アメリカンショートヘアの性格・気をつけたい病気・特徴など

美しい柄の被毛が魅力のアメリカンショートヘア。

もともとハンターなだけあって、その行動力と機敏な運動能力は遊びがいのある猫です。

いろんなことに興味をもち、活発に動き回る姿にこちらまで楽しい気持ちになってしまいます。

今回はそんなアメリカンショートヘアの歴史や性格、特徴、気をつけたい病気などをご紹介していきます。

オスメスの性格の違いやなりやすい病気、毛色の種類や手入れ方法、他の純血猫種よりも寿命が長めと言われている理由なども書いてあります。

里親サイトものせているので、よろしかったら参考にしてください。

歴史

アメリカンショートヘアは元々はイギリスにいたショートヘアキャットでした。

1620年、メイフラワー号の船には入植者が乗っていましたがその船に一緒に乗っていたのが、ショートヘアキャットです。

ショートヘアキャットは、ペットとしてではなく長い船旅で食料をネズミなどから守るためのクルーとして船に乗せられたワーキングキャットでした。

アメリカに上陸した数匹の猫

狩りがうまく賢いショートヘアたちの数匹が、メイフラワー号から新天地アメリカに残りました。

この時の猫たちが「アメリカンショートヘア」の元となっています。

その後、メイフラワー号のネズミ退治クルー猫たちは、開拓生活においても多いに役立つこととなります。

ハンターとして大変優秀だったショートヘアは、多くの農場や家庭で求められました。

彼らの子孫は交雑があってさえも、50ドルから100ドルで売られていたと言われています。

開拓者の農夫や鉱夫たちは、ショートヘアの持つ素晴らしい狩り本能や、人懐っこい性格、輝く被毛や大胆な模様、そして健康的な骨格にポイントを置いて子猫を選択するようになりました。

この新天地は、とても厳しい環境でした。

自然淘汰され、生き残った猫たちの子孫は、厚くて固い被毛を発達させ湿気や寒さ、ケガから身を守るのに十分な密度持つようにもなります。

周囲に天敵が多かったこともあり、イギリスにいたショートヘアの猫よりも大型にもなっていきました。

開拓が進み、穀物管理の手法が発展していくと猫たちはハンターとしての仕事はなくなっていきました。

ハンター猫からの発展

イギリスにいたショートヘアに特徴的な銀灰色のクラシックタビーの美しさは、その後のアメリカで愛好家の手によって品種の確立に動き始めることになります。

1895年、アメリカのキャットショーでデビューした猫たちですが、この時のカタログには1000ドルの値段がつきました。

翌年1896年のショーでは2500ドルの値が付くほど人気が上昇していたとされています。

1900年代の初め米国のブリーダーたちは、この素晴らしい特性を猫種として守るべきであると考えるようになりました。

1904年には、アメリカンショートヘアとブリティッシュショートヘアの交配によって最初の子孫たちが生まれ、「ドメスティック・ショートヘア」として呼ばれていました。

アメリカンショートヘアに改名

「シルバー・タビー」は純銀の地色に濃いインクのような黒の模様が施されているもので大変人気がありました。

1965年には「シルバー・タビー」はCFA及びキャッツマガジン双方において、米国のキャット・オブ・ザ・イヤーを獲得しました。

猫種の名前も改名することになり、「アメリカンショートヘア」と改名しました。

発展から現在のアメリカンショートヘア

現在では押しも押されぬ人気種です。

日本に入ってきたのは1980年以降とされていますが、日本猫とは違うパターンのタビーや気質、丈夫な体質に、熱心な愛好家が増え続けています。

1996年、単猫種愛好家クラブとしてASCJ(アメリカンショートヘアクラブジャパン)がCFAに認可されるまでになりました。

性格

性格は活発でとても好奇心旺盛です。

人やほかの動物に対しては物怖じすることなく友好的に接することが出来る子が多いので、比較的多頭飼いにも向いている猫種です。

アメリカンショートヘアは無駄鳴きはなく、伝えたいことがある場合には一生懸命鳴きます。

たくさん話しかけてあげることで、お喋りな猫になりやすいです。

本来の狩猟本能が隠れているので、独立心が強いところもあります。

人間に抱っこされたり、必要以上に撫でられるような距離感は好みませんが、一緒におもちゃで遊んであげるととても喜びます。

気まぐれで自由なところがあるので、適度な距離感を保つことが大切です。

アメリカンショートヘアはワーキングキャットであり、ネズミなど捕っていた猫の為、とても運動量が豊富な猫です。

運動不足はストレスにつながり、部屋を散らかすようないたずらの元になります。

運動不足を補うためにおもちゃで遊んであげたり、キャットタワーなどを設置すると良いと思います。

上下運動できる高めのキャットタワーもおすすめです。

アメリカンショートヘアは色々なことに興味を持つため、子猫の時は事故にあわないように注意が必要です。

寒さや湿気に強く体も丈夫ですが、太りやすいので食事や体重の管理はしっかり行いましょう。

アメショーのオスとメスの性格

アメリカンショートヘアは独立心が強い猫種のため、社交的ではありますが必要以上にベタベタされるのを嫌がる性格をしています。

アメショーを飼おうと思っているときには、性別の性格の違いも覚えておくと良いでしょう。

オス
一般的にどの猫種もオスのほうが甘えん坊が多いと言われていますが、アメリカンショートヘアのオスも同じく甘えん坊な性格の子が多いです。
やんちゃで遊び好きで、人懐こいのはオスのほうがその傾向が強いです。
朝起きたら、飼い主の布団で一緒に寝ているような可愛らしいところもあります。
メス
メスはやや警戒心が強く、大人しめで気まぐれな子が多いです。
メスの警戒心は、母性本能で外敵から子を守るためとの習性とも言われています。
決してくメスが気難しい性格というわけではなく、オスメスともにフレンドリーな性格で物怖じしません。
独立心も強くクールなところもあるので、冷める時は一気に冷めるツンデレなところはメスの方がその傾向が強いです。

