フクロウをペットして飼う前に生態をよく知っておこう

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フクロウをペットとして飼おうか考えている方へ、まずは生物学的にフクロウがどういう鳥なのか?をご紹介していこうと思います。

そもそもフクロウとは野生動物ですので、何の知識もなく突然迎え入れるのは、あまりにもフクロウがかわそうです。

生態をよく知り、自分でも飼育できるかどうか、よく熟考しましょう。

今回は

✔フクロウの生態
✔野生下でのフクロウの暮らし(衣食住)
✔カラダの仕組み
✔フクロウの成長
✔大切な縄張りのこと

に関することを、お伝えしていきます。

フクロウをペットとして迎え入れる前に、ぜひ一読しておきましょう。

フクロウとは

フクロウのことを、生物学の視点から見ていきます。

分類では「鳥綱フクロウ目」の鳥で、フクロウは「猛禽類」という言葉でも呼ばれます。

猛禽類の意味は「肉食の鳥」という意味で、タカやはやぶさ、コンドルもみんな猛禽類と呼ばれていますが、「類」と一括りにされていながらも、実際は「タカ目」と「フクロウ目」と分類上ではまったく異なる種類なのです。

もちろん食事や体の構造で共通部分は多くあります。

ただし、それぞれの鳥一羽一羽には「個性」があることを忘れないようにしましょう。

もちろん種類によって、こんな性格になりやすいという傾向はありますが、フクロウと人は同じ生き物として1対1で向き合うのが基本です。

野生下でのフクロウの生態を知る

野生のフクロウはほかの野生動物と同じく、基本的には人の3大欲求といわれる、「食事・睡眠・繁殖」の3つを軸に行動しています。

このことから、衣食住がこと足りている飼育下のフクロウは野生のフクロウとは、まったく別の生き物といっても過言ではありません。

まずは生きていくのに重要な食事に注目してみましょう。

野生下でのフクロウの食事は過酷

基本的に夜行性の種類が多いのですが、「薄明薄暮性」という朝夕に行動する種類も少なくありません。

その種の活動時間に合わせた狩りのスタイルをとります。

ほとんどの種類が待ち伏せ型の狩りをし、お気に入りの狩り場で静かに獲物を待ちます。

一方、メンフクロウやコミミズク、オナガフクロウなどは飛翔しながら地面の獲物を摂るといった狩りにも活発的に行います。

野生下は弱肉強食の世界であり、食われる方も必死!ときには狩りをしている側でも、他の生き物の獲物となることがあります。

それだけ生きていくのは過酷なことで、狩りに使うエネルギーは相当なものとなります。

飼育下のフクロウはこの「狩り」がないため、常に飽食状態に近く、野生下のフクロウは絶えず飢えている状態にあり、ペットとしてのフクロウは、常に満腹状態に近くなりがちです。

この点が野生と飼育下の大きな違いなのです。

野生下での睡眠はねぐらがある

次に睡眠です。

無駄な体力を使わないためにも、狩り以外のほぼすべての時間は基本的に休息に充てられます。

休息といっても野生下では、いつ敵に襲われるかもしれないといった緊迫した状態で、必ずといっていいほど安心して休息できる「ねぐら」をそのフクロウも持っています。

日本のトラフズクのように季節の変化で渡りをする種類は、稀に集団で休息することがあります。

渡りの途中で本来の営巣地でない場所において睡眠をとるときは、外敵から身を守るために単独生活が基本のフクロウも、複数羽が集まって身を寄せるのです。

ほぼすべての種類の体色模様は保護色で、ねぐら周囲の環境に溶け込むように自らを隠蔽するために進化したと考えられます。

フクロウはかんたんに繁殖しない

いかに自分の子孫=遺伝子(DNA)を残すか、は生き物にとって重要な課題です。

にも関わらずこれは他の鳥種もそうですが、フクロウは環境が整わなければ繁殖せず、発情も起こしません。

それだけ繁殖をすることには、生命に多大なリスクや負担がかかるということの表れでもあります。

フクロウ類はインコ類に比べて、はるかに市場に出回る数が少ないのが現状です。

もちろん産卵数が少ないことや、これまで需要が少なかったことも原因だとは思いますが、一番の理由は繁殖ができる環境・状態を整えるのが難しく、繊細で飼育難易度が高い生き物であるという点でしょう。

