大谷翔平選手が家族として迎えた愛犬の「コーイケルホンディエ」という犬種が話題になりましたね。
あまり日本では多く見かけない珍しい犬種です。登録数も150頭ほどといわれています。
今回はコーイケルホンディエがどんなワンちゃんか、性格やしつけ、気をつけたい病気などをご紹介します。
性格
コーイケルホンディエは、陽気で明るく活発、学習能力も高く賢い犬種です。
神経質な面は少なく、飼われている環境に順応しやすいです。元々猟犬だったこともあり、注意深く冷静で飼い主に忠実です。
子どもやほかの犬とも仲良くできる穏やかな性格でもあり、身体を動かすなどの遊びやスポーツでも一緒に楽しむことができます。
歴史
原産はオランダで、16世紀頃にはカモの猟犬として活躍していました。
カモ猟は、コーイケルホンディエが自らカモを狩るのではなく、長くてふさふさしたしっぽを揺らして運河で休んでいるカモを網におびき寄せる方法だったそうです。
そのような役割をしていた犬種ということもあり、コーヘンは「間仕切り罠」、ホンディエはオランダ語で「犬」という意味から名付けられたようです。
また、美しくて優雅な犬として中世ヨーロッパの絵画にも度々登場していますが、第二次世界大戦中に数が激減し、1940年ごろは絶滅の危機にありました。
しかし、オランダの男爵夫人によってわずか25頭からコーイケルホンディエを復活させ、1971年にはオランダのケンネルクラブが犬種として公認していて、1996年にはイギリスのユナイテッドケンネルクラブでも公認されました。
特徴
大きさ・体重
体高はオス37~41cmくらい、メス35~39cmくらいです。
体重は9~11kg程度のやや小さめの中型犬。
体高と体長がほぼ同じのスクエアな体型です。
尻尾
カモの狩猟の際に使っていた尻尾は特に特徴的です。
ふさふさとした羽毛状の豊富な飾り毛が華やかで、ひらひらはためく尻尾がとてもエレガントです。
寿命
コーイケルホンディエの寿命は中型犬の平均寿命と同じように12~14歳となっています。
暮らしている環境や運動、フードなども影響してくるので寿命はあくまでも目安になります。
被毛
コーイケルホンディエの被毛はダブルコートで少しウェーブがかかる長めの柔らかい毛で覆われています。
耳や四肢、尻尾、胸や首のあたりに美しい飾り毛があります。
毛色はホワイトの地色にオレンジレッドが、顔の中央部分(鼻まで)には白い毛が入りっています。
耳の先にあるブラックの毛はイヤリングと呼ばれています。
飼育
しつけ
コーイケルホンディエは賢くて物覚えがいいため、しっかりと教えればすぐに理解します。
トレーニングのし甲斐がある犬種なので、早くから社会化に取り組み、しつけることでとても優れた犬になります。
出来たことはたくさん褒めてあげて、良さを伸ばしてあげましょう。
また、頭が良いため、悪いことを覚えると問題行動にも繋がってしまいますので、きちんとしたしつけは大切です。
運動
猟犬だったこともあり、しっかりとした運動量が必要です。
1時間程度の散歩を1日2回、毎日散歩に行くようにしましょう。
広いドッグランなどで走らせることも良いですが、飼い主と遊ぶのが大好きなので一緒に行える運動やスポーツなどを取り入れられると良いですね。
元々カモ猟をしていた犬種なので水が大好きな子が多いようです。
川遊びなどの水遊び、アジリティーなどのドッグスポーツもおすすめです。
お手入れ
長めの被毛ですが、基本的にカットの必要はなく自然なままで問題ありません。
週に1~2度のブラッシングと月に1回程度を目安にシャンプーをしましょう。
しかし、遊んだり動くのが大好きな犬種なので、汚れやもつれなどができやすいので、その時々できれいにしてあげましょう。
コーイケルホンディエが気をつけたい病気
コーイケルホンディエは遺伝病が発生する可能性があります。
犬の遺伝性出血疾患の中では最も多くみられる血が止まりにくくなる血液疾患「フォンビレブランド病」や、神経が麻痺することで次第に歩けなくなる「ENM(遺伝性壊死性脊髄症)」があります。
ENMは1歳を迎えるまでに発症することがほとんどで、発症してから病気の進行が早く最終的には全身麻痺してしまいます。
他には、垂れ耳で耳の内側が蒸れやすく、外耳炎などの疾患にかかりやすくなります。
また、関節疾患にも気をつけましょう。
関節は、骨と骨とぶつからないように衝撃を吸収するクッションのはたらきをしています。このクッションがすり減り、骨同士がぶつかり合って削れると関節疾患になってしまいます。
もとから股関節形成不全や老化や、他の病気からもおきます。肥満も関節に負担がかかるため、適正体重を保つことも大切です。
コーイケルホンディエが関節疾患になると、大好きな運動やスポーツに制限がかかり大きなストレスにもなります。
コーイケルホンディエと楽しく長く暮らすために
大谷選手の愛犬として一気に注目されたコーイケルホンディエ。
日本ではまだ珍しいため、他の犬種に比べて情報も多くありません。そのため病気の事例も少ないので、毎年の健康診断は重要になります。
また、中型犬の中でもスタミナ豊富な犬種です。しっかりとした毎日の運動が欠かせないため、愛犬と一緒に運動ができる飼い主さんがいないと飼うことは難しいでしょう。
小さい頃からのしつけと日常的な運動が、コーイケルホンディエがストレスをためずに健康で過ごせる重要なポイントかもしれませんね。