今回は高齢猫に多い病気をまとめました。
ペットも高齢化によって、昔はなかった病気などが増えているそうです。
“いつもと違う・・・・”といった症状があった日には、高齢の場合見過ごさずに症状を検索してみたり、すぐに獣医師に相談しましょう。
動きが鈍い
猫は10歳前後を過ぎると、高齢になります。
日だまりでのんびりと過ごすようになり、全身の老化が進んで動きが鈍くなります。
考えられる原因・病気
✔高齢による脊椎や関節の変形
✔視力の低下 など
この症状の特徴は
高齢になると、脊椎や関節が変形することによって、体を動かすのがおっくうになったりします。
また、視力が低下することで動きが鈍くなることがあります。
呼んでもあまり反応がなく、いつもゴロゴロしています。
獣医師に相談し、体の状態をチェックしてもらいましょう。
どうすればいい?
猫も歳をとるにつれて、体を動かすのを嫌がるようになったり、動きが鈍くなってきます。
そして、睡眠時間が徐々に長くなっていきます。
こうした体調の変化は、高齢化という自然の摂理ですので、とくに心配することはありません。
しかし歩き方がおかしかったり、フラフラしながら歩くなどの症状がある場合、脊椎や関節のトラブルが考えられます。
炎症や痛みは薬で改善されることが多いので、獣医師に相談してみましょう。
視力が弱ってきたことが原因で、目がみえにくくなり、動きが鈍くなっているのかもしれません。
体に異常がみられない場合、目の状態を観察してみましょう。
目が白く濁ったり、白内障が出ることもあります。
すぐに病院で検査をしてもらい、適切な処置を受けるようにしましょう。
なお、ネコが高齢になり、あまり動けなくなったら、フードの量を減らし、消化のよいものや、柔らかいものをあげるようにしましょう。
歯の状態も衰えて、場合によっては抜けてくるからです。
ペットショップなどでは、高齢猫用のフードも市販されていますし、病院のなかんも取り扱っているところがあります。
動かせなくなったネコを、無理に運動させようとすると、心臓や肺などの病気を引き起こすこともあります。
ネコが嫌がることはやめて、快適な老後を送れるような環境を作ってあげましょう。
腫瘍ができた
ねこも歳をとると、腫瘍ができることがあります。
高齢猫に多い病気の1つですが、早期治療によって回復する病気でもあります。
考えられる原因・病気
✔扁平上皮ガン
✔乳腺腫瘍 など
この症状の特徴は
扁平上皮癌は、毛の色が白い猫に多くみられます。
耳の先端や縁が赤いすり傷のようになります。
また、乳腺腫瘍は、高齢で避妊手術してないメス猫に多くみられますが、まれにオス猫にも発生します。
どうすればいい?
腫瘍には、良性と悪性があります。
悪性のものは、血液やリンパ組織に腫瘍の細胞が流れることで、体のいろいろな組織に移転することがあります。
腫瘍が小さい場合、毛に隠れて発見されにくいこともありますが、ある程度大きくなると、見つけやすい病気です。
早期発見によって、早期治療がはじめられますので、日ごろからネコの体を十分に観察しましょう。
扁平上皮ガンになると、初めのうちは赤くなったりフケが出て、出血するようになります。
耳に腫瘍ができると、先端の方からねずみにかじられたようになっていきます。
獣医師に早めに相談しましょう。
なお、この病気は高齢猫に多い病気で、外で飼っている白っぽい毛色のネコに多く発症すると言われています。
乳腺腫瘍は、放っておくと急速に移転する病気です。
乳房のあたりが大きく腫れあがり、皮膚が薄くなって出血などがみられます。
食欲不振などの症状もみられるようになります。
メス猫は、避妊手術するなどの予防策があります。
腫瘍は予防することは難しいですが、年に一回は定期検診を受けて、日頃からネコの健康に気遣ってあげれるようにしましょう。
いうまでもなく、早期発見がキーワードになるのです。
おなかがふくれる
高齢になると、おしっこやうんちに異常がみられることがあります。
おなかが膨らんできたかな、と思ったら、まずはおしっこやうんちの様子を確認してください。
考えられる原因・病気
✔腎疾患
✔慢性的な便秘
✔肝硬変
✔腹腔内腫瘍
✔腹膜炎
✔膀胱マヒ
✔子宮蓄膿症 など
この症状の特徴は
ネコを上からみて横腹がふくれている場合、片側のおなかに手のひらをあてがいがい、反対側のおなかを手のひらでたたきます。
あてがっていた手のひらにはどうが伝わったら、腹水がたまっている状態です。
波動が伝わらないときは、ほかの病気でおなかがふくらんでいるのです。
どうすればいい?
