マルチーズってどんな犬?【性格・特徴・しつけ・気をつけたい病気など】

真っ白でフワフワな毛に、つぶらな瞳と真っ黒な鼻。

上流階級の人たちの「抱き犬」として愛玩されていたこともあり、日本でも長年多くの人に愛されている犬種です。

今回は、人懐っこくて甘えん坊のマルチーズについてご紹介します。

マルチーズの性格

最初から愛玩犬として人間と一緒に過ごしてきた犬種なので、とても人懐っこく、明るく外交的です。

「抱き犬」として、かつては上流階級の人たちに可愛がられてきたため、抱っこされるのが大好きな甘えん坊です。

飼い主に愛情深くて従順な性格は、長年トップの人気の理由でもありますね。

また、活発で好奇心旺盛、大胆な一面も持っています。自分よりも大きな犬に吠えることも。

マルチーズの歴史

「マルタの犬」という意味を持つマルチーズ。

その名の通り、中央地中海沿岸地域に浮かぶ島、マルタが原産といわれています。

その前の紀元前1500年頃にアジアからマルタに持ち込まれたという説もありますが、どちらにしてもとても歴史が古い犬種です。

猟犬や使役犬を小型化したり交配したりせず、最初から愛玩犬として飼育されてきた珍しい犬種でもあります。

世界最古の愛玩犬ともいわれ、イソップ物語にも2度登場しています。

ヨーロッパに持ち込まれ、15世紀頃からフランスでは貴族の愛玩犬として愛されてきました。

マルタ島がイギリスの属領となった1813年以降には、ビクトリア女王がマルチーズを飼い始めたことでイギリス市民の間で一気に人気になったようです。

日本でも高い人気で、1960年代後半から1980年前半まで常に人気犬種のトップでした。

マルチーズの特徴

大きさ・体重

体重は2.5〜3kg、オスのメスの体格差がほぼありません。

体高20〜25cm程度の小型犬です。

骨格は華奢なタイプ。

寿命

マルチーズの平均寿命は小型犬の平均寿命と同じくらいで12~15歳です。

24歳まで長生きしたマルチーズも国内で報告されているそうです。

被毛

最近はカットされているマルチーズが多いため、ふわふわな印象がありますが、マルチーズの被毛は直毛です。

子犬のころにカールしていても成長とともにストレートになっていきます。

艶のある白くて長い柔らかな毛は、まるで絹糸のような美しさから「シルキーコート」とも呼ばれます。

被毛はオーバーコートのみのシングルコートです。換毛期がなく、比較的抜け毛は少ないです。

長毛種で、床につくほどの長い毛で身体全体が覆われた「フルコート」ですが、家庭でのお手入れのしやすさから短めにヘアカットされることも多いです。

顔まわりを丸くしたぬいぐるみのような「テディベアカット」、子犬のようなフワフワな仕上がりの「パピーカット」、顔は丸く耳は長めにする上品な「エレガントカット」など、カットの仕方で印象が大きく変わるため、さまざまなスタイルが楽しめます。