フクロウは単独生活を好む

タカ目の中には社会性を持ち集団で行動する種も見られますが、フクロウ目の鳥は例外なく単独生活です。

このため他のフクロウとの交流や社会性はなく、生きていく上であまり必要がありません。

「社会性がないこと」はつまり、コミュニケーション・スキンシップなどをほとんど求めないということを意味します。

単独生活であるがために、自分の縄張り(パーソナルスペース)を広く持っているのです。

こうした生態からいえるのは、最近の風潮ともいえる、むやみに体を撫で回したり、狭い範囲の複数羽飼いするといった飼い方が、根本的に生き物としてのフクロウに「合っていない」ことがお分かりいただけるのではないでしょうか。

鳥の性格になっていなければ、そこはただの「地獄絵図」となってしまいます。

フクロウのカラダの仕組み

目・・・生活スタイルにあった目

フクロウの目の構造は、水晶体も硝子体も大きく、暗視に適した構造となっています。

しあし、すべてのフクロウが夜行性ではありません。

見分けるポイントは、虹彩の色。

夜行性の種類は虹彩の色が濃く暗い色で、日中も行動するような種類はオレンジや黄色といった明るい色が多いのです。

本来の生息地での生活に適した目の構造となっています。

ただし、日中に行動する種類でも、薄暗い森の中が生活環境であれば虹彩は暗褐色なので一概には言えませんが、一つの目安にしてみてください。

耳・・・獲物の距離を正確に測る

フクロウの耳は、左右不対象についています。

これは、左右に届く音のわずかな時間の差を感じ取り、対象物の位置を正確に把握するためです。

メンフクロウで多くの研究がされており、なんとマッハ1の音の違いを感じられるとか。

マッハというと1秒に340m、時速に直すと1224km/h。

この違いを感じられる耳と、それを処理する脳はすごいものですよね。

こうした身体能力の高さゆえに、フクロウが生活する環境は極力静かで落ち着いた所がいいと想像できるでしょう。

足・・・器用で力強い足

タカやハヤブサは不等趾足といって、第一趾のみ後ろ向きで、そのほかの3本は前向きで、そのほかの3本は前を向いています。

一方のフクロウは、最外側の第4趾が、状況によって前にも後ろにも向きます。

これは獲物を引っ掛けて捕らえるタカとは違い、しっかりと掴んで捕らえることが一因と考えられます。

このため、体格が同じくらいのタカよりも、はるかに強い握力があります。

羽・・・音がでにくい羽

多くのフクロウの羽は、飛翔時に音の出にくい構造となっています。

その柔軟性や鋸歯状突起と呼ばれる構造のためです。

※鋸歯状突起とは・・・翼が鋸の歯のようにギザギザになっているもの。
翼の表面に小さな渦を発生させて、羽音の発生を抑える役割がある)。

これらが研究され、新幹線のパンタグラフやパソコンの冷却ファンに応用されています。

フクロウの成長

種類によって異なるものの、すべてのフクロウは複数個の卵を産みます。

これを「1クラッチ」と呼び、飼育下の繁殖では、産卵直後に卵の数が減ると産み足しという行動が見られます。

これを2クラッチ、3クラッチと続けて多くの卵を産むこともあります。

野生下でも何らかの理由で卵がなくなった場合には、同じような行動が見られます。

しかし、産卵行動自体が母体にとってかなり大きな負担となるため、雄の状態がよくなければ産みたしは行われません。

卵は種類にもよりますが、約1〜1.5ヵ月で孵化し、この時点でヒトが育てるとヒトに刷り込みが入り(インプリントと呼びます)、親が育てえばペアレントレアードと呼びます。