腎不全などの腎疾患になると、オシッコの異常が表れて、おなかがふくれます。
高齢猫に多い病気ですが、治療は長期にわたることが多いようですので、根気よく治療していきましょう。
慢性的な便秘は高齢猫に多い病気です。
食事の量が足りなかったり、バランスの悪い食生活を送っていたり、運動をしなくなることが原因として考えられます。
トイレでうんちをしようとしても出なかったり、少量の硬いうんちしか出ない場合が多く、次第に食欲もなくなって、元気がなくなってきます。
すぐに獣医師に相談しましょう。
肝硬変は、ウイルスや細菌などがゆっくりと時間細胞を破壊していくことによって侵される病気です。
この病気にかかると、一生涯にわたる治療が必要となります。
定期検診を受けて、バランスのとれた食生活を送らせてあげることが大切です。
健康な老後を過ごせるようにしてあげましょう。
腹腔内腫瘍や腹膜炎も、腹水がたまる病気です。
病院で適切な診察を受け、すぐに病気の治療をはじめましょう。
また、猫伝染腹膜炎も腹水のためる病気ですが、現在のところ、感染ねこを隔離する以外、予防法がありません。
ほかにも、膀胱マヒ、尿の病気などが考えられます。
常に健康管理には気遣ってあげましょう。
オシッコの様子がおかしい
オシッコの異常は、高齢猫にはとても多い病気です。
治療ができない場合もありますが、飼い主の心配りによって、さまざまなトラブルは解消されます。
考えられる原因・病気
✔腎疾患
✔糖尿病
✔尿石症
✔膀胱炎
✔筋肉や骨の異常
✔尿失禁 など
この症状の特徴は
何らかの病気が原因で、オシッコの回数が増えたり、あるいはまったく出なかったり、筋肉や骨のトラブルが原因で、オシッコのコントロールができなくなったり、トイレまで行けなくなるほどの症状が現れます。
このようなオシッコのトラブルは、高齢猫に多い症状です。
どうすればいい?
腎不全などの腎疾患にかかると、はじめのうちは水をたくさん飲むようになり、オシッコの回数も増え、量も多くなります。
悪化すると体重が減り、食欲が撃退し、脱水症状などがみられるようになります。
腎疾患は高齢猫に多い病気です。
完全に治すことはできませんが、病気の進行を遅らせることはできます。
治療には、食事療法が使われることが多いのですが、猫が嫌がって食べないこともあります。
手作りのフードを与える場合は、獣医師に相談しましょう。
そして、根気よく治療していきましょう。
糖尿病は、犬に比べると猫では少ない病気です。
水をたくさん飲むようになったり、オシッコの量が増えたり、おねしょをするなどの症状が現れます。
高齢になると、運動をしなくなるので、フードもエネルギー(カロリー)の低いものに替えるなどして、日頃から注意しましょう。
糖尿病の治療は、飼い主の負担が非常に大きいです。
腎臓や尿管、膀胱や尿道に石ができる尿石症の可能性もあります。
おしっこが乳白色に混濁してみえたり、陰部にドロドロした白っぽい液体がついていたら、この病気を疑いましょう。
飲水を清潔に保ち、栄養のバランスのとれたフードを与えることで、予防できます。
なお、トイレ以外の場所でおしっこをするようになったら、筋肉や骨の異常も疑いましょう。
食べるとき痛がる
高齢になるとそれまで固かったフードを柔らかいフードに替えたり、味のついたものばかり与えることで、歯の病気になりやすくなります。
考えられる原因・病気
✔歯肉炎
✔歯周病
✔歯槽膿漏
✔口内炎
✔潰瘍 など
この症状の特徴は
口の中が臭くなり、口のまわりのよだれが黒くこびりつくようになります。
食欲があるのに、フードをじっとみつめたままでいたり。
一口食べた途端、痛さのあまりに口をかきむしったり、大暴れしたりするなど、重度の症状が現れる猫もいます。
こうなると完治は難しく、痛みが現れるたびに治療して苦痛を取ってあげなければなりません。
どうすればいい?
高齢になると、固いフードを受けつけなくなるため、柔らかいものを好んで食べるよういなったり、味にうるさくなるため、人間の食事のように味のついたフードを好むようになります。
こうしたフードは、歯につきやすいため、歯石がたまるようになり、歯垢が歯と歯の間に入り込んで歯肉がはれあがる歯肉炎や、感染がさらに深くなった歯肉病や、歯槽膿漏にかかってしまいます。
これらの病気にかかると、歯の汚れが目立つようになったり、口臭が強くなり、歯茎が腫れ上がるため、噛むときに歯を痛がり、歯がグラグラしていきて食べにくくなり、食欲がおちて、元気がなくなるといった症状が現れます。
このような病気を考えると、例え面倒であっても幼いことからの歯みがきは必須!
歯みがきをしていれば、歯の病気から逃れられることができます。
また口腔粘膜、舌や歯肉の炎症などの口内炎、潰瘍などが痛くて食べられないという症状が現れます。
口腔内の病気は、激しい痛みをともないますので、日頃から健康管理をしっかりとしてください。
歯や口の中の病気は、高齢ねこにとても多いので、毎日の食生活を見直すようにしましょう。
喜ぶからといって、好きなものばかり与えるのは、ねこに対する愛情ではありません。
健康面を気遣って、のんびりとした老後を送れるようにしてあげましょう。
痴呆症状がでた
高齢化にともない、ねこも痴呆症状が現れるようになりました。
飼い主の協力と、温かい介護が必要となります。
考えられる原因・病気
✔高齢による痴呆症状
✔精神的ストレス など
この症状の特徴は
呼んでも反応がなかったり、近づいても気づかないなど、耳が遠くんる症状のほかに、急に食欲がでるようになったり、外出したのに家の場所がわからなくなり、近所をぐるぐるまわっていたり、うんちやオシッコをトイレ以外のことろでするようになったり、寝たきりになるといった痴呆の症状が現れます。
どうすればいい?
耳が遠くなったせいで現れる症状のほかに、これまでとはねこの様子がちがってきたり。
痴呆かな?と思ったら、まずは獣医師に相談してみましょう。
痴呆症状が改善する方法があるかもしれません。
また痴呆に似た症状は、猫の精神的なストレスで起こることもあります。
ストレスは、生活の変化が主な原因です。
例えば、いつも使っていたタオルをちがうものに替えたり、ベッドの位置を急に変えるなど、身の回りのものを替えることで、起こることもあります。
もしも、いつもとはちがったことをしていたら、元の状態に戻してあげましょう。
痴呆の症状が進むと、寝たきりになることが多くなりますが、何らかの病気が原因の場合もあります。
すぐに検査してもらいましょう。
高齢猫は、病気の進行が速いため、早く治療をはじめないと命取りになる猫もいます。
痴呆の症状には,大声で鳴きつづけたり、オシッコやうんちを我慢できずにトイレ以外の場所で済ませるなど、飼い主の負担が大きくなるものもあります。
家族で話し合い、協力しながら、猫の介護にあたるようにしましょう。
そして猫が快適に暮らしていくために、ストレスにならない程度に生活空間を改善してあげてください。
なお、もしも困ったことや問題が生じて、家族では解決できなくなったら、獣医師に相談してみましょう。
まとめ
今回は高齢猫に多い病気をまとめました。
どの病気にもいえるのは、高齢なので早期発見が鍵となります。
何か少しでも異変を感じたら、かかりつけの獣医師に相談しましょう。