毛色は純白が多いですが、淡いタン(茶色)やレモン色のマルチーズもいます。

マルチーズの飼育

しつけ

長年人間と一緒に暮らしてきた犬種というのもあり、従順な性格で賢いマルチーズにはしつけは苦労しないともいわれています。

抱っこされるのが大好きな甘えん坊な性格なため、飼い主の甘やかしすぎには注意が必要です。

特に、褒めてもらうことにとても大きな喜びを感じるので、しつけは褒めながら進めることで早く身につくでしょう。

また、飼い主さんと過ごす時間が短かったり寂しさがストレスになりやすい犬種でもあります。毎日のスキンシップや一緒に過ごす時間をしっかり確保しましょう。

運動

元気で活発な一面のあるマルチーズ。

愛玩犬といっても、毎日の適度な運動は必要です。

ハード運動をする必要はありませんが、気分転換やストレス発散のためにも10分~20分程度の散歩に行きましょう。

お手入れ

被毛の美しさを保つには、日々の丁寧なお手入れが欠かせません。

細く柔らかい毛は絡みやすく毛玉になりやすいため、毎日のブラッシングが重要になってきます。

抜け毛は比較的少ないですが、どんどん伸びていくので、定期的なトリミングが必要です。

また、目の周りや口回りは汚れやすいため、こまめに拭いてあげたり、毛を短くカットしてあげると衛生的です。

マルチーズが気をつけたい病気

僧帽弁閉鎖不全症

高齢の小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全症や動脈管開存症などの心臓病に、他の犬種に比べてマルチーズはかかりやすいといわれています。

心臓の僧帽弁という弁が閉まらなくなり、血液が逆流してしまう病気です。

初期症状がほとんどありませんが、心臓の雑音が聴診で発見できます。定期的な健康診断で早期発見が可能な病気です。

症状が進むと、元気がなくなったり、咳や息苦しさ、失神や痙攣などの症状が出ます。

加齢とともにかかりやすくなりますが、小さい頃から定期的な健康診断を欠かさずに受けておくと安心です。

犬の心臓病で1番多い僧帽弁閉鎖不全症【原因・症状・なりやすい犬種など】

2020.09.17

流涙症、涙やけ

真っ白の被毛の犬は特に涙やけが目立ちやすいですね。目の周りの毛が赤茶色に変色します。

短鼻・異常に狭く湾曲した涙管・前面に突出した目」を持つ犬は起こりやすいといわれ、マルチーズも涙やけになりやすい犬種です。

涙が毛についたまま放っておくと酸化したり細菌が増殖したりすることで毛色が変色してきます。変色防止のためにも涙をこまめに拭くことが大事です。

中には先天性に鼻涙管が狭かったり閉塞している子、眼瞼内反症によって流涙症が引き起こされるなどもあります。その場合には治療が必要なため、気になる場合は一度診てもらうといいですね。

膝蓋骨脱臼

小型犬全般に多く見られる「膝蓋骨脱臼」はパテラとも呼ばれ、膝のお皿がずれてしまう病気です。

軽い場合や初期は、お皿を簡単に元の位置に戻すことができますが、先天的に骨格や靭帯・筋肉などに異常がある場合が多いといわれています。

不自然に足を上げていたり、立ち上がろうとした時にキャンと鳴いたりするような際は、膝蓋骨脱臼の可能性もあります。

滑りやすい床や段差のジャンプなど足に負担をかけるような生活を避けましょう。

症状がひどい場合や繰り返す場合は、手術が必要となります。

外耳炎

マルチーズやシーズー、トイプードルのような耳毛が多いシングルコートの犬種や垂れ耳の犬は外耳炎にかかりやすいといわれています。

耳の通気性が悪い、細菌や真菌の増殖、耳ダニなどの寄生虫、アレルギー、異物混入、毛を抜く際に耳道を傷つけてしまうなどの原因で発症します。

また、湿気の多い時期にも外耳炎になりやすいようです。

耳垢が増えたり、特に黒っぽい耳垢、悪臭、耳を掻く、首を掻く、頭をぶんぶん振るなどが外耳炎の可能性があるサインです。

症状が重い場合は長期治療になることもあるので、早めに動物病院で診てもらいましょう。

マルチーズと楽しく長く暮らすために

元から愛玩犬のマルチーズは、人間と一緒に暮らしやすく、飼いやすい犬種といえますね。

人懐っこくて甘えん坊なので、常に誰かがいるような家庭に向いています。

飼い主さんにはべったりですが、人見知りな部分もあるので、子犬の時期から他の犬とのふれあいを持たせ社会性を身に着けさせることも大切です。

また、長毛犬種なので定期的なカットや毎日のブラッシング、目やに防止などのお手入れはとても大事になります。

愛犬がストレスなく飼い主さんとの時間を楽しく過ごせることが、長く一緒に暮らしていくためのポイントになりそうですね。

 

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