刷り込みは、孵化直前の卵内にいる頃から入るとされています。

約1ヶ月で成長サイズに

これも種類によりますが、孵化後約1〜1.5ヵ月で綿綿の幼羽が抜け、幼鳥の羽に生まれ変わります。

この期間は小型種では短く、大型種になればなるほど、長くなる傾向にあります。

この時点で体格はほぼ成鳥と同じになり、これより大きくはほとんどなりません。

これは、哺乳類は骨の伸長が骨端の成長板で起こるのに対し、鳥類は軟骨の中心から骨化が起こるためと考えられます。

その後約一年で最初の換を迎え、幼鳥の羽から成鳥の羽となります。

一年目の幼鳥の羽は一見成鳥のものと同じように見えますが、実はわずかに長く、翼面積が広くなっています。

これはアスペクト比(鳥の翼の縦横比率のこと)を高め、未熟な飛翔技術を補うためです。

グライダーが動力なしに長距離を飛行できるのも、こうした翼の効果が一因です。

ただしその分小回りが利きづらくなり、知っておいてほしいのは、どの鳥も最初は飛翔技術が未熟であるということです。

飛翔技術は幼鳥の時期に学ぶ

放鳥などする際は事故を起さないように、細心の注意を払いましょう。

フクロウの、あの寸胴な体型から考えてわかるように、元々フクロウは飛翔能力が高くはありません。

狭い部屋での放鳥は、正直あまりおすすめできません。

飛翔技術の上達の速度は個体差があるので一概には言えませんが、徐々に上手くなる様子を観察するのも親心としての楽しみともいえます。

飛んでほしくないからといって羽を切るという風習もありますが、そもそも飛ぶから鳥なのです。

であれば、鳥を飼うべきではないのではないでしょうか。

飛翔技術を学ぶのは幼鳥の時期が一番で、この時期に飛ぶ訓練をすることがポイントです。

巣立ちを迎え精神的にも大人に

幼羽が生えそろうと、いわゆる巣立ちの時期になります。

巣立ちには精神的な変化をもたらします。

今までは、親きょうだいの接近に対して無頓着であったのが、フクロウ元来の習性を主張しはじめます。

自然の流れに沿わない形となりますが、ヒトと共生、つまりなるべくヒトと近い距離感で暮らしてもらうためには、自我を芽生えさせないようにするのがポイントです。

そのコツは、お腹がすいたら親代わりの飼い主さんが食事を与えること。

この関係を続けるよう、心がけましょう。

満腹、飽食にさせすぎず、食事のメリットを減弱させないような環境を維持します。

信頼関係のために置き餌はやめた方がいい

置き餌にすると「自分で食事を見つけた!」と思いこませてしまいがちです。

それが自立心の芽生えにつながり、飼い主との信頼関係を崩すことがあるのです。

この点からも一人暮らしで、留守がちの環境ではフクロウと親密な関係を保つのは難しいといえます。

しっておきたい縄張りのこと

フクロウは縄張りを持つ習性がありますが、その理由はさまざまです。

餌の確保か〜つがい相手を確保するために、一羽につきある一定の縄張りを持ちます。

ほかのフクロウや生き物に縄張りを侵害されそうになると、鳴いて威嚇したり、素早く攻撃することもあります。

これは「スペーシング」と呼ばれる排他行動や逃避行動と言われています。

その相手が飼い主さんになることや、始めて家を訪れたお客さんにあたることも。。。

フクロウには縄張りがあるということを、常に忘れないようにして接しあげることが、フクロウへの縄張りを尊重してあげることになります。

縄張りを侵害されるとストレスに

フクロウが生きるうえで一番の目的とすることは、「安心して暮らせる場所を確保すること」だと考えられます。

ヒトもフクロウも、ストレスの無い生活なんてありません。

しかしどれだけのストレスにさらされようとも、心休まる場所や空間があるからこそ、日々の生活をこなしていけるでしょう。

 

フクロウにも同じことがいえ、なにか嫌なことがあったとしても、パーソナルスペースに逃げ込めれば、そこで気持ちを落ち着けることができ、大事に至ることを防ぐことができます。

フクロウのパーソナルスペースを含んだ「環境」を用意することが、飼い主さんに求められることなのです。

これは種類によって大きく違い、もちろん個体差もありますが、特にStrix属のフクロウはこの習性がみられる傾向があるので、常に留意しておきましょう。

変化の少ない環境でフクロウに安心させよう

縄張り意識が強いフクロウにとって、特に変化はストレスとなりやすいものです。

フクロウが暮らしている環境に、たびたび変化が訪れると「縄張りに敵がくるかも?」と落ち着かない精神状態になりやすいのです。

つまり、フクロウと暮らすうえで最も重要視しなければいけないのは「いつもと同じ」で「変化のない環境」を維持すること。

それがフウロウにとっての安心や幸せにつながるのです。

飼育下のフクロウは自分で環境を選ぶことはできないので、だからこそ飼い主さんはフクロウにとって、なるべくストレスが生じにくい環境を用意する必要があります。

まとめ

フクロウはあくまでも野生動物なので、飼育することになったときは「野生下ではどうなのか?」を考慮してあげる必要があります。

また繊細で手間がかかる生き物なので、飼い主はよく観察し口のきけないフクロウの気持ちを察知し、快適に過ごせる工夫を凝らしてあげましょう。

フクロウはペットとして飼育している方は少なく、飼育情報が犬や猫に比べたら圧倒的に少ないので、手間暇がかけれない忙しい方には向いていないペットだと言えます。

安易に飼おうとするのではなく、自分が飼育していくにあたり、それがフクロウにとって幸せなことなのか、いま一度自分の環境を見直しましょう。

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2015.08.31

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