液や骨に必要なビタミンで、血液凝固の働きとともに、骨にも欠かせないビタミンです。
骨から流出するカルシウムを押さえる働きがありますが、合成のビタミンKを一度に過剰摂取すると、貧血や血液低下の症状がでることがあります。
ビタミンB
疲労回復のビタミン。
脳の働きを活発にし、炭水化物や糖質をエネルギーに変換するのに必要です。
疲労や倦怠感はビタミンB1の不足により、原因物質の“乳酸”が肝臓や腎臓に蓄積されて起こります。
脳の精神安定剤はビタミンB1でスイッチオン!
水溶性のビタミンなので、多量摂取したとしても体内に蓄積されず、余分な物はすべて排出されるので、常に補充する必要があります。
ビタミンB2
体脂肪をカット!肥満防止に大活躍します。
脂質の代謝に必要なビタミンは、体脂肪の蓄積を防ぎ肥満防止に役立ち、健康な皮膚・毛を作り、体全体の抵抗力を強めます。
成長・生殖を助ける働きアリ。
ビタミンB6
免疫力アップ!エネルギーを生み出すビタミンです。
脳・神経・皮膚などを正常ぬ保ち、免疫力をアップさせる働きもあるため、アレルギーにも強くなります。
肉や魚など、動物性タンパク質や脂肪を含む食品を多く摂っている場合には、ビタミンB6の摂取を多くしましょう。
ビタミンB12
貧血を予防するビタミン。
主な働きは血液を作り貧血を予防し、成長促進・食欲増進・エネルギー増大・集中力や記憶力を高め、精神安定などの働きもあるマルチなビタミンです。
動物性の食品に含まれているビタミンで、胃を切除、胃粘膜に障害がある、カルシウム不足の場合にはB12が吸収されない一因に。
パントテン酸
化学化合物を解毒するビタミン。
脂肪酸や糖がエネルギーになるときに必要な成分で、有害な化学化合物の多くに対する解毒作用があります。
また免疫力や自律神経の働きを高めます。
ナイアシン(ニコチン酸)
体内に最も多く存在するビタミンで、糖質や肥満の代謝を助け、体内で必要なエネルギーのうち60~70%はナイアシンから作られ、血行改善・脳神経の働きを強化・心筋梗塞の再発防止などの効果があります。
悪玉コレステロールを減らす作用もあり、魚肉・鶏肉・レバー・緑黄色野菜・豆類・穀物など比較的多くに含まれています。
ビオチン
皮膚と被毛を健康に保つビタミンで、血糖値の維持、貧血予防に効果あり。
ビオチンが不足すると、疲労感・食欲不振・湿疹・抜け毛・白髪になるなどの症状がでる。
レバー、いわし、大豆、とうもろこしに多く含まれていて、長期間の抗生物質の服用や下痢が続く場合に摂るといいです。
生の卵白に含まれるアビジンは、ビオチンの吸収を阻害するので同時には食べないこと!
ビタミンC(アスコルビン酸)
万病をシャットアウトし、免疫力を高め、ウィルスの侵入を防ぎ、血管を丈夫にし、出血を抑え効果もあります。
老化を遅らせる、貧血を予防、ストレスに負けないカラダ作りと、頼りになるビタミンです。
体内に蓄積できないので不足しがちですが、摂りすぎると下痢や嘔吐、頻尿になることがあります。
一過性の症状ですが、量を増やす場合は注意しましょう。
EPA・DHA
血液サラサラ、頭スッキリはおまかせ!イワシ、サンマ、マグロ、カツオなどの青魚に多く含まれている成分です。
血液を固まりにくくする作用や、中性脂肪やアラキドン酸を減少させ心臓病や動脈硬化を予防します。
DHAは脳に多く含まれ、脳機能を維持するために大切な成分ですが、EPAは摂りすぎると血液が固まりにくくなり、出血しやすくなります。
サプリメント利用時は、必要摂取量を守りましょう。
EPA・DHAは酸化しやすいので、ビタミンCやE,Bカロチンと一緒に摂るとベスト。
コンドロイチン
関節の痛みを静め、代謝を正常にします。語源は「軟骨のもと」のいう意味のギリシャ語が由来です。
成長期にしか合成できないネバネバした粘着物の貴重な成分です。
動脈硬化の防止、骨折の回復や骨の成長などに効果的です。
比較的動物性のものに多く含まれていますが、健康効果を期待できる量ではなく、サプリメントをうまく活用していくといいです。
クエン酸
体内に疲労物質を溜まりにくくする働きがあり、疲労回復に効果的です。
体内に入ったカルシウムやマグネシウムなど、金属ミネラルを挟み込んで、吸収されやすくします。
血流改善作用、免疫力強化などの効果もあり、ビタミンB群を一緒に摂ると効果はさらにアップします。
善玉菌
腸内のトラブルにおまかせ!善玉菌は糖を分解して、乳酸を作る最近でいい働きをすり細菌の名称。
プロバイオテックスとして注目です。
生きたまま腸にたどり着き、腸内トラブルを一挙に解決し、腸内を酸性にして病原菌の繁殖を防ぎます。
抗生物質などに薬を常用の場合は、腸内の善玉菌までが一掃されてしまうので、とくにいいです。
アガリクス
免疫力を高めるキノコパワー。癌の予防や治療に、自律神経失調症、アレルギーなどにも効用があり、期待できる成分を持つキノコとして注目されています。
アガリクスは乾燥品のほかに、錠剤や粉末、カプセル、エキスなど様々な健康食品として市販されています。
グルコサミン
あらゆる関節障害を力強くサポートします。
軟骨を作る重要な栄養素で、主にカニやエビの甲羅に含まれるチキン質などに多く含まれる、天然アミノ糖の一種です。
加齢や肥満などが原因で起こる腰痛、関節炎、変形性関節炎などの症状は、グルコサミンを口から摂取することで改善できます。
原料をチェックし、まずは少量から摂取して様子をみましょう。
グルコサミンの効果アップには、腸内での吸収を良くする「乳酸菌生産物質」を一緒に摂りましょう。
まとめ
サプリメントの中でも、特に犬は積極的に摂ったほうがいい栄養素をメインに紹介しました。
「サプリメントを犬に?!」と驚く方もいるかもしれませんが、近年は飼い主がペットに対しての健康意識が高まり、年々ペットの寿命が伸びています。
大事な家族の愛犬にも、長生きしてほしい飼い主さんは、愛犬へ気軽にサプリメントを与えていくといいでしょう。
持病や、何か気になる点がある場合は獣医さんに相談してから飲ませて下さいね。