猫に与えてはいけない食べ物があるのはご存知かと思います。
今回は特に危険な食べ物6つをご紹介します。
食材そのものはもちろん、加工したものでも摂取すると重い症状を引き起こすこともあるので、十分に注意して下さい。
チョコレート
カカオの中に含まれるテオブロミンという成分やカフェインなどで中毒症状を引き起こします。
摂取して1~2時間後で落ち着きが無くなり、興奮状態になります。その後、尿失禁や発熱することもあり、2~4時間後には嘔吐、下痢、呼吸困難などの症状が起こります。
重度の場合は、痙攣や死に至ることもあります。
ミルクチョコレート、ホワイトチョコレート、ブラックチョコレート等どの種類も危険です。
また、カカオパウダーやココア、チョコレートの入っているお菓子やパンなども絶対に与えないようにしましょう。
摂取量が少なくても大変危険な食べ物です。
ネギ類(玉ねぎ、ニラ、長ネギ、ニンニク、ラッキョウ)
長ネギやタマネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウなどのネギ類には、アリルプロピルジスルフィドという成分が猫の血液中の赤血球を壊してしまいます。
摂取した場合、貧血、呼吸困難、食欲不振、血尿、嘔吐などの症状を引き起こします。
加熱したり、乾燥や粉末状に加工しても毒性はなくなりません。
ネギ類のニオイは猫があまり好きではないので自分から口にすることは少ないかもしれませんが、具材として料理などに入っているものを食べてしまう危険性があります。
アボカド
猫がアボカドの果肉に含まれるペルシンという成分を口にすると、中毒症状があらわれます。
嘔吐や下痢、呼吸困難などが主な症状です。
中毒症状が起きる量や致死量などはまだ解明されていませんが、猫が決して口にすることがないように注意が必要です。
貝類(アワビ、サザエ、トリガイ、トコブシなど)
「アワビを食べると猫の耳が落ちる」という言葉が古くからありますが、実際にその危険があるのです。
貝に含まれる「ピロフェオホルバイド」という成分を体内に取り込んでも直接的な害にはなりませんが、紫外線と反応すると「光線過敏症」を引き起こします。
日光にあたることで腫れや痒みなどの症状が出ますが、猫は全身が毛に覆われているため紫外線が皮膚までは届きにくいです。
しかし、猫の耳は毛や色素が薄く毛細血管も透けているので、反応しやすい場所なのです。
そのため、耳に強い痒み、腫れ、発疹などの症状があらわれ、ひどい場合には耳が壊死して取れてしまうことがあります。
カフェイン飲料(コーヒー、緑茶、紅茶など)
猫の体内にカフェインを入れてしまうと中枢神経が刺激され、強い興奮状態になります。
血管を拡大させる作用もあり、全身の血管が拡張し大変危険です。
症状は個体差がありますが、摂取して1~2時間後にあらわれることが多いようです。
興奮症状以外に、動悸や不整脈・頻脈、下痢、嘔吐、ふらつき、痙攣、何度も排尿、全身性のうっ血・出血などの症状が出てきます。最悪の場合、死に至るケースも。
コーヒーをこぼしてしまい自分の体にかかったコーヒーを舐めたり、飲み物だけでなくケーキやゼリー、お菓子などカフェインが含まれている加工品も注意が必要です。
生の豚肉
猫に豚肉は与えても良い食材ですが、加熱してある豚肉に限ります。
生の豚肉にはトキソプラズマという寄生虫が潜んでいる可能性があります。
寄生虫による感染症を発症することがあり、嘔吐や下痢、血便などの症状が見られます。ひどい場合はリンパ異常や脳炎、肺炎、死に至ることも。
生肉を直接食べなくても、生肉が入っていた容器を舐めたり、加熱していても火が通っていない部分などを口にしてしまうと危険です。
さらに、寄生虫からの感染の場合は猫の排便から人間にも感染します。特に妊婦に感染すると胎児にまで影響が及びます。
愛猫の手が届かないように
今回は猫に危険な食べ物をご紹介しました。
猫は犬と違い、高い場所に登れたり行動範囲も広いので、飼い主さんが手の届かない場所などに隠したつもりでも誤飲してしまうケースは少なくありません。
また、食事の一瞬の隙などに食べられてしまうこともあるようです。
少しでも口にしてしまって命の危険にさらされることもありますので、飼い主さんが食事する際には違う部屋で待っていてもらったりゲージに入ってもらったりしておくと安心です。
ちょっとした工夫で防げることですので、ご家庭の環境に合わせて危険な食べ物から愛猫ちゃんを守る方法を見つけてみて下さい。