 

特徴

みかけのわりに中身の詰まった骨太ボディは、運動神経抜群でバランス感覚もばっちりです。

ハンターでしたが、筋肉隆々ではない中ぐらいの大きさが飼い猫としても丁度いい大きさで人気です。

額のM字形の模様と、目じりから頬にかけてのラインが特徴的。

逞しく美しい体と温厚な性格を持つアメリカを代表する猫です。

 

スタンダード

体型
・ボディの長さは中ぐらいで丸みのある長方形をしている
・胸が広い
頭部
・幅が広く中ぐらいの大きさ
・全体的に丸く頬がよく発達
・中くらいの耳
・根元は広すぎず、先端は丸みがあり離れてつく
・中くらいから大きめの目はわずかにつりあがり離れてつく
口元
・中くらいから短めの鼻と強いアゴで口元全体が角ばって見える
四肢
・体の大きさに合った中ぐらいの長さ
・四肢先には丸みがある
・中くらいの長さ
・根元が太く先端に向かってわずかに先細り
被毛
・短く全身同じ長さ
・体に沿って生え模様はくっきりみえる

なりやすい病気

肥満

体内に脂肪がたまりすぎた状態です。肥満は様々な病気を引き起こす原因になります。

成猫の1歳になると基本的にそこから大きくは体重は変わりません。1歳の頃の体重を基準に体重管理を行いましょう。

猫の場合は、家庭でも体脂肪率を測ることができます。

定期的に体脂肪率を測定して肥満の予防に役立ててください。

①胴回り(第9肋骨の周囲の長さ)を測ります。
②次に脚の長さ(ひざからかかとまでの長さ)を測ります。
③胴回りの数値を(A)、脚の長さの数値を(B)として下の表に対応させると体脂肪率がわかります。
④目安として体脂肪率が30%以上だと肥満と考えるとよいでしょう。

参考:royalcanin

糖尿病

アメショーは肥満になりやすいことから、体重増加に伴い罹患しやすい糖尿病にもなりやすい猫種です。

血糖値を下げるように調節するインスリンの分泌不足や作用不足により高血糖状態が持続し、多飲多尿や脱水、体重減少、後肢の虚弱など、末期には糖尿病性ケトアシドーシスによる食欲不振や衰弱、死亡を引き起こす病気です。

中~高齢で多く発症すると言われています。

一番わかりやすい症状は、明らか多飲多尿です。

今まで以上に、多量に水を飲むようになり尿量も増え、オシッコの色が薄くなるような症状です。

この段階で異変に気付けると治療もスムーズに進むことができますが、放っておくと入院での集中治療が必要になる場合もあります。

早期発見できるよう、多飲多尿が気になったらなるべく早めに受診するようにしましょう。

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2020.10.16

関節疾患

体重が重いので足腰などへの負担が大きくなり、関節や椎間板を痛めやすくなります。

関節炎になっても、もともと単独行動をしていた猫は足が痛かったり、ケガをしても隠す傾向にあります。

段差を一気に降りなくなった、タワーからおりるときに躊躇する、など些細な症状を見逃さないことが大切です。

日頃の体重管理は長生きするうえで大事なことなので、しっかり管理していきましょう。

肥大型心筋症

肥大型心筋症は、心臓の筋肉が内側に向かって厚くなり、心室が狭くなってしまうことで体に十分な血液を送ることが出来なくなってしまう病気です。

体に十分な血液を送ることが出来なくなるので、体はバランスをとるために心拍数を上げたり、血圧を上げたりします。

初期の段階では、目に見える症状はほぼありません。

代表的な症状

✔少しの運動で呼吸が荒くなってあまり動かない、呼吸困難が起きる
✔歩き方がおかしくなり、立てなくなる
✔歩くときなど痛がる

心臓の動きが悪くなると、血液の流れも悪くなり、血管や心臓の中で血液が固まって「血栓」となり、体のどこかの動脈に詰まって、塞栓症を起こします。

詰まる場所によって症状は様々ですが、特に多いのは、後ろ脚へ向かう動脈に血栓がつまり、急に麻痺がおこり、痛みが強く出る症状です。

大声を出して騒いだり、肉球が青かったり白かったりします。

この時、場合によっては死に至ることもあります。

また、いつもと違う場所におしっこをもらしたり、体の動かし方がおかしい場合にも注意が必要です。

体重・大きさ

メス体重:3.0~6.0kg体長:30~60㎝
オス体重:4.0~7.0kg 体長:30~60㎝

寿命

13~15歳位です。

他の純血猫種よりも寿命は長い傾向があります。

他の純血猫種より寿命が長いと言われている理由

一般的に雑種猫よりも純血猫種の方が寿命が短いと言われています。

純血猫種の中でも、アメショーは比較的寿命は長いと言われている理由にはその歴史にあります。

アメショーは元々愛玩目的で作出された猫種ではありません。

ハンターとしての役割があったため、当時飼っていた農夫や鉱夫によって健康で骨太な猫の交配をしてきた猫です。

メイフラワー号でやってきた新天地は寒さも厳しく外敵も多かったため、その過酷な環境な中でアメショー自体も自然淘汰されてきた背景があります。

 

個体差はありますが、アメリカンショートヘアは他の猫種にくらべ、遺伝疾患の少ない頑健な体を得ることができたと考えられています